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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

夕方のお買い物

作者: 天野大地

 家紋 武範様御主催「夕焼け企画」参加作品です!


皆様宜しくお願い致します。

 とあき夕方ゆうがた



ちゅう学生がくせい高校生こうこうせいみょう年頃としごろしょうねんしょうじょあるいていた。




 少年はエコバッグをっている。


中学生にしろ高校生にしろあそびたいさかりであろう。



おもえばわけアリだとうかがえる。


 「つうてい」、ならば

中高生が、してやおとこ

ゆうしょく物等ものなどするまい。




 時期じきはコロナ対策たいさくゆるんで

マスクはけたヒトもけていないヒトもあたり。



少年少女はマスクを着けてはいなかったが。



 少女がおもむろにマスクをし。


「でゅわっっ!」


そうちゃくする。



 さらりょううで

ちからこぶでもつくるかのようげ。


「ずゅうぅんぅんぅんぅんぅん!」


がる。



 勿論身もちろんしんちょうたいじゅうへんするわけではないが。



 少年は少女に平坦へいたんこえける。


智恵ちえさん。

道端みちばた突然とつぜんこうはしったらずかしいよ?」


いや。


平坦というよりはあきらめているというか。

草臥くたびれた表情ひょうじょうであった。



 少女、智恵は少年にかおけないままう。


「アンヌ! ボクはうるとらなな(セブンです!)なんだ!」



「へーれはれは……


ってだれがアンヌやねんっっっ⁈」


 少年は如何いかにもテキトーにかえしていたが

アンヌびには猛烈もうれつ反応はんのうした。




 男がおんなっぽいようことを言われると

即変態そくへんたいしゅうただよいますからね。




 しかし智恵はマイペースにつづける。


わずかなほしじゃあふるさとマン!」

意味分いみわからないんデスけどおっ⁈」


少年はってわって智恵にぜっきょうする。


 絶叫ツッコみである。



 しかし智恵こそ平然へいぜんと続ける。


「もろこしマンのりて!」

何者なにものだよっ‼ りるようまえなの⁈ ソレ‼」


 はや

少年のぜっきょうツッコみのほう目立めだっていた。



 むし智恵ちえこそ冷静れいせいかえす。


かん。 大声おおごえしたらずかしいよ」

「あんぎゃああああああっっ‼

っつかあにてすんなってのおおおおおおっっ⁈」


 逆上ぎゃくじょうか。

少年、寛太はなおさけぶ。



 しかし智恵は本当ほんとうに平然としている。


「オンナノコはね。

名前で呼ぶのがしたしいあかしなの。

 ほらケッコンなんかすれば

みょうなんかわっちゃうし」


ことだければ抑揚よくようりそうだが

智恵は平坦へいたんしゃべる。


 うるとらなな(セブンです!)ごっこ? では

番組的ばんぐみてきおとこえそうにえんしゅつしていたが

ではこえかお表情ひょうじょうようだ。



「お、お、お、おれには関係かんけいねえっ!」


 寛太はなにやら狼狽うろたえつつではあるが拒絶きょぜつする。


男が苗字が変わるのはめずらしいからか。

ケッコンのあいなどないからか。



「だよねえ」


 智恵はどうする。


かと思えば。


元々(もともと)ほんじゃケッコンしても苗字は変わらなかったのに。

西洋せいようまってけしからん!

って言うんだね」

「いやちがいますけどおおおっ⁈」


智恵はなにやらななうえな事を言い

また寛太は絶叫ツッコみをする。


 ちなみに

「西洋に染まってけしからん!」とは

寛太のくち真似まねをして言った。


 かるていにはているかんじであった。



ところで。

いま偶々(たまたま)マスクをっていたから

うるとらなな(セブンです!)にヘンシンしたけど


ゆうけが似合にあううるとらさんとえば

かえってきたうるとらさんジャック!


だよね。

 ヘンシンあいてむらないから

ジャックにヘンシンしてもかったな」


 こんは智恵は

平坦へいたんこえようでいてこぶしをぐっとにぎっていて力説りきせつしている。


「マスクは変身へんしんアイテムじゃあないよねっ?

夕焼けが似合うとかじょうしきみたく言われても

こまるヒトが大半たいはんだと思うけどおっ⁈」


寛太は草臥れていた様で丁寧ていねいにツッコんでゆく。



なんだとおニワカめっ」

おれうるとらファンとかったおぼいけどおっ⁈」


 智恵はえんしゅつかった台詞セリフこそちからこもっている。

寛太はやはり丁寧に返す。



 智恵が続けるには。


かたないなあ。

あのね。

 太陽たいようひかりめて一回三分間いっかいさんぷんかんたたかえるうるとらさんは

夕方はよわっちゃうの。

 で。

狡猾こうかつてきは夕方をねらってジャックと戦っていたんだけど……

何時いつしか夕方ゆうがたたたかいがおおいジャックは

ゆうけにたたずむうるとらさん」!

と言われる様になったんだよ。 かったねルミさん」

「今度はルミ子さんって何⁈」


 やはり寛太は

女性名じょせいめいみたく呼ばれるとびんに反応する。



すると無表情だった智恵が突然とつぜんにこやかになる。

 やはりキャラクタの演出か。

「だから『帰ってきたうるとらさん』のヒロインじゃないか

ルミ子さん!

 ヒロインはちゅう交代こうたいしたもんね!」

「だからルミ子さん呼びめてっ⁈

ちがうヒトに俺がルミ子とかいう名前だと思われちゃうよっ⁈」


 寛太はひっだった。


其してすで女性じょせい通行人等つうこうにんなど

あきらかにきょうだいのやりりをてくすくすとわらっていた。



 寛太は恥ずかしがって

そそくさとみちこうとする。


智恵は寛太にかってばし。


ってくれ! アンヌ!」

「だから止めろおっっ⁈」


 今度こそ。


つうだったまちみちばくしょううずつつまれた。





 とるスーパーマーケットにいていたが。


寛太のほおあかかった。



 らんとばかりに無表情な智恵は

しょうひんめる。


「シリアル」、まり牛乳ぎゅうにゅうなどけてべるアレだが。


「やっとグルテンフリーなしなまわってきたね」

「何?」


 寛太は恥ずかしくてちゅう散漫さんまんだったか。

反応がにぶいが。



かまわず智恵は続ける。


「グルテンがふくまれていないってこと

ほらムギがはいっていない」

そもそもグルテンって何?」


 寛太は知らなかった様だが。



「其んな事も知らないでりょうしていたの?」


智恵は無表情なままだが

こえ辛辣しんらつだった。


「いや知らなくてもりょう出来できるって事だよなあっ⁈」


 寛太は必死にのがれをするが

さりなく料理が出来る様である。



 やはり智恵はマイペースに続けるが。


「「グルテン」はムギ蛋白質たんぱくしつだけど……。


からだわるい‼


んだよ。 るべくムギはべたくないねえ。

 わることに「グルテン」って

本人ほんじんだいきな

もっちりしょっかん

もとなんだよね……。


 ああ……「グルテンフリー」だと割高わりだかだよ……」


「おお……! ムギは安価やすいもんな!」


 智恵は無表情な様だが声が気落きおちし

寛太はなぐさめるかの様に言う。


 やはり庶民しょみんにはだんおおきいのであった。



「でさ」


 智恵は真剣しんけん表情ひょうじょうをする。


「うん?」


寛太がこたえると。




「うるとらなな(セブンです!)って

トウモロコシにていない?」




「ぶほふっ!」


智恵がしたなにやらに

寛太はした。



「なっ何を言って……!」


 寛太はやっとかえすが。




「「アイスラッガー」をはなつトコロなんて

つつっぱをべりっとがすみたい」




「ぶほふほっっ……!」


智恵のさらなる発言はつげんにもっと吹いて。


「止めたげてっ⁈

其うとしかえなくなっちゃうから止めたげてえっ⁈」


寛太はわらいをこらえて?

なんとかうるとらなな(セブンです!)をかばう?



 しかし智恵はじょうであった。


「其れは出来できない相談そうだんだ。 アンヌ!」


「だからアンヌ呼び止めろおっ⁇!!」


寛太はかなしいぜっきょうげる。



 智恵は表情ひょうじょうもどって。


「だってトウモロコシってイネなんだよ。

おコメの親戚しんせきなの」


「あ、其う……!

ソレが何?」


 寛太は智恵の唐突とうとつものいにまどうが。




「なな(セブンです!)と親戚の初代しょだい

そっくりさんのゾフィーやジャックは

米粒こめつぶみたいなカオだよね。 ぎんシャリなだけに」




「ぶほへはふっっ……! !」


智恵のさらつづこと

寛太はえられなくなった。



 智恵はひだりうしこし

みぎてのひらまえしてからくりっとよこきにポーズ? して。


「おコメさんキョウダイ」



「ぶほふへふほはほっっ! !」


 寛太はもうみょうかたをしてから。


「「だんご三キョウダイ」なっ!

んで智恵さんいくつよっ⁈」


ツッコみの一種いっしゅおうか。 な訂正ていせいをする。


 ちなみに「だんご三キョウダイ」は

1,999ねんうたである。



 其う言う寛太はというと

携帯端末けいたいたんまつ高速こうそくネット検索けんさくして調しらべているようだ。



 智恵はまったらぐことなくかえす。


「だんごのざいりょうはうるちまい! フツーのおコメじゃあ!」

「ソコ迄深までふかみしてくれるヒトなんてないからあっ!」


 寛太はつううったえた。



「ムギもイネ科なんだけどね。

体に悪いムギはまるでべりある!」

「イネ作物さくもつ其処そこまでうるとらさんにむすけるヤツ

ねえええっっ⁈」


 ノリノリなのであろうか。

まらない智恵のこうしゃく? に寛太のツッコみが炸裂さくれつする。


 因みに「べりある」というのは

やみちしたうるとらさんベリアルである。

 うるとらのちちケンさんのどうであった。



 智恵はてきかえす。


上手うまことったもりか」

「何があ⁈」


寛太はほんからないようだが。


智恵はさらっと返す。


「イネ科の作物を其処迄うるとらさんに結び付けるヤツ

「イネえええっっ⁈」って」

気付きづかなかったよゴメンねえっ⁈」


 いもうとにやられっぱなしのあに寛太であった。



 しかし智恵は安心あんしんさせるかのように言う。


「おコメのもっちりかんは「デンプン」で、

トウモロコシはそもそももっちりかんいから安心して」


「あーよう御座ございマスか……!」


もう寛太はツッコむりょくようであった。




 ふと。


智恵は生魚せいぎょめる。



 パックめとはいえようがベタベタとサカナをいじり。


母親ははおやであろう女性がにこにことながめていた。



 智恵はすらっとげる!


けんしゅちょうする「挙手きょしゅ」というよりは

手に何かをめるかの様な。


親指おやゆびちょっかくひろげた「挙手」であった。



 其して。


「きぃぃぃぃぃん……! しょわんぁんぁんぁんあんあん!」


何やらこうおん? をくち真似まねして

「ぐんぐんカット」? の様な姿せいで幼児の所へとけてく。


 「ぐんぐんカット」とは

うるとらさんの変身巨大へんしんきょだい化場かばめんである。


とく今回こんかい智恵がったのは

かえってきたうるとらさん」ふう「ぐんぐんカット」であった。



 幼児のまえせまった智恵は。


ひとゆびせっきょうをかますかのようりし。



「へあっっ! しぇあっっ! だああぁあっっっ‼」



さけす。


ことはっするでもなく只管ひたすらに。


 ようことに?

くちはきゅっとむすふくじゅつ? のようこえしていた。



 はげしいこえびせていたものの。


幼児は唯々(ただただ)ぽかんと智恵を見上みあげ。


しかし母親? がすごぎょうそうにらんでいた。



「何やっとんねんっっ!」


 寛太が智恵のうしあたまをどつく。


いや。


 実際じっさい恐々(こわごわ)すこしただけであるが

智恵が派手はでにリアクションしたのだ。



 智恵はサムズアップ、まり親指おやゆびて。


「ないすツッコみだにいさん!

かっていないヤツは

暴行ぼうこうすればどつき漫才まんざいだとおもっていてイカン!」

「おっおう……!」


寛太は突然とつぜんの兄さん呼びにかまどいつつこたえる。



 幼児はだぽかんとしているが。


智恵は今度はべつな? 姿勢をする。



 りょうひじ水平すいへいひだりひじまえす姿勢だ。



其して格闘かくとうゲームのキャラクタか何かの様にからだすり。


「ぉーい! ぅおぉーい!」


何やらける様なこえす。



 と。


幼児の反応は劇的げきてきだった。


「うるとらさんぶれーざーだ!」


 おおはしゃぎな様だ。



 さらに智恵は

みぎった何かを左手でるかの様なぐさをする。


「ちるそないとそーどにじゅうでんだ!」


其れを幼児が解説かいせつ? する。



「え? 何? けん?」


 寛太こそがまどうが。


「知らないの? さん兄さんおっくれってるぅ~」

「おっくれってる~!」


智恵は幼児と一緒いっしょに寛太を揶揄からかう。



 所で睨んでいた母親? はだが。


怒鳴どなけるタイミングをいっした様だ。



「さん兄さんって何だよっ? きょうのヒトかっ?」


 寛太は恥ずかしそうにしながらもりちにツッコみ。


「初代」


智恵はさらりと返す。



 更に。


「すぺしゅーむ光線こうせん!」


智恵がれいのポーズをすると。


つい寛太もられてしまう?



 「例のポーズ」というのは

右腕みぎうでたてひだりうでよこにしてじゅうむ姿勢だ。



 が。


「こら。 初代は左手をくりっとらさなきゃ。

こだわりのぽーずなんだよ?」


寛太は智恵にダメしをされた。



「ジャックはなかのヒトが初代のあくしょんをらないでったから

如何いかにもわれてってみまシタ~というカンじで

いんだけど」

こまかいなっ⁈」


 其ういう事らしい。



「だめなにいさんねー?」

「ねー」


 幼児と智恵は更に寛太をイジる。



「いや其んな事よりっ!」


 寛太はほおあからめながらもどうしゅうせいこころみる。


抑もは幼児がいけない事をしているのが発端ほったんであった。




 智恵はあらためて?


両拳りょうこぶしこしてて幼児とう。


「其う其う。 きなさい。 キュウじん!」


「ちきゅーじん?」


 幼児がくびかしげる様な事を言うが。



此処ここのおみせ育園いくえんだかようえんだかもおうち

ぜん部合ぶあわせて「地キュウ」って言うんだよ?」

「おー」


智恵の説明せつめいに幼児はりょうかいした様だ。



 其して。


「オマエは駄目だめだあっっ!」

「ええっ?」


突然智恵は幼児をののし

幼児は狼狽える。



が。


「オレもヤバいみたい……!」

と智恵は又突然またとつぜんあたまかかえる。



「今度はなん真似まねだよ?」


 寛太はあきれ。


「っ……!」


やはり母親? は睨んでいるものの

怒鳴るタイミングがつかめない。



 しかし幼児は。


「どうしたの? だいじょうぶ?」


智恵のごっこあそび? にせられている様だ。



 智恵はやっぱり何かの真似をしているかの様で。


「だがふたならたたかえる!

……協力きょうりょくしてくれるか?」

「うん! たたかう!」


もう幼児は真剣しんけんだった。



ぉし! じゃあヘンシンだ! おぼえてくれよお?」

「うん!」


 ごっこ遊び? はいが。


智恵は何やら紙細かみざいす。


 づくりで紙製かみせいだが

やはり智恵は器用な様であった。



「コレはうるとらぜっとらいざーだ!

めだるをみっつ! せっとします!」


 何やら智恵の調ちょうがおかしいが。



   くすくすくす



わらごえがする。


 寛太がちらりとまわすと

ヤジうまあつまっている?



「地キュウのことはうるとらムズカしいぜ!」



   どっ! !



 智恵がさらっと言った事にヤジ馬がく。


知っているヒトにはウケるネタらしい。



 智恵は本格的ほんかくてき役者やくしゃかとばかりにしれっと続ける。


きゅうに「け」の姿せいになり。


チューウ拳法けんぽう! でん神技かみわざっ!

ぜろしょう! なな(セブンです!)しょう! レオしょうっ‼」


じゅんばんにめだる(紙細工)をせっとする。



 其してめだる(紙細工)をスキャン? するのだが

えんりょく賜物たまものか。

 紙細工なのにまるでかいかのよう

ガチャっガチャっとうごかしてせる。


 さらこわえてくちひらかず。

械音声かいおんせいか、というふうにガイジンおぢさんみたく言う。


「ズィーロゥ! スィーヴン! リーオゥ!」



   おぉおぉお~……! !



 ヤジ馬がまたも沸く。


知っているヒトにはひびく様だ。



 今度はしんの言葉と智恵は口を開き。


押忍オスっ!」


両拳りょうこぶしこしく。



 其して又々べつ人物じんぶつという風に

口を開かずちがう声音で言う。


「ごしょうください! われをっ‼


うるとらさぁあん! ぜえぇえぇっと!」


其れから

左手に持ったうるとらぜっとらいざー(紙細工)をてん

自身の声としてさけぶのだが。



「「「「「うるとらさぁん! ぜえぇえぇえぇっっっ!!!!」」」」」



「おわっ⁈」


想外そうがいおおくのヤジ馬が「ご唱和」し

寛太がおどろきのこえらす。



 寛太は驚いたが

智恵は平然へいぜんと続ける。


「ちゃーらーららーちゃららー

ちゃーらーらーらーらららー

ちゃーらーらーらーあ♪」


 くち真似まねだがファンファーレ? を口ずさみ?


「はぁあっ!

でゅわっっ!

えいやあああっっっ!!!!」


三人さんにんのうるとらさんのもっととくちょうてきであろうごえげ。



「ぅうるとらさんずぇーっっ。 あるふぁえっじっ。


ずちゃちゃずちゃちゃずちゃちゃんっ♪


 ……しぇあっ……っ!」


ヘンシン巨大化ぽーず。

「ぐんぐんカット」をってのける。




 智恵が何故なぜちゃくでもしたみたいな姿勢になると。



   おぉおぉおぉおお~っ……! !



ヤジ馬がしみじみとうなっていた。


 ヒーローショーでもほど出来できらしい。




 智恵はうるとらぜっとらいざーを幼児にわたしてから

両拳を腰に当ててかたける。


「うるとらさんはせいのミカタだ!

正義のミカタはいコトをしなければならない! かるな?」

「うん!」


 幼児は分かったらしい。



「其して正義のミカタはわることはしちゃいけない!

分かるな?」

「うんワルいことはいけないんだよ!」


 やっぱり此処ここまでは分かるらしい。



「おみせしょうひんをベタベタさわるのは悪い事なんだ!」

「えっ?」


 やはり分かっていなかったらしい。



「あんまりベタベタ触るとべられなくなってしまうよ?」

「そっそうなんだ……!」


 幼児も分かってくれたらしい。



「「おもの」というのは

おカネと商品をえっこするという事。

 其れは分かるかな?」

「うん」


まりはおカネをはらっていないうち

他人ヒトのモノなんだよ? 分かる?」

「うん……」



「キミだって他人ヒトにおもちゃをこわされでもしたらおこるよね?」

「もうないちゃうよっ!」


 幼児は自身がされる事にはおこる様だ。



「じゃあお店は?

キミに商品を食べられなくされたらどう思う?」

「うっ……! ごめんなさい……」


 とうとう幼児はあやまった。



 が。 此処で。


一寸ちょっとアンタ! けいなお世話せわじゃないっ?」


母親? が智恵にもんける。



 しかし智恵は平然と一言ひとこと




しつけ出来できないBBAババアだまっていてください」




「なっっ……⁈」


 母親? は一時絶いっときぜっするものの。


「何だと此のガキっっ……!」


ただは黙らないのがモンスターペアレントであった。


 しかも智恵にげる。



 まあ女性と言えばビンタ、

であったが。



智恵はしゅるっとうでまわしてビンタをさばく。



「んなっっ……⁇!!」


 此れには母親? もげない。



「……ソイツ「から」みたいな事やってマスよお……?」


 寛太が母親? にこそっとげる。


りゅうだがな! はっはっはっ!」


智恵はゆうそうにむねる。


 ちなみに智恵は

其んなにむねふくらみは目立めだたない。




 其して。



   おぉお~……! !



ヤジ馬のしょうさんうなごえ


 さらに。


あきらかに母親? をなんする声がちらほらこえる。




「うっ……! くよっ?」


 此ういう女性は

たちわるくなるとそそくさとるものだが。


幼児の腕を無理矢理引むりやりひる。



 幼児は無理矢理引っ張られながらも智恵に向かって言う。


「ぶれーざーぶれすがほしい!」


 其れは頃最新ころさいしん

うるとらさんのヘンシンあいてむであった。



 智恵は大様おおようこたえる。


またったときに!

キミが正義のココロをわすれていなければ!

ようしておこうっ!」



「うん! ばいば~い!」


 幼児は引っ張られながらもげんる。


「見ちゃあいけませんっ!」


母親? は其んなだったが。



 其して

智恵のえん? はわらない。



 はは? にかって。



「ぜすっ! てぃうむっ‼ 光線こうせんっ!!!!」




   どっっ!! !




ヤジうまあつまっていたあたりには大爆だいばくしょううずこった。




 しばらくして

当然とうぜんだがしずまり。


つうの? もの風景ふうけいもどった。



「あー……。 智恵さんや?」

「何デスかヨーコ先輩せんぱい!」


「だから止めてっっ⁈」


 寛太が智恵に声を掛けると

又何やら女性名じょせいめいで呼ばれ、寛太は拒絶きょぜつする。



 かく


「悪いのはのオバはんだけどさ?

もっと普通にちゅう意出来いできんの?」


というのが寛太の要望ようぼうであった。



 しかし智恵は冷然れいぜんと。


「普通に注意してやからかねアレが」


「うむむむむむむ……!」


 寛太にもはは? がなおくとはおもえない様だ。



「コドモに聞かせるにも

きょうくのがだいだったりするし」


「興味を引いていた……のか?」


 寛太はいぶかであった。




 いずれにしろものませねばと

しょうひんながすと。


「寛太くん。 智恵ちゃん」


と女性の声が。


 二人の母であった。



 母は。


単体たんたいるとすらりとしたじん

なのだが。


しゅうくらべるとようたかかった。



 だが幼女ようじょようじゃみで。


一緒いっしょにおものしたくてちゃった!」


などう。



 服装ふくそうはレディーススーツ。


如何いかにも事帰ごとがえりであった。



「おかあさん」


 平坦な声がつうじょうらしい智恵が

あまこえで母にく。



 母はゆったりと智恵をめ。


もう片腕かたうでひろげて寛太にほほむ。


おれかないからな?」


 寛太はジトであったが。




 三人さんにんでの買い物がはじまると。


「あら」


 ふと。


母がたなからころちそうだったジャガイモをさらりともどす。


 ジャガイモを受け止めた、ともかんじさせない

其れはながれるようどうであった。


「お母さんないすちょうけい

「ふふふ。 ありがと」


 智恵がぜんしょうさんして母がこたえたが。



ねえっ!

ンなははかいオカしいからなっ⁈」


寛太は盛大せいだいにツッコむ。



 しかし智恵は平然と。


「やーいくやしかったら解説かいせつでもしてみろ」


「いや悔しくはないけどおっ⁈

だれに聞かせる解説だよっ?」


等と寛太はかえすが。


「聴勁」が分からないとおりすがりのヒトであろうか。



 寛太は解説しなかったが

智恵が理路りろ整然せいぜんかたす。


「「勁」とは。

ちゅうごくじゅつ」にいて

ちからかた」というようことだが


とくに「聴勁」は「」きかた

あい行動こうどうさきみのかた、である。


 「聴く」と言うだけに

かくしなんかして防御ぼうぎょして「」ているわけじゃあありまセンよ

なんてぱふぉーまんす(笑)なんかをやったりする」


「だから誰に解説してんのっ⁈」


 寛太は其処にツッコんだ。




「寛太も「」にいてとーく出来る様になろうよ」


 智恵は其んな事を巫山戲ふざけて? 言っているが。


「イエ無理むりデス。 遠慮致えんりょいたシマス」


寛太は能面のうめんの様なかおで言い……


「ってだから兄を呼び捨てすんなっ!」


其処はわすれずツッコんだ。




「……ウチのじょコエえ(恐い)……!」


 寛太はボヤくが。


母がくわわった買い物はほのぼのとしていたのであった。




 さあ。



今日きょうばんはんは何だろな。

 時刻ギリギリでっす!


急いで投稿しマスね!(とか言っている間にやれ!)



 ご覧頂き有難う御座いました!

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― 新着の感想 ―
[良い点]  仲良く買い物にいく風景ですね、二人にとってはそれが日常なのでしょう。  でもセブンといえば「狙われた街」。まさに夕焼けですよ。 [気になる点] (笑)(爆笑)(大爆笑)はこれは誰の状況…
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