番外編 SS 父へのおねだり
「お父様、お願い致します。私にも歳の近い、可愛い獣人のメイドをつけてもらえませんか」
珍しくおねだりしてみます。
「どうしたのだ。バーヤでは駄目か」
頭を横に振ってこたえます。
「バーヤは大好きです。でもバーヤは本当はお母様のメイドです」
「確かに妻の嫁入りで、実家のモンタルチーノ家からついてきたのは事実だが。歳が近い者というのはわかるが、なぜ獣人メイドがいいのかな」
ここが大事です。
「ニコーレお嬢様も、アリーチェお嬢様も、とても可愛い獣人メイドを連れてるのです。私だけ居ないのです」
テーブルを回り込み、お父様の横に立ちます。
お父様の丸太のように太い腕を、両手で掴んでゆすります。
「お願い致します。お父様」
「そこまで頼まれたら、何とかするしかないな。よし、任せておきなさい」
「ありがとうございます。お父様、大好きです」
ニコニコの笑顔をおくります。
「うむ。可愛い一人娘には、つい甘くなっていかんな。ワッハッハ」
〜〜〜
翌日
「お呼びですか、お父様」
「ソフィ座りなさい。頼まれていた若い獣人の、メイド候補が見つかってな。七歳だそうだ。もうすぐ来るから待ってなさい」
「本当ですか、お父様。ありがとうございます」
心からのニコニコをおくります。
私の心は高鳴ります。
コン、コンッ♪
「入りたまえ」
「失礼します」
思った以上にガッチリした体格の、熊獣人の女の子が入室します。
「自分は、兵士見習いのヤーマであります。メイドの経験はありませんが、匍匐前進は、自信があります。よろしくお願いします」
お父様、ヤーマさん。
私のために、ありがとう。
でも私の心が言うの・・・
『これじゃない』と。
第一部「廃墟別荘」編はここまでとなります。
読んで頂きありがとうございます。
第二部は、少し書き溜めてから投稿したいと思います。
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