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第五話 廃墟別荘4



冷たいジェラートが、僕をスッキリさせてくれます。



みんなで離宮に移動します。


「ニコ、一人増えちゃった。その・・・婚約者が」


移動しながら、ニコに報告します。


「私は大丈夫よ、トキン。周りに人が増える事を見越して、ジェノバ街とルッカ街で、二人きりの時間をつくってくれたのでしょう」


「ありがとう、ニコ」


「それにソフィから名前だけは聞いてるわ。会うのが楽しみよ」


離宮に入ります。


皆で自己紹介をおえ、会話を楽しみます。


アリスこと、アリーチェ・アレンツォ子爵令嬢にも笑顔がみえます。


僕は、金髪をストレートにおろした可愛い女の子に話しかけます。


「マルティーナさん、また会えて嬉しいよ」


ベニス街にある、サンマルコ大聖堂の大司教の孫娘、マルティーナさんと向き合います。


「トキン様、私もとっても嬉しいです。それと実家に回復術師をご紹介頂き、ありがとうございます」


ペコリと頭を下げます。

会話が弾みます。

二人きりでお話する約束を取り付けます。



「明日のお祭りに向けて、【古代の逸品】の準備をしてくるね」


断りを入れ、エリーゼと二人で隣の部屋に移ります。


大量にある【古代の逸品】の素材スクラップをまとめて『修復リペア』していきます。


「エリーゼ、効果別に別けて。えーと、心、身体、自然空間の三つかな」


「はい、トキン様」


エリーゼがニコリと頷きます。


「それと別けながら聞いて欲しい。廃墟別荘だけど、たぶんスキルで修復できると思う。今後、あそこに住む場合、人員はどうしたらいいかな」


「そうですね。トキン様、クワッド、ピッピーノに私だけなら補充はいりません。ですがお嬢様方とお付きの者の滞在や、来客のもてなしなどを考慮しますと、最低でもメイドと調理担当は欲しいところです」


二人で仕分けしながら、話を詰めます。


「メイドも、全くの素人だとエリーゼの負担が増すよね。ふむ〜ん。そうだ、あの三人はどうかな」


感の良いエリーゼは、すぐ気付きます。


「ベニス街で出会った『行き場のない次女達』ですね」


「そう。来客がある場合、ほぼ貴族家の人だと思うんだ。だから最低限の礼儀作法を知ってる方がいいし、エリーゼのことも慕ってたからね」


「冒険者としても苦戦してる様子でしたし、声をかけてみるのも良いかもしれませんね」


「そうだね。手紙を書いてみよう。あとは、調理担当かー。確かに必要だけど、ここの人選は妥協したくないかな。サーラ料理長のように、美味しい食事と甘味ドルチェを作れる人がいいかな」


「では今後、食事は積極的に外で食べて、直接スカウトするのも良いかもしれませんね」


「そうだね、特に甘味ドルチェの腕を重視で。はははっ」


「はい、大賛成です・・・これは、トキン様、確認お願いします」


エリーゼが細長いカゴをみせます。


鑑定結果

ツタのケース」

良品

【蔦の食器包カトラリーケースみ】

幸運+1

50,000ゴルド


「あっ、幸運アイテムだ。やった~凄く嬉しい。これはたしか、ミラノ侯爵が集めてくれた素材スクラップだったな〜」


「ふふ、良かったですね。トキン様」


「うん、ありがとう。最高のお土産だよ。お礼にまた最高級赤ワイン『ブルネッロ』を送ろう。はははっ」


仕分け作業が一段落つきます。

エリーゼと相談したかった話もできました。


「次は鑑定書の作成だ。エリーゼ、クワッドも呼んできてくれる」


「はい、わかりました」


エリーゼが部屋を出ます。


しばらくして、エリーゼがクワッドとアリスを連れて戻ります。


「トキン、鑑定書の作成なら、私も役に立てるわ」


僕はにっこりいいます。


「ありがとう、アリス。凄く助かるよ、あっ、でも鑑定士のサインが・・・」


「大丈夫よ。家名は入れずに、そうねアリスとだけサインするわ」


アリスが明るい表情をみせます。

少し吹っ切れたのなら安心できます。


「うん、いいね。それじゃお願いするね。お礼に、欲しい【逸品】があったらプレゼントするよ」


「ええ、任せて。それにしても凄い量ね。全て【古代の逸品】なんて信じられないわ。書き終わるのかしら」


「【古代の逸品】をかき集めるために旅に出たからね」


僕、アリス、エリーゼ、クワッドの四人で、もりもり鑑定書を作成します。




会話を楽しみながら、鑑定書の作成を終えます。

アリスは遠慮してか、欲しいアイテムを言いませんでした。



「皆さん、そろそろ夕食会の時間よ。宮殿に移動しましょう」


ソフィが迎えにきます。


マジックバッグに【古代の逸品】と鑑定書を入れて宮殿に移動します。




今日の夕食会は、立食スタイルのようです。

好きなものだけお皿に乗せて、移動しながら会話と食事を楽しみます。


ソフィ、ニコ、マルティーナさん、アリスと順番にお話します。




夕食会を終えて、三人でモンタルチーノの街へ繰り出します。


僕、ソフィとモンタルチーノ伯父様の三人です。


アレンツォ子爵とジーヤ執事長は、契約書の一部変更を終え、明るいうちに帰ったそうです。


もう夕方ですが、街はまだまだ沢山の人達で賑わってます。


「ここね、『クオーレ』よ」


ソフィがいいます。


前回モンタルチーノ街を訪れた際に【古代の逸品】を『クオーレ』『身体コルポ』『自然空間アルトロ』の効果別に三店舗を決めました。


僕も、お店を覗くのは初めてです。


「結構、スカスカだ。予想以上に売れてる。ドンドン補充しなきゃ」


三人で空いてるスペースに、商品を補充していきます。

置ききれない分は、店舗の在庫置き場に並べます。


「トキン君、凄い量だね。これだけ有れば、祭りのあとも持ちそうだ。かなり好評でね、在庫が心配だったんだ」


「やっぱり鑑定書付きが、安心できるのよ。ちゃんと鑑定士の署名もあるし。品揃えも凄いもの、売れるに決まってるわ」


「確かに、僕が旅して見てきた中でも、ここモンタルチーノ街の品揃えがダントツで一番だと思う。これからも、ドンドン補充しなきゃ」




残り二軒の補充を終えて戻ります。

離宮の充てがわれた部屋で、手紙を書きます。


まずベニス街で出会ったFランク冒険者のローニャさん、ラーラさん、トーヴァさん宛です。

旅費も添えて、シェーナ街の公爵家別邸へ招待します。


次はボローニャ街で出会った、自称女子大生の魔女っ子エストロ宛です。

書き終えて思います。

エストロを思い出すと、カラクリ鳥のアルジェントを思い出します。


凄く可愛いかったので、寂しく思います。



明日は早起きするので、早めに就寝です。

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