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第九話「救えなかった今日を、もう一度」

ガタンガタンと電車の揺れで目を覚ました。周りにはリグレット部のやつらが騒いでいる。


トウマが僕の耳に口を近づけて、息を吹きかけてきた。


「やめろ、こしょばゆい!」


僕らは今、都会に行っている。

僕とトワがアークに呼ばれた場所が、都会の近くだったため、面倒だが来る羽目になった。


──はあ、今日はついてないな。


とため息にも近い声を出しながら、初めての友達との都会だったので、口角が少し上がっていた。


*


「足痛いよー」


泣きながらユイナは歩いていた。

なんで来たんだコイツ?と思いながら、やはり引きこもりには都会は荷が重い、つらいやっぱり帰れば良かった。と考えている時、不意に遊園地が目に入った。


「私遊園地行きたい(ワクワク)」


ツムグはいかにも行きたそうにしていた。キョウは考えるそぶりをしながら、


「まだ時間があるし良いよ。」


ツムグの顔はパァーと明るくなり、嬉しそうにしている。


そんなこんなで遊園地に行くことになった。僕は──


「いーやーだ!行きたくない!なんでわざわざ陽キャ達が集う場所に行かなきゃいけないんだよ。どうせ気持ち悪いカップルとか居るんだ!」


と電柱にぶら下がり、駄々をこねていた。その姿に妹は「はあー」と頭を抱えている。トウマはスマホで僕を「パシャパシャ」と撮っている。後で殴ろう。その時、ツムグが、


「ダメですか?私遊園地とか行ったことなくて.....」


と泣きそうな顔で聞いてきた。

流石の僕もまだ良心と言うものがあり、


「良いよー」


と電柱からずり落ちてしまった。


*


キョウとトウマとツムグは

ジェットコースターに乗っていて、キョウは死にそうな顔をしている。


トワとレイはクレープを一緒に食べてる。

.....あれで付き合ってないってどうなってんだよと思いつつ。


「なあ妹よ、今すぐ帰らないか?

お化け屋敷なんか行かずに。」


「いや、行くよ。お兄ちゃんは度胸が足りないのよ、お化け屋敷はその 度胸をつけてくれるはず。

度胸があれば友達の二人や三人、簡単に出来ちゃうんだから。」


「バカか、お前お化け屋敷で

度胸鍛えるやつ、世界で俺たちだけだぞ。」


「ごちゃごちゃうるさいわね!

さっさと行くわよ!」


その後ユイナがめちゃくちゃびびって、鼻水ダラダラで外に出たのは、また別の話、


*


少しの時が経ち、ユイナも落ち着いてきた頃、

「ドゴン!」と轟音が鳴った。


「行くぞユイナ!」


「わかった!」


音の聞こえた場所に行ってみたら、

トウマとツムグとキョウが今回の主犯と思われる少年と戦っていた。


「あははははは!お兄さん達強いねーあの方に力を強化されてないのに!」


頭がおかしいのか?それともただの戦闘狂なのか?

小学生ぐらいの子はそう言っていた。トウマは僕たちがいることに気づいたらしく、


「ユイナとキョウは怪我人の保護を頼む!」


キョウは能力を使い、ユイナと一緒に怪我人の救助に向かった。


「トウマ、それであの頭のおかしいやつはなんだ?」


「あいつはアークの幹部のカイと言っていた。戦っている感じ、増やす能力だと思う。」


周りを見るに、観覧車が三つになっていたり、割れたコンクリートが十枚あることからそうなのだろう。


「お兄さん達まだー?」


と不意に後ろから声がした。


──おかしい


目の前にカイはツムグと戦っているのに、後ろから声が聞こえる。僕は咄嗟に後ろを殴りつけた。

カイは塵になり消失した。


「それがあいつの厄介なとこだ。

ほぼ無制限で分身体を出してきやがる。」 


「流石の俺でも分身体の思考を読むことは出来なかったし、」


「なるほどね」


といつからいたかわからないレイとトワがいた。


「つまり分身体を出せなくなるぐらいまで攻撃し続ければ良いんでしょ。」


とあまりにも脳筋過ぎる結論を出し、トワの腕を引き加勢に行った。


「全く、作戦もクソもないが──

それが一番手っ取り早いか。」


僕とトウマは加勢に行った。辺りにはあいつの分身が

10体、それ以上は増えてない気がする。

流石に自分の分身は何十体も作れないか、


ツムグはカイの右ストレートを避け、そいつに腹パンを喰らわしていた。──早い攻撃だ。

とっくに人の域を超えている。

そのスピードに少々ビビりながら、

後ろに新たな分身が現れていた。

増やす能力でコンクリを何枚にも重ねた。攻撃で殴られたが復元で直ぐ治し、殴り返した。


.....怖い


トワとレイは五人を相手しているが、分身体は人形みたいな物なのだろうか?感覚を無くしたら、

塵になるし、取り逃がしたやつは

反転を使い、対処する。


──あれ俺要らなくね?


しかし、どれだけ倒しても大元を倒さなければ意味がない。


「トウマ、本体の居場所わかるか?」


「今、ツムグと戦ってる奴が本体だ。」


カイは楽しそうにツムグの攻撃を交わして、分身を作り、遊んでいた。

まるで無邪気な子供だな。


「お兄さん達強いから、本気出しちゃおうかな!」


と言って、ツムグに触り、質量を変えた。ツムグは無理して立ちあがろうとすると血が出て、治りを繰り返していた。ツムグに向かって、僕の能力を使用し、

増える能力をかけられた前に戻した。


「ありがとう。」


「やっぱり大元を倒さなきゃダメか。」


考えるに気絶させて情報を聞くのが一番良いがこいつは頭のネジがイカれてるから、話しても通じるかわからない。まあとりあえず──


「襲撃以来の共闘だ、腕は鈍ってないか?

ツムグ──」


「──任せて!」


ツムグは相手に目掛けて走り続ける。それに呼応するかのように、

能力を使い、擬似瞬間移動で背後に回る。二人で殴ろうとしたら。二人に増えて、本体だと思われた方が塵になった。


かなりトリッキーな動きをするものだ。


「お兄さん達強いね!やはり神の素質があるって、

言われてるかいがあるよ!」


手を叩き楽しそうにしていた。

.....決定打がない。トウマは戦闘向きじゃなく、ツムグは持久型、そして俺も持久型。あれ?キツくね?


──それなら新しい技試してみますか!


カイが詰めてきた時、二人に分裂したので、そのうちの一人に触った。そいつを過去に戻したら。触ってない方は消え、カイが能力を使う前に戻った。

その隙にツムグが後ろから殴りかかり、僕も追撃しようとしたが。

後ろに避けられ、石を100個ほど増やし、投げてきたが.....


──その石は一個に戻った。


トワの時で人を戻す感覚を学び、

触ってすぐなら戻せるようになった。戻せる時間は5秒が限界だろうと考えていたら。


──遠くの方で轟音が鳴った。


「今度はなんだ!」


と僕らは身構えていたら。

少女だろうか。

そんな子が目の前に突如として現れた。

気づいたら少女は消えていて、

なにかの能力だろうか?と考えていた時、

一瞬でレイに近づき、手をかざして少女は


「反転」


と口に出した。目を疑った、夢なんじゃないかと思った。隣にいたトワはレイの舞う血によって絶望している。


恐らく能力の暴走をして、人を殺すことを考えている目だ。カイは


「また、遊び相手が増えたの?

うれしいー!一緒に遊ぼう!」


瞬きをした瞬間に、ツムグのような速さ、

いやそれ以上で近づき、感覚を操ったのか、わからないが、カイは動かなくなり、

頭を殴られて死んでいた。


トワはレイが死んだことで、

怒り、身を任せた攻撃をした。

少女の体に触れて、【反転】

と唱えた。しかし少女も

「反転」と言い、トワは絶命した。


トウマとツムグは二人の死に絶望しているが、少女を睨みつけた時、

少女の【思考を読み】、攻撃を読んで避けようとしたが。

少女は「思考を読む」と言い。

避けた場所を殴られ、腹に空洞が空いた。

パタリとトウマは動かなくなってしまった。


一人一人倒れ、ついに僕の方を見て、

恐怖で足がすくんだが、ユイナのことを脳裏に浮かべて、応戦しようとしたとき。

少女が僕に向かって何かをした。


次の瞬間、視界が大きく揺れた。


──ああ。


僕の首が、切られたのだ。


頭が重力に従って、落ちていく。


また僕は、救えなかった。


*


ガタンガタンと電車の揺れで僕は

目を覚ました。

変わらない日常、友達と電車に乗る、そんな日常で僕だけが、


【全ての出来事を覚えている。】

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