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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
技術篇〜いかにして名作が創られるか
1214/1500

1214.技術篇:関心・興味を持つ

 皆様にお読みいただいている本コラムですが、もちろん「小説が書きたい」と思っていますよね。

 その関心や興味がなければ、いくら本コラムを読んでも「馬耳東風」です。

関心・興味を持つ


 どんなに勉強してもまったく身につかない方と、少し学んだだけですべてを理解できる方がいます。

 この差はなにかというと「関心や興味を持っている」かです。

「関心や興味を持っている」と能動的、意欲的に取り組みますから自然と知識や知恵が身につきます。

「関心や興味がない」といくら時間をかけて学んでも、試験に合格するとすべて忘れてしまうのです。

 記憶の定着には意欲が不可欠です。




なぜ憶えても忘れてしまうのか

 人の脳細胞は人生で得たすべての情報を詰め込めるだけの容量があります。

 それなのに中学校で学んだ化学の授業が思い出せない。地理で憶えた各地の特産品を忘れてしまった。

 それは興味がないからです。

 もし興味があれば、何度も反復したり自ら情報を探してきたりと自発的に動きますから、労力に見合った成果として自然と憶えてしまいます。

 興味がないと労力をかけずに受動的に憶えているだけなので、用が済めばすっかり忘れてしまうのです。

 学校の授業だけを受けていても憶えられないものもあります。

 先生の教え方がヘタだから、という理由もあるでしょう。

 しかし根本的には、学ぶ側にも問題があります。

 たとえば憶えなければならない英単語がある。でも憶えられない。

 もし英語が大好きなら、少しでもわからない英単語は辞書を引いたりネットで検索したりします。意味を理解しようとしますし、実際に使ってみて用い方を憶えようとするものです。

 でも英語がそれほど好きでないのなら、わからない英単語はわからないままにしておいても頓着しません。わからないとしても日常生活で苦労はしないからです。どうせ英語が出てきたら避ければよい。無理にわかろうとしなければ、ストレスにもなりませんしね。

 このように学ぶ側が好きなものならいくらでも能動的に憶えますが、好きでないものならどんなに迫られても憶えようとしないのです。




学習塾やセミナーの利点

 好きでもないものを憶えなければならないとしたら、あなたならどうしますか。

 多くの方が利用するのは学習塾やセミナーです。

 学習塾やセミナーがすぐれているのは、「お金を払って学ぶ」こと。

 つまり「元をとらないと通っている意味がない」と思うので、等価交換だとばかりに憶えようとします。

 そしてたいていの場合、目的が達成されると途端に忘れるのです。

 こればかりは変えようがありません。なにせその知識はあなたが楽しく生きるうえで役に立たないものなのですから。

 せっかく難関大学へ入れたのに、サークル活動ばかりして単位を取ろうとしない、自堕落な学生になります。

 これはただ遊びたくて遊んでいるわけではないのです。

「単位がとれるだけの知識」を合格が決定した途端に忘れてしまう。だから大学の講義を受けても理解できないのです。

 エリートコースに乗ろうという、ただそれだけの理由で東京大学法学部に入ったとしても、元々の動機が不純なので入試の知識をすっかり忘れてしまいます。それで単位を取りながら司法試験の勉強をしたところで、現役合格するのは難しい。

 司法試験を現役で合格できるのは、元々法律が好きだった人です。

 自ら進んで六法全書や判例などを読むから現役合格できます。

 もしエリートコースに乗ろうというだけの理由だと、憶えなければならない法律と判例が山ほどあって、その量に圧倒されてしまうのです。もう戦意喪失してしまいます。

 一度憶えた知識に興味がないと、せっかく学習塾やセミナーで教わってもすぐに忘れてしまいます。




趣味になればいくらでも憶えられる

 人間、興味を持たなければ、せっかくの知識や知恵を死ぬまで憶えておけません。

 冒頭で申しましたが、人間は一生ぶんの情報を余さず記憶できるほど脳の容量が大きいのです。

 にもかかわらず憶えていられない。それは「憶える必要がない」と本能で判断してしまっているのです。

 たとえばゲーム機でコンピュータ・ゲームをプレイしているとき「このスライムの弱点は炎だから炎の魔法で攻撃しよう」と考えますよね。そのとき、いちいちメモをとって「スライムの弱点は炎」と書いておくでしょうか。その程度のことは記憶できますよね。なにせそのゲームを楽しんでいるのですから。メモなど残さなくてもスライムが出てきた途端、瞬時に弱点を見極められます。

 趣味で楽しんでいるゲームなら敵が百種類いようと、すべての弱点を憶えておけるものなのです。

 最近なら「スマートフォン・ゲーム」が顕著でしょう。

「この敵にはこのスキルで戦ったほうが有利だろうから、あのキャラクターを仲間に入れないと」と考えて、都度課金を何度も繰り返してしまうのです。

 相手が強敵になればなるほど、弱点の見極めも精緻になりますし、憶えておかなければならない手順も増えます。それでも趣味のゲームならいくらでも憶えられるのです。

 であれば、趣味となるほど興味を持って、記憶に取り組むよう心がけましょう。

 憶えることを楽しめれば、いくらでも憶えておけるのが人間です。

 もうひとつ例を挙げるなら「麻雀」が適当でしょうか。

 麻雀は場にどの牌が何枚出ているのかをすべて記憶し、瞬時に自身の役を作らなければなりません。そして順番で牌をとっては捨ててを繰り返し、都度場にどの牌が何枚出ているのかを追加で記憶しなければならないのです。麻雀が「頭を使ったスポーツ」と呼ばれるゆえんです。





最後に

 今回は「関心・興味を持つ」について述べました。

 小説は知識を豊富に求められます。

 それらを自身の知識とするには関心や興味を持たなければ難しい。

 趣味のレベルにまで高められたら、一度憶えたら何年も忘れなくなります。




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