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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
鍛錬篇〜まったく書けない方が書けるようになる
1096/1500

1096.鍛錬篇:読まないと損だと思わせる

 今回は「読まなきゃ損」と思わせることについてです。

 小説を買うとき、まず冒頭ページを数文読みますよね。そこで「これは面白くなりそうだ」と思ったから買うはずです。

 小説投稿サイトでも理屈は同じ。

 まず「読まなきゃ損」と思わせて本文を読んでもらう。

 ここから始まります。

読まないと損だと思わせる


 今回も「あらすじ(紹介文・キャプション)」についてです。

 前回は「主人公の特異性」を前面に出して惹き込む手法でした。

「読まないと損」だと思わせると、読み手はついつい読んでしまいます。




主人公の特異性も読まないと損だからこそ

「読まないと損」は、「読むと得」だと思わせるところから始まります。

「この作品を読むと、こんなよいことがありますよ」

 そうアピールしている「あらすじ」は強い。

 仮に本文の連載当初はまったく面白くなくても、連載十回までに「読んできてよかった」と思ってもらえれば合格だからです。

「剣と魔法のファンタジー」で出てくる「才能」にしろ「スキル」にしろ、「特異性」を主人公がどう活かすかで物語の面白さは決まります。

 連載十回までに「才能」「スキル」の一端を活かした出来事(エピソード)があれば、読み手は「面白かった」と判断するのです。なんと現金なものでしょうか。

 その出来事(エピソード)が起こってしまえば、それまでの「つまらない」が一挙に「面白い」に変わるのです。

 ここでは「十回」と言っていますが、厳密に何回かは作品によります。

「あらすじ」できちんと「主人公の特異性」を書いておき、それが発揮される出来事(エピソード)にも言及しているのなら「十回」くらいは待ってくれる。

「主人公の特異性」だけが記されているのなら「三回」くらいでしょうか。仏の顔も三度までと言います。読み手が広い気持ちでいてくれるのも「三回」までです。

 連載初回から「特異性」を発揮する出来事(エピソード)があればなおよい。

 あなたが人気のある書き手ならば、スロースターターでも読み手はついてきます。

 もしその小説投稿サイトでは駆け出しならば、スロースターターだと初回で切られるのです。初回に状況設定しか書いていない。これでは続きを読む気になりません。

 駆け出しならなおのこと初回で「主人公の特異性」を発揮させるべきです。それで読み手に「この出来事(エピソード)、面白い!」と思ってもらえたらしめたもの。

 もし初回で「主人公の特異性」をきちんと描いたのにブックマークが一件も付かなかったらどうするべきでしょうか。


「あらすじ」にも「主人公の特異性」を書きましたか?

 本文を読んでから「主人公の特異性」を見せてびっくりしてもらいたい。

 そんな思惑で「あらすじ」に書かないなんてありえません。

「あらすじ」は「特異な主人公」が「どんなことに挑む」のかを書かなければ意味がないのです。読み手を惹きつける「主人公の特異性」と「どんなことに挑む」のかが書いてあれば、初回の閲覧数(PV)は確実に稼げます。読み手が「主人公はどうなるのだろう」と期待して、初回で「主人公の特異性」に触れれば「読んでよかった」と思うのです。

 そして「これなら継続して読んでもいいな」と思われたらブックマークが一件付きます。

 それなのにブックマークが一件も付かなかった。

 なぜか。

 初回が「面白くなかった」からです。

 身もふたもない。




冷めたピザ

 駆け出しの頃はスタートダッシュに成功しなければ、お得意様は増やせません。ピザ宅配に注文の電話を入れてから三十分経てどもピザが届かない。これで「次もこの店に頼もう」と思いますか。思いませんよね。半額になるとしても、それを見越して三十分以上待って冷めたピザを食べるのでは割に合わない。

 初回が「面白くなかった」作品は冷めたピザなのです。とても食べられた代物ではありません。

 とくに駆け出しの書き手の作品なら、電子レンジやオーブンレンジなどで温め直すなんて手間はかけない。冷えてまずくなったピザの味を噛みしめて「二度とこんな店に頼むものか」と思うのです。

 知名度(ネームバリュー)のある書き手の作品なら、温め直す時間を待ってでもおいしいピザを食べようとします。

 駆け出しの書き手はピザチェーン、知名度(ネームバリュー)のある書き手はイタリアで修行してきた一流職人だと思ってください。

 駆け出しの作品には「腹がふくれればなんでもよい」程度の期待しかしていません。しかし知名度(ネームバリュー)が高ければ「温め直してでもおいしく食べられるようにしよう」とするものです。それだけ期待されるのが知名度(ネームバリュー)の力だと言えます。


「主人公の特異性」が「あらすじ」にも「初回」にもしっかりと書いてあるのにブックマークがゼロ。駆け出しならじゅうぶんありえます。

 その場合、初回が「つまらなかった」のです。

「初回」がつまらない作品は次話を読むまでもありません。「初回」を読んでいる途中ですらページを閉じて別の作品を読みに行ってしまいます。一度離れた読み手を取り戻す手段はまずないのです。あるとすれば、ブックマークが付かなくてもしっかりと連載を続けて「とても面白い作品だ」と他の読み手に認められたときだけ。そうなっている頃にはすでに高い評価を得ていて、ブックマークもかなりの数付いているはず。

 つまらない「初回」の連載を追ってくれる方はひじょうに稀です。

「初回」から「これならこの先面白くなりそう」という淡い期待を抱いたごく少数だけが次話を読みます。コアな支持者なので、彼らをたいせつにしなければなりません。彼らに去られてしまったら、挽回の余地がなくなります。

「第二話」でいかにごく少数の支持者に「この作品は面白い」と思わせられるか。

 思わせられたらブックマークと評価が付いてランクインもできます。

 もし「第二話」も「つまらなかった」ら、もう挽回できません。早々に連載を終了させ、次の物語を準備しましょう。

 ですが連載が三話で終了ではやる気が感じられませんので、最低でも十回は連載してください。想定していた物語をかなり端折れば、十回できちんとした結末は書けるはずです。誰も読んでいない連載小説を十回も続けるのは正直しんどい。それもトップランカーになるための細く険しい道のりだと思ってください。





最後に

 今回は「読まないと損だと思わせる」ことについて述べました。

「読まないと損」は「読んだら得」だということです。

「読んだら得」とは「特異な主人公」がそれを活かして「どんなことに挑む」のか。それを「あらすじ」にきちんと書きましょう。

 それができていれば、閲覧数は必ず伸びます。

「あらすじ」で作品の魅力をアピールできなければ、「多くの人に読まれる」という小説投稿サイト本来の使い方はできません。

「あらすじ」はそれだけ重要なのです。




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