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母は家族について語る

 私には大切な父と愛する夫と可愛い息子と娘がいる。

 ただ、父が夫を毛嫌いしている為、私は夫や子供たちとは離れて暮らしている。

 少しだけ寂しいが、今の生活に不満はない。夫は毎日のように会いに来てくれるし、子供たちの様子は夫だけでなく友人たちが教えてくれるからだ。


「ただいまー」


 私が友人とお茶をしていると、友人の娘が学校から帰って来た。時計を見ると16時半。気づかぬうちに随分話し込んでしまったらしい。


「おかえり、奈緒ちゃん」

「あ、小雪さん。こんにちは」

「今日は何か面白いことあった?」

「うーん……あ。面白い事かはわかんないけど、もうすぐ小春の誕生日なんだけどね……」


 友人の娘の奈緒ちゃんは私の娘と友達らしく、学校の話を聞くと高確率で娘の話を聞かせてくれる。

 ちなみに奈緒ちゃんには私が娘の母であるということは話していない。特に理由はないのだが、強いて言うならタイミングを逃したのだ。


「じゃあ小雪さん、ゆっくりしてってね」

「ありがとう」


 宿題をすると言って自室に向かった奈緒ちゃんに手を振って、再び友人とのお茶を再開する。


「もう小春ちゃんも16歳なのねぇ」

「そうねぇ。きっとあの人に似てとっても可愛く成長してると思うわ」

「全然会ってないんだっけ?」

「最後に会ったのは1歳になる前だったかしら。あの子にここの環境はいろいろと危なかったからねぇ」


 父の孫で鬼の性質を色濃く受け継いでいた娘だから、本来ならここで甘やかされて育つ筈だった。あの人の娘でなければ。


「長の孫で天敵の子供なんだから複雑よねぇ。雪兎くんとは前に偶然会ったんだっけ?」

「そうそう。あの子は容姿はとっても私似だったわ」

「じゃあ長も可愛がるんじゃない?」

「だめだめ。男の子だし、性質は完全にあの人のものを受け継いでるから。今は央太くんと一緒にあの人と同じ仕事してるらしいわ」

「ああ、それであんたたまに央太くんと話しこんでるのね」

「そうなの。いろいろ教えてくれるのよ」


 央太くんには感謝している。なんせ彼の性格を見込んで息子の様子が知りたいからシバかれに行ってきてと頼んだのは私だ。

 長の娘の私に逆らえる筈もなく渋々任務を遂行してくれたのだが、その後何故か助手になったのは嬉しい誤算だった。おかげで絶対にここには来られない息子の情報が手に入るようになった。


「なんか話してたら小春にも会ってみたくなってきたわ。今度会いに行ってみようかしら」


ちょっと言ってみただけの現実味のない願望に、私は楽しくなってしまってふふっと小さく笑った。



 これは私が小春に再開する少し前のお話。


 

始めまして、またはお久しぶりです。はねうさぎです。

この話は軽く読めるファンタジーで兄妹愛強めのものというイメージで書きました。

少しでも気に入ってもらえたら嬉しいです。

では、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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