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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
鍛錬篇〜まったく書けない方が書けるようになる
1127/1500

1127.鍛錬篇:安易なマイルールは作らない

 今回は「マイルール」についてです。

 こんなとき自分はこうしよう、というルールが「マイルール」です。

 あなたは安易に「マイルール」を創っていませんか。

安易なマイルールは作らない


 小説を執筆するのにはとても手数がかかります。

 だからつい「制限」を設けてしまうものです。

 この「制限」が「マイルール」という形になります。




閲覧数の多いジャンルしか書かない

 おそらく多くの書き手が課している「マイルール」は「閲覧数の多いジャンルしか書かない」です。

 せっかく時間をかけて執筆したのに、ほとんど読まれないのなら、誰だって気落ちしてしまいますよね。

 だから多くの書き手は「閲覧数の多いジャンルしか書かない」と決めているのです。

 私も皆様に勧めていましたからね。

 ですがそれだけで多くの読み手に読まれるものでしょうか。

 だって、書き手がこぞってそのジャンルの作品を投稿してくるのですよ。

 競合多数で、潜在的な読み手が分散しかねません。

『小説家になろう』なら「ハイファンタジー」ジャンル、『カクヨム』なら「異世界ファンタジー」ジャンルが最も読まれます。しかし掲載本数自体が多いのです。どうしても読み手は分散してしまいます。

 なにかで差別化を図らなければ、あえてあなたの作品を読む理由にはならないのです。




閲覧数の多いキーワードしか書かない

 ジャンルに次いで多い「マイルール」が、キーワード縛りです。

「異世界転移」が最も読まれるから「異世界転移」を書く。

「異世界転生」が最も読まれるから「異世界転生」を書く。

「悪役令嬢」が多く読まれるから「悪役令嬢」を書く。

「俺TUEEE」が最も読まれるから「俺TUEEE」を書く。

「チート」が最も読まれるから「チート」を書く。

「主人公最強」が最も読まれるから「主人公最強」を書く。

 多くの書き手がこのような判断をしています。

 しかしそれが本当に読まれることにつながるのでしょうか。私は懐疑的です。

 ジャンルでも書きましたが、書き手がこぞって「異世界転生」ものを書いたら、競合多数で読み手は必ず分散してしまいます。

 なにかで差別化を図る必要があるのです。




あまり読まれていない連載はエタらせる

 これも「マイルール」にしている方がいらっしゃいます。

 確かに閲覧数の少ない連載は、それ以降を書いて取り戻せるとはかぎりません。

 途中で多くが去った作品に舞い戻って読みにくる読み手もまずいないでしょう。

 だから連載を途中放棄して「エタらせる(エターナル:永遠に終わらない)」選択にします。

 小説投稿サイトは、書き手のモチベーションが第一だと考えがちですが、少なくなっても読みに来てくれる読み手が第一なのです。

 いくら書き手がやる気をなくしても、数少ない読み手は続きが読みたくてたまらない。

 それなのにいつになっても続きが投稿されず、のみならずまったく別の連載を始められたりするのです。

 これではせっかく続きを待ってくれていた数少ない読み手にすら見限られてしまいます。

 どんなに読み手が少なくてツラくなっても、連載はきちんと終わらせるようにしてください。

 一度「エタる」と判断された書き手は、その小説投稿サイトで復活する目がなくなります。よほどのビッグヒットを生み出さないかぎり。

 ですが「エタる」書き手だと思われていると、そのビッグヒットですら「またエタるのでは」と疑心されてしまいます。

 将来を考えるのなら、たとえ今はツラくても連載をきちんと完結させましょう。




その他大勢との差別化で生き残れ

 読まれるジャンルや、読まれるキーワードを使って作品を書くのは悪くありません。

 ただ、他の人が先に発表している物語と同じようになるのであれば、別にあなたの作品を読む理由にはならないのです。

 だから読まれるジャンルやキーワードを使う場合は、「あなただから書ける」物語になるように気を配りましょう。

「あなただから書ける」物語と言われてもピンとこない方もいらっしゃるでしょう。

「他人と差をつける」と考えてください。

 差には高低、上下、前後、左右、過去未来、世界観といったものがあります。

 たとえば姫と貴族の「恋愛」ものであれば、身分を高くすると「女神と皇帝」、低くすると「村長の娘と村人」が設定できますよね。

 年齢を上げると「姫と老貴族」、下げると「姫と少年」。

 入社順の前なら「女先輩と後輩男」、後なら「女後輩と先輩男」。

 左右は同僚・同学年・同級生になりますから「同じクラスの女子と男子」「同じ学年の女子と男子」「同じ会社の女性と男性」。

 過去なら「姫と祖父」、未来なら「姫と王子」にすると禁断の恋っぽくなりますね。

 世界観としては「姫とガンマン」「姫とサムライ」のように西洋ファンタジーなのに西部劇風や和風のものと組み合わせてみてください。

 これらの差を読まれるジャンルやキーワードとミックスしましょう。

「ハイファンタジー」に「ガンマン」や「忍者」「サムライ」が出てくるだけで、一風変わった物語にできます。

 組み合わせ次第では完全にオリジナルな物語が出来あがるので、「小説賞・新人賞」にも有利に働くでしょう。


 ただ、完全にオリジナルな物語は「先例がない」ので、どれだけ反響があるのか発表するまでわからないのです。

 この手探り状態に慣れていかなければ「プロ」としてやっていけません。

「プロ」は小説投稿サイトのテンプレート作品をそのまま書くわけにはいかないのです。「書き手らしさ」のある作品でなければ出版社レーベルとしても大々的に売り出せません。

 すでにあるテンプレートに、高低、上下、前後、左右、過去未来、世界観といった差を取り入れることで、誰もが気づきもしなかった「宝物」を発見できるかもしれないのです。まさに「ワンピース」!





最後に

 今回は「安易なマイルールは作らない」ことについて述べました。

 最も読まれる作品を書くには、「読まれるジャンル」「読まれるキーワード」を用いればよいわけではありません。

 そこに他人とは異なる点つまり「差」をつけなければ目立てないのです。

「小説賞・新人賞」を狙いにいくのなら、凡百な作品ではまず獲れないでしょう。

 他人とは明確に異なるなにか。あなたの作品にはそれがありますか。

 なければさっそく設定しましょう。

 目の肥えた選考さんをうならせる「斬新な作品」は、一見テンプレートに見えて、実は「他とは一線を画する作品」であることが多いのです。

「企画書」の段階から「差」を意識して創り込んでください。




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