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漂う群青  作者: 村雲
1/1

次は何を請う?



咬み砕いた怒りの矛先は

矛盾を示す人間という最も愚かな光を貫く

美しいが故に脆く

儚いが故に鮮やかで


震えよりも先に伝わるのが心

その心こそが殺意

揺るがぬもの程、生を冒涜するものはないのだから


涙よりも先に地に堕ちるのが人

その人こそが神

償うもの程、神ですら人で、人ですら涙より軽いのだから


殺せ

神は人を殺した

だから人も人を殺した


購え

誰もが購いの柱に

償いを求めるのだから


放つのは言葉、縛るのは魂

消えないのは残像、漂うのは群青


在るもの全てを忘れても

赦せぬものが己と焦燥


急ぐ理由がどこにある

誰もが心の在処など知らない


幻想を視るのだ

誰もがこの世のものとは思えない巧妙な幻を


ならば誰が真実を嘲る


神か

世界か

幻か


その全てが所詮は人

矛盾にうごめく網羅の光


気持ちの悪い光


その一つ一つが正義と嘯く

まるで暗闇の中、星のように輝くかのように


全ての安定と秩序は正しさのもとにそこに在るわけではない

その揺るぎのない安定こそを疑え

その確か過ぎる秩序こそを疑え


そこには正義も真実もない

螺旋に続く無と輪廻が

人々の群青、神の残像なのだから


卑劣な正義は悲愴を生む

それでも無限の悲愴の心の上に卑劣な正義が生まれる


果てしない、愚かな人々の生き筋と

その人々が生んだ神の残像


崇める指先に錆び付いた言葉を捻込むのだ

そうやって人々は姿の無い己の神へと祈りを突き刺す


それ程に己が愛しいか


咬み砕いた怒りの矛先は

矛盾を示す人間という最も愚かな光を貫く

美しいが故に脆く

儚いが故に鮮やかで


何故に人は己の最期まで希望を呟く


果たして何に希望をよせるのだ

果たして誰に祈りを請うのだ


そこには正義も真実もない

螺旋に続く無と輪廻が

人々の群青、神の残像なのだから




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