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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
再考篇〜振り返ってもう一度考えましょう
197/1500

197.再考篇:【課題】あなた自身を書いてみよう

 今回は皆様に課題を出してみることにしました。

 コラムは一方通行なので、ある程度皆様に取り組んでもらえる課題を設定しました。

「読み手がいる」ことを意識して書くことだけは忘れないで下さいね。

【課題】あなた自身を書いてみよう


 今回は皆様に課題を出してみます。そんなに難しいことは要求しませんので、気軽にお試しください。

 小説を書くときに必要なのは「説明」と「描写」の地の文と「会話」と「心の声」の会話文です。そのうち今回の課題は地の文のうちとくに「説明」を鍛えていきます。


 もし差し支えなければ、本コラムをイメージレスポンス先に使って課題の答えをお教えくださいませ。(これは『ピクシブ文芸』の機能です。『小説家になろう』様『カクヨム』様とは直接関係ございません)。

 他人に伝えようと思って書くと、それだけで「どうすれば相手に伝わりやすくなるかな」ということを意識できます。

 そう意識して書いた文章とまったく読み手を意識せずに書いた文章とでは「伝わり方」がまったく異なるのです。

 ですので課題とはいえ「誰かに読ませる」つもりで取り組んでください。




Q1.今のあなたはどうしていますか

 この課題では一人称視点で主人公のことを書くことを想定しています。つまりあなた自身がこの課題の主人公です。

 主人公であるあなたは今どうしていますか。どこに・いつ・どんな姿で・どんな状況の中で・どんな状態でいるのでしょうか。それを書きます。

――――――――

 私は今2017年10月14日土曜日のおやつどきにアパートの自室にいる。テレビで『スカパー!』のch.667『AT−X』を流してアニメを観ながらこのコラムを書くことにした。

 自宅に帰ったらいつもすぐに食事を済ませる。今日の昼食は鍋焼きそばにした。いつもの土曜日なら鍋焼きうどんを食べるのだが、ついうっかりして鍋焼きそばを買ってしまったのだ。うどんほど腹持ちはしないが、栄養価は高いのでこれはこれでよしとしよう。

 食事が済んで歯を磨いたらお風呂に入ってパジャマに着替える。今日は雨模様で気温が低めだ。お湯を少し温かく仕立ててゆっくりと浸かった。今はパジャマ姿でiMacに向かい、『Pages』というワープロソフトでこのコラムを書いている。

 時折り衆議院議員選挙の選挙カーが候補者の名前を連呼しながら通り過ぎていくのが煩わしい。

 自宅には他に母親もいて、居間でテレビを観ている。

――――――――

 こんな感じでいいので、今のあなたはどうしているのかを書いてみてください。あなたから見たあなた自身のことを「説明」するのです。

 周囲の状況を入れると文字数を稼げるので、外から聞こえてくるものやテレビで流している番組のことなどを書いてみましょう。

 そうすることで文章の視点が誰にあるのかがわかりやすくなる「描写」の文になります。


 もしこの程度のことが書けないのであれば、あなたはかなり「文章オンチ」な方です。

 あなたが今見ているもの・聞いているもの・感じているものや、着ているもの・行なっていること・誰かから作用されている状況などをひとつずつ拾い集めて書いていくだけ。

 書くべきことはすでにあなたの体の状態や周囲の状況が指し示しています。

 気がつくものを順に書いていけばよいだけなのです。




Q2.今朝起きたときのあなたはどうしていましたか

 Q1では「今」を書いていただきました。

「今」あなたが何をしているのか・周りはどんな状況かなどを書くだけで済んだのです。だからひじょうに書きやすかったはず。

 Q2では「過去」について書いてください。

「あのときの自分はなにをしていたかな」と振り返って文章を書いていく練習は、小説の主人公が「過去」を思い出しているときにそのまま応用できます。もしあなたが朝起きてすぐにこのコラムを読まれたのなら、昨日の朝か昨夜のことを書いてください。それでは実際に書いてみましょう。

――――――――

 今日は未明の1時半に目が覚めた。医師から処方された睡眠導入剤を用いて毎日20時半頃に就寝するので今日は5時間ほど眠っていたことになる。日によって4時間弱しか眠れない日もあった。睡眠を長くする薬を使っていても最初の覚醒はだいたい4時間後だ。

 目が覚めたらまずテレビを点けてBlu−rayレコーダーを立ち上げる。母親が近くで寝ているためLEDシーリングライトを点けるわけにはいかない。体を起こしてみると髪の毛の左半分に寝ぐせがついていた。普段は寝ぐせはつかないのでひじょうに珍しい。寝ぐせを気にしつつ布団を畳み、机に向かう。

 録画した『タモリ倶楽部』を編集して「空耳アワー」だけを切り出してHDD内に保存する。今日の「空耳アワー」はなかなか面白いネタをやっていて小さくクスリと笑ってしまった。次にスカパー!で録画した『新機動戦記ガンダムW』と『熱中時代2・先生編』をBlu−ray Discに随時書き出していく。その作業が終わったらようやくiMacを立ち上げるのだ。

『mixi』と『Twitter』を少し見てニュースや友人の近況を確認してからいよいよ『pixiv』を開く。

 今日は「いいね!」が付いているかな。ブックマークされているかな。コメントは付いているかな。フォロワーさんができていないかな。そんな期待を込めて開くのだ。トップページを表示したときに通知が赤く光って数字が書かれているといつも「よし!」と手応えを感じる。今日は運良く通知が赤く光っていた。確認するとフォロワーさんが1名増えたのだという。フォロワーさんが増えると作品の閲覧数が全体的に上がるのでたいへん喜ばしい。

 そのあとにコラムを少し書いてみる。寝起きの際には話のタネだけを考えることにしているのだ。タネがあればそれを膨らませるのは得意なほうである。膨らませる作業はたいてい仕事のない土曜日と日曜日にやることにしていた。今日は都合よく土曜日。朝の買い出しに行くまでコラムを膨らませる予定だ。しかし今日はなかなかタネが思いつかない。半年も毎日コラムを連載していれば、時折りまったくネタが浮かんでこないことがある。そういうときは思い切って新しい「篇」を作ってきた。切り口そのものを変えてしまわないと書けないからである。

 3時半を過ぎるとおなかが空いてきたので、いつもより早いが朝食にしよう。朝食のメニューは毎日完全に固定している。いわゆる「ルーティーン」である。ごま昆布のおにぎり一つとバナナ1本と飲むヨーグルトの「LG21」1本。それだけでは物足りなかったので粉末のミルクティーを淹れてiMacに向かう。これから本格的にコラムを膨らませるのだ。

 あれこれと考えをめぐらしながらコラムを書いていると時間は4時45分になった。母の枕元においてあるラジオからニッポン放送の『オールナイトニッポン』が流れてくる。だがすぐに終わる時間なので私はいつもその内容を聞いていない。そうするうちに目覚まし時計も鳴り出し、母がゆっくりと起床した。母が布団から起きたらLEDシーリングライトを点けて部屋を明るくする。外はまだ暗いままだ。

――――――――

 とまぁここまでが今朝(執筆当日)に起きた際の私の行動ですね。さすがに今朝の出来事ですから記憶がスイスイと出てきます。これが昨日の朝や一昨日の朝となったらこんなに簡単には出てこなかったでしょう。

 皆様も「今朝起きたときにどうしていたか」を思い出しながら書いてみてください。

 この課題は小説の主人公の過去を考えるときだけでなく、主人公のこれからの行動を考える力を付けてくれます。

 頭の中でイメージを明確にして、それを時系列に従ってひとつずつ書いていく力です。とくに「説明」を強める働きをします。

 私も「描写」をほとんど書いていませんよね。「過去」を「描写」するのはなかなかに難しいのです。

「描写」に取りかかる前にまず確実に「説明」できるようにしておく必要があります。





最後に

 今回は「【課題】あなた自身を書いてみよう」と題して、皆様に課題を出してみました。

 自分のことを書く。これは普通の人ならスラスラと書けてなんらおかしくないものです。なのですが自分のことすら満足に書けない人も中にはいます。そんな方は小説を書こうとしてもすぐに筆が止まってしまうタイプです。


 そこでまずは「自分のことを書く」ところから始めてみましょう。

「他人が読んでもわかるように書く」のが課題のポイントです。ですので、出題者である私に対して「ご自分のことをアピールするつもりで書いて」みてください。


 この課題は一朝一夕で身につくものではありません。最初は大雑把な事柄でもいいのです。

 次の日には前日よりも詳しく書けるように努力しましょう。これを毎日繰り返して初めて効果が現れるのです。

 この課題と同様の効果が期待できるのは「毎日日記を書く」ことです。「今日はこんなことがあったな」とか「昨日はこんなことがあったな」とか頭の中でイメージを明確にして、それを時系列に従ってひとつずつ書いていきましょう。

「説明」力は確実に上がっていきますよ。




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