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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
鍛錬篇〜まったく書けない方が書けるようになる
1098/1500

1098.鍛錬篇:ストーリー性のあるあらすじ

 今回は「ストーリー性のあるあらすじ」についてです。

「あらすじ」の書き方がわからない方は、「ストーリー性」を重視してください。

 そのためのテンプレートも用意しました。

ストーリー性のあるあらすじ


「あらすじ(紹介文・キャプション)」で、つい設定を書き連ねていませんか。

 主人公の外見や性格、社会的な地位、脇役との関係性。どこが舞台なのか。そんな設定です。

 もし設定しか書かれていなければ、読み手はその作品に興味を惹かれません。




ストーリー性とは

 サブタイトルに「ストーリー性のあるあらすじ」とあります。

 どんな「あらすじ」でしょうか。

「主人公になにが起こるのか」「その主人公がどうするのか」が書いてある「あらすじ」です。

 たとえば「勇者パーティーから追放された」「だから復讐を決意する」というのも「主人公になにが起こるのか」「その主人公がどうするのか」が書いてある「あらすじ」になります。

「辺境で農業に始めた」「世界一の農園を作ろうとする」というのも「主人公になにが起こるのか」「その主人公がどうするのか」が書いてあるのです。

 このふたつは「物語の始めに起こる」こと。つまり「ストーリー」の端緒を書いています。

 読み手は「こんな状況に置かれた主人公はどうするのだろう」と気になるのです。

「ストーリー」は「始まりを聞くと、つい終わりまで知りたくなり」ます。

 つまり「思わぬ罠」なのです。

 子どもに絵本のおとぎ話を語って聞かせるとします。最初のページを開いて出だしを読み、途中で読むのをやめてみてください。必ず「ねぇねぇ、続きは?」と言ってきます。これなどは人が「ストーリー」に惹かれる源泉です。

「ストーリー」を始めると、どうしても終わりが気になってしまいます。




ストーリーの過程もたいせつ

 連続ドラマやアニメがよい例かもしれません。

 たまたま初回を観て面白かった。すると「この先、主人公たちはどうなるんだろう」と気になって仕方がなくなります。だから来週も観てしまうのです。

 受け手が知りたいのは「ストーリーの結末」。ですが、そこへたどり着くまでにどのような波乱があるのか。どのような道をたどるのか。「ストーリーの過程」も知りたくて仕方がなくなります。

 たとえばマンガの松本零士氏『宇宙戦艦ヤマト』は、核汚染された地球を救うために、宇宙戦艦ヤマトがイスカンダル星まで「コスモクリーナー」を受け取りに行く「ストーリー」です。もし「ヤマトがイスカンダル星でコスモクリーナーを手に入れて地球へ帰還し、核汚染を除去した。」とだけ書いてあったら、あなたは『宇宙戦艦ヤマト』を「面白い」と感じますか。おそらく「だからどうした」と思うはずです。

 地球を核汚染したガミラス帝国と激戦を繰り広げながら、苦労して「コスモクリーナー」を手に入れるからこそ、手に汗握る展開になります。つまり「ストーリーの過程」が「面白さ」に直結しているのです。

 まず「主人公になにが起こるのか」。地球がガミラス帝国に核汚染された。そして「ストーリーの過程」。「コスモクリーナー」を受け取りに宇宙戦艦ヤマトでイスカンダル星へ向けて出航する。

 この二点が書かれている「あらすじ」なら、「その先が気になって仕方がない」と思わせられます。




読まれる作品はストーリー性のあるあらすじになっている

「だからどうした」と思われるか「それからそれから?」と思われるか。大きな違いです。

 いかにして読み手の「それからそれから?」を引き出すのか。

 その答えが「ストーリー性」です。

 本文が読まれる「あらすじ」は必ず「ストーリー」仕立てになっています。

 まるで本文を読んでいるかのように感じられる「あらすじ」なら、読み手はどうしても続きが気になるものです。

 だからついクリック(タップ)して本文を読みに来てしまいます。

 あなたの作品の「あらすじ」はどうでしょうか。

 設定だけを書いていませんか。主人公がどんな人物か書いてありますか。その主人公になにが起こるのか書いてありますか。それに対して主人公はどうしようとしているか書いてありますか。

 これらをコンパクトに「ストーリー」仕立てで「あらすじ」に収めなければなりません。

 書くべきことは山ほどあります。ムダな一文など書いている隙間はありません。

 このような「あらすじ」が書けるかどうかで、閲覧数は雲泥の差になります。

 書けるようになるコツは、ひたすら分析することです。

 どういう本文の出だしをしている作品が、どういう「あらすじ」を書いているのかを知りましょう。それもできるだけたくさん。

 他者から学べるものはなんでも学びましょう。

 すべて我流でなんとかしようとするのは、個性を引き出す時間をムダにかけているだけです。他者がどのようにしているのかを知れば、模倣して容易にあなたの個性を当てはめられます。効率に大きな差が生じるのです。




読まれるあらすじのテンプレート

 どのように実践すればよいのでしょうか。

 次のように構成してください。

 1「どのような特異性を持つ主人公なのか」

 2「主人公はどのような現状に置かれているのか」

 3「主人公はどのようにして現状を打破しようとするのか」

 この順番で「あらすじ」を書きましょう。

 例としてアニメ『機動戦士ガンダム』の「あらすじ」を書いてみます。

――――――――

 ペットロボットを自作するほど電子機器に強いアムロは、スペースコロニーのサイド7に住んでいた。ある日サイド7はジオン公国軍の巨大ロボット「ザク」二機に襲われる。アムロは幼馴染と防空壕へ避難しようとするが、ザクの攻撃で多くの民間人に死者が出た。技術士官の父に助けを求めるも断られ、近くにあった巨大ロボット「ガンダム」へ乗り込み、マニュアル片手に操作ながら「ザク」を倒そうと試みる。

――――――――

 まず主人公アムロの特異性である「電子機器に強い」を書きます。

 次に主人公が出来事に巻き込まれる。ここでは「ザク」に襲われるのです。

 最後に主人公が現状を打破しようとする。つまり「ガンダム」へ乗り込んで「ザク」を倒そうとする、と書くのです。

 このあらすじでSFであることはわかりますし、巨大ロボット同士のバトルシーンが期待できます。

 この3ステップの「あらすじ」テンプレートで、あなたの作品の読まれやすさは格段に生まれ変わるのです。

 どうしても閲覧数が伸ばせない方は、この「あらすじ」テンプレートを用いてみてはいかがでしょうか。

 テンプレートが馴染む手始めに、アニメやマンガの「あらすじ」を書いてみましょう。

 意識しなかった魅力に気づけるかも知れませんよ。





最後に

 今回は「ストーリー性のあるあらすじ」について述べました。

 読まれる作品の「あらすじ」は、例外なく「ストーリー性」があります。

 あなたも3ステップの「あらすじ」テンプレートを用いて、「ストーリー性」のある「あらすじ」を書きましょう。




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