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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
応用篇〜小説を書くために一歩踏み込んでみる
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117.応用篇:絵師さんに表紙絵をお願いする

 せっかく苦労して書いた小説です。多くの人の目に留まりたいと思います。

 それにはタイトルも重要ですが魅力的な「表紙」も重要なのです。

 自分で描けるのならいいのですが、文筆専門の方もおられるでしょう。そこで知り合いの絵師さんに依頼する手があります。

絵師さんに表紙絵をお願いする


 書き手が自分で絵も描けるのなら、できるだけ自分で表紙絵を描きましょう。絵に自信がないのなら写真を撮ってきて表紙にしてもいいですよ。(本コラムは『ピクシブ文芸』で桜の写真を表紙にしています)。

 インターネットで検索して出てきた画像を無断で使うのはご法度(はっと)です。警察に捕まりますので絶対にしないように。

 書き手自身は絵が描けないかうまくないと自認しているかよい写真も撮れないのなら、もう外注(外部発注)するしかありません。

 そうです。絵師さんにお願いして描いてもらうのです。




絵は簡単には描けない

「絵を描く」という作業は「小説を書く」作業よりもはるかに時間がかかります。絵師さんはキャラの見た目を考えて、構図を考えて、ポーズを考えなければなりません。それでラフを描いては小説の書き手に見せてOKかNGかを決めてもらいます。NGならまた一から考え直さなければならないのです。

 あなたは小説でキャラの見た目をどれだけ細やかに書いていますか。ほとんど書いていないようなら「キャラの見た目」を決めるだけでも絵師さんはかなりの時間と労力を要します。

 自分である程度絵が描ける書き手なら「キャラの見た目」は自分で書いて絵師さんに渡しましょう。それだけで絵師さんはかなり楽になります。構図やポーズなどもある程度書き手が描けるのなら、それも渡してください。絵師さんはクリーンナップと着色のことだけを考えれば済みます。

 そもそも『pixiv』(本コラムは元々『ピクシブ文芸』に投稿していたため、その元となっている『pixiv』に多く言及しています)は絵を投稿して閲覧するWebサイトですから、書き手の方もある程度絵は描けるはずです。

 そのご自身は絵にどれだけ時間をかけていますか。そう思い返せば、絵師さんのご苦労も少しは理解できるのではないでしょうか。




小説を読んでもらってから締め切りを提示する

 書き手自身が「キャラの見た目」と「構図」と「ポーズ」を決めたとします。

 次は知り合いの中からクリーンナップと着色をしてくれそうな方を探します。

 知り合いでもない人から「絵を描いてほしい」と言われて「はい、わかりました」と了承する絵師さんなどいません。よほど仲が良い方なら描いてもらえる可能性は高まります。

 でも無償ボランティアで描いてくれるような絵師さんとお知り合いということもまた無いでしょう。


 とりあえず小説本文とラフ絵を絵師さんに渡して「いついつまでに描いてほしいんですけど大丈夫ですか」と必ず聞いてください。

 絵師さんには絵師さんの仕事や生活があります。絵を描く時間がそれほどとれない方も多いのです。

 だからまず「締め切り」を決めておき、それまでに描けますよという絵師さんを選択してください。「締め切り」はあるんだけど、どうしてもその絵師さんに表紙をお願いしたい。そうお思いでしたら、絵師さんに「こちらとしてはいついつまでに描いてほしいのですが、そちら様と致しましてはいついつまでに描きあげられそうですか」と聞いてみましょう。

 後はあなたと絵師さんとの絆がどれほど強いかによって「締め切り」が早くなるか遅くなるかするのです。




対価を提示してもらう

 絵師さんは皆自分の描く絵にそれなりの自負があります。それを無償で小説の書き手に提供するようなボランティア精神にあふれた絵師さんは、よほどあなたに触れられたくない弱みを握られているのではないか、と私が心配してしまうくらいです。

 つまり絵師さんに表紙をお願いするのなら「対価」が必要になります。

「対価」ズバリ「お金」です。

「あなたの描いてくれた表紙に○万円出しますので描いてください」とお願いするのです。とくに相場はありません。あなたとマイピクの絵師さんとの絆によって安くもなったり高くもなったりします。

 相場に近いものとしては「自分が表紙を依頼されたら最低いくらなら描いてもいいか」を知ることです。

 この書き手なら五千円でもいいし、なんなら千円でも構わないよ、という方もいらっしゃるでしょう。

 この書き手なら五万円、十万円はもらわないと描く気になれないよ、という方もいらっしゃるはずです。

 でも書き手側がそう思っていたとしても絵師さんにはその方が感じる書き手への価値観があります。こちらは千円でもやりたいと思う間柄ですが、絵師さんとしては最低でも一万円は欲しいと思う間柄であることは珍しくないのです。


 そこで「締め切り」を決めたのと同様に「お金はいくらなら描いていただけますか」と聞きましょう。そこで金額の交渉が始まります。

 金額の交渉で折り合いがつかなければ、その絵師さんに頼むのはすっぱりとあきらめましょう。折り合いがつけば交渉成立です。後は「対価」の先払いか後払いか手付金半額にするかを決めます。

 小説の書き手としては先払いしたけど表紙がいっこうに出来あがらないのではないかと心配になりますよね。絵師さんとしては表紙は描いたけど本当に「対価」は得られるのだろうかとこちらも心配しています。ですので「手付金半額」で手を打つのです。これなら双方の心配を半減できます。




繰り返し同じ絵師さんに頼む場合

 もし「他の小説でも今回と同じ絵師さんに頼みたい」とお思いなら「対価」を少し上げて交渉してください。

「こちらは絵師さんを評価していますよ」と示してあげる必要があるからです。同じ金額なら絵師さんは「それほど評価していないのにまた頼んでくるのかよ」と思います。

 絵師さんの気分を害してはいけません。これまで築きあげてきた絆が瓦解してしまうのです。

 書き手は表紙を描いてくれる絵師さんの存在があったらばこそ、自分のイメージする表紙を手に入れられます。力関係では絵師さんのほうが上なのです。そこを勘違いしないでください。

 繰り返し同じ絵師さんに頼んでいると、絵師さんのほうから「ここはこうしたほうがいいんじゃないですか」と提案してくることがあります。「キャラはもう少しとがった感じに」とか「いつも日の丸構図なので今回は三角構図でいきませんか」とか「いつもこういうポーズになっているので、今回はこんなポーズにしてみては」とかいった具合にです。

 絵師さんの言うことは素直に聞き入れましょう。絵に関してはあなたより上だと認めているからその絵師さんに表紙をお願いしたんですよね。だったら絵師さんの言うことのほうに理があります。




絵が苦手な書き手はどうすれば

 絵が苦手すぎてイメージを絵にして絵師さんに伝えられない。そういうときは、文章でいいのでそのキャラはどんな感じの外面をしているのか、事細かく書いて絵師さんに渡してください。身長・体型・髪型・衣服・装飾品などを詳らかにしていくのです。それを絵師さんが読んで「これならイメージが湧きそうです」と言ってくれれば成功になります。

 でも本来なら小説本文でもそれくらいの描写があってしかるべきなのです。

 小説本文を読んでも人物描写が少ないのであれば、読み手のことをまったく考えていない小説でしかありません。読み手はキャラに感情移入したいのです。だからとくに身体的な特徴はできるかぎり最初の読み手である絵師さんがイメージできるように描写しておきましょう。





最後に

 今回は「絵師さんに表紙絵をお願いする」ことについて述べてみました。

 小説とくにライトノベルでは表紙絵がよいほどウケはいいのです。無地の表紙や小説投稿サイトで用意されているテンプレートな表紙では読み手に自分の小説を強くアピールできません。

 小説投稿サイトを利用しているのなら、なおのこと表紙絵に気を配るべきです。小説本文が拙くても、表紙絵のイメージでかなりの部分補完することができます。それはつまりあなたの小説に対する評価も変わってくるのです。

 評価が良くなればブックマークも増えます。ブックマークが増えれば「紙の書籍化」も見えてきます。

 絵師さんに渡す「対価」は「紙の書籍化」のための広告宣伝費だと思ってください。

 表紙絵を絵師さんに任せれば、書き手は小説本文の質を高めることだけに専念できます。




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