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三百枚書けるようになるお得な「小説の書き方」コラム  作者: カイ.智水
鍛錬篇〜まったく書けない方が書けるようになる
1091/1500

1091.鍛錬篇:ぼくのかんがえたさいきょうの小説2

 今回はシリーズ二本目です。

「小説賞・新人賞」を狙うなら、人気のあるジャンルが強い小説投稿サイトを利用しましょう。

 そのためには、応募したい「小説賞・新人賞」が企画されている小説投稿サイトを分析するのです。

ぼくのかんがえたさいきょうの小説2


 今回も「売れる小説」について述べてまいります。




小説投稿サイトであたりをつける

 まず応募したい「小説賞・新人賞」が開催されている小説投稿サイトを選びましょう。

 次にその小説投稿サイトのジャンル別ランキングを見てください。

 そして上位五位までのポイントを合算してメモしておくのです。

 これで、その小説投稿サイトでどのジャンルに人気があるのかわかります。

 2020年2月7日時点の『小説家になろう』様の値を抜き書きします。

――――――――

 ジャンル 日間/週間/月刊ランキングポイント

 異世界恋愛 5,612pt/48,658pt/113,059pt

 現実世界恋愛 3,946pt/30,107pt/72,780pt

 ハイファンタジー 14,761pt/84,465pt/209,469pt

 ローファンタジー 6,557pt/40,608pt/139,047pt

 純文学 233pt/1,012pt/3,957pt

 ヒューマンドラマ 816pt/4,019pt/25,755pt

 歴史 906pt/6,889pt/31,910pt

 推理 325pt/2,638pt/10,664pt

 ホラー 406pt/1,957pt/4,031pt

 アクション 363pt/2,535pt/15,442pt

 コメディー 996pt/6,208pt/17,146pt

 VRゲーム 2,596pt/20,947pt/92,953pt

 宇宙 239pt/1,857pt/6,266pt

 空想科学 345pt/1,570pt/6,746pt

 パニック 210pt/1,757pt/6,442pt

 童話 84pt/579pt/1,685pt

 詩 100pt/368pt/766pt

 エッセイ 433pt/2,235pt/6,948pt

 その他 205pt/729pt/2,145pt

――――――――

 やはり圧倒的に「ハイファンタジー」つまり「異世界ファンタジー」が強いですね。二位は「ローファンタジー」ですが、それでも「ハイファンタジー」の三分の二しかありません。

 反面「純文学」は思いきり寂しい結果ですね。「歴史」「推理」とともに固定ファンしか読まないジャンルではありますが、それら以下というところに「純文学」の凋落を感じます。というより「詩」「童話」「その他」にしか勝てていません。「エッセイ」よりも下というのはどうかと思います。

 こう見ると『小説家になろう』様のウケだけを狙うのなら「ハイファンタジー」「ローファンタジー」で攻めるとよさそうです。開催されている「小説賞」は「ファンタジー」ジャンルが多め。そんなところも『小説家になろう』様の特徴かもしれません。

 逆に言うと、人気がある「異世界恋愛」の「小説賞」は少ないですし、「VRゲーム」の「小説賞」は現在開催されていません。ともに今は「ジャンル不問」の「小説賞」に応募するしかありません。




開催されている小説賞・新人賞のジャンルを調べる

 小説投稿サイトで人気のあるジャンルを調べれば、読み手が欲する「面白い作品」がどのジャンルなのか可視化されます。

『小説家になろう』様なら「ハイファンタジー」「ローファンタジー」「異世界恋愛」「VRゲーム」は「面白い作品」が多いという結果です。

 ではその小説投稿サイトで開催されている「小説賞・新人賞」を調べてみてください。それで主催・共催している出版社レーベルが「売れる作品」はどのジャンルかを見分けられます。


 現在の『小説家になろう』様なら『集英社WEB小説大賞』『マンガUP!コミカライズ原作大賞』『アース・スターノベル大賞』はすべてコミカライズつまりマンガ原作の扱いです。

 中国企業主催という変わり種の『JINKE小説大賞』はアニメ化・映像化が期待されています。

『オーバーラップWEB小説大賞』は紙の書籍化だけです。

 こうやって開催されている「小説賞・新人賞」を見てみると、コミック化・アニメ化・映像化のみならず「紙の書籍」化が付与されているものが少ない傾向だとわかります。すでに募集が締め切られている『ネット小説大賞』を入れても「紙の書籍」化の「小説賞・新人賞」はふたつしかありません。これが『小説家になろう』の現状です。

 いくら『小説家になろう』様でランキング上位にいても、「紙の書籍」化の話は舞い込みません。ランキング上位で「紙の書籍」化の話が来るのは「小説賞・新人賞」を獲得した方のみです。ランキングを見て単に「おっ、ここで上位に入れば紙の書籍化されるんだな」と考えてはなりません。実際にどの「小説賞・新人賞」へ応募されたのか。そこで最終選考まで残ったのか。それを調べる必要があります。

『小説家になろう』様で人気のある「ハイファンタジー」ジャンルの上位に「紙の書籍」化された作品が多いのは、ほとんどが「小説賞・新人賞」へ応募されて結果を残した作品です。

 逆に言えば「ハイファンタジー」「異世界ファンタジー」以外で「紙の書籍」化を狙うなら『小説家になろう』様では難しい。それらはノンジャンルの『ネット小説大賞』『オーバーラップWEB小説大賞』くらいしか応募先がありません。しかもノンジャンルですから、人気の高い「ハイファンタジー」作品が大量に応募されるので、相対的にそれ以外のジャンルは評価されづらい一面もあります。

 現在「ハイファンタジー」をお書きなら『小説家になろう』様で開催されている「小説賞・新人賞」へ応募するのも悪くない。この道で「紙の書籍」化されていった実績もあります。

 しかし他のジャンルであれば、他の小説投稿サイトのほうが「紙の書籍」化されやすいのは、他サイトのランキングに載っている作品の「紙の書籍」化作品をチェックすればすぐにわかるのです。

 皆様も、開催されている「小説賞・新人賞」をよく吟味して、どの小説投稿サイトが最適かを確認するクセをつけましょう。

 単に利用者が多く、評価されやすい。だからモチベーションを維持できる。という理由だけで『小説家になろう』様を利用するのはやめたほうがよいのです。

 実際に『小説家になろう』様で開催されている「小説賞・新人賞」へ応募しないでランキング上位になっても、「紙の書籍」化の話はまず舞い込みません。もちろん分母が大きいため、ブックマークや評価の数値は他サイトよりも格段に多いので、モチベーションは維持できます。でもモチベーションだけで連載しても、いっこうに「紙の書籍」化されないのであれば、『小説家になろう』という表題を達成できない時代なのです。




特異な主人公

 ではなにを基準にして出版社レーベルは「売れる作品」だと判断しているのでしょうか。

 真っ先に挙げられるのが「主人公の特異性」です。「特異な主人公」はその設定だけで読み手の興味を惹きます。

 出版社レーベルも「特異な主人公」が活躍する小説は高く評価するのです。

「特異な主人公」と書いていますが、いまいちピンとこない方もおられるはず。例を挙げるなら「悪役令嬢」です。主人公がゲーム内世界に転生し、それがヒロインではなく「悪役令嬢」だった。だからヒロインを蹴落としてでも恋愛を成就しようとする。シチュエーションがきわめて「特異」です。

 だから「物語の結末が読みたい」と思わせられます。作品の冒頭で「悪役令嬢」になったら、「どんな結末になるんだろう。お金を払ってでも読みたい」と思わせられる。そうなれば書籍は確実に売れるのです。

 最近いろいろと物議を醸しているマンガの堀越耕平氏『僕のヒーローアカデミア』は主人公・緑谷出久(デク)に特異な個性「ワン・フォー・オール」を設定しています。最初は使い方がわからず体を壊してばかりというハチャメチャな「特異性」です。だからこそ、この「特異性」をどう活かすのか。(ヴィラン)をどう倒していくのか。読み手は目が離せません。だからこそアニメも第四期まで放送されています。これなども「特異な主人公」が「結末が気になるので、お金を払ってでも読みたい」と思わせるのです。

「特異な主人公」は最初の創作ではなかなか設定できません。それは「特異」であるため、その他との差別化を丁寧に書かなければならないからです。もし処女作から「特異な主人公」を描ききれれば、すでに「プロ」並みの実力があるでしょう。

 先に短編小説を何本も書いて「普通の主人公」をきちんと描けるようになってください。そうなってから「特異な主人公」で長編小説・連載小説に挑戦しても遅くはありません。むしろ「特異な主人公」が際立つようになるので、処女作を「特異な主人公」にしたときよりも評価は必ず高まります。

 サー・アーサー・コナン・ドイル氏『シャーロック・ホームズの冒険』の主人公シャーロック・ホームズも極めて「特異な主人公」です。サー・アーサー・コナン・ドイル氏はこの作品が処女作ではありません。だからこそ「特異な主人公」ホームズを魅力的に描けて、世に多くの「シャーロキアン」を生み出しました。読み手の皆が「結末が気になるので、お金を払ってでも読みたい」と夢中になるほどの傑作となったのです。





最後に

 今回は「ぼくのかんがえたさいきょうの小説2」について述べました。

「面白い作品」は「売れる作品」とは限りません。

 ですが「小説賞・新人賞」は「売れる作品」が獲ります。

 では出版社レーベルはどんな基準で「売れる作品」を見分けているのでしょうか。

 真っ先に思い浮かぶのは「特異な主人公」です。

 これは次回も言及したいと思います。




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