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番外編 SS 闇夜の逃亡者
「たぁくよー、ちぃーとばかし長居しちまったかな」
俺は夜の街道を、灯りもなしに走っていた。
1キロメドルほど後方には、魔導具の灯りをぶら下げた馬車らしき影が揺れる。
「かぁ〜。やっぱり追っ手がかかるよな。もう来やがったぜ」
街道を外れ、茂みに身を隠す。
「お前ら間抜けが、何人来ようが捕まるかよってな「暗闇」」
追っ手の馬車から、男四人が姿を現す。
「この辺りで影が消えた。森へ入ったな。探せ」
ご苦労なこった。お前らには姿はおろか、気配すら気付けねーよ。
間抜けどもを見下す。
〜〜〜
「だめだ、エンツォ。何も見えやしねぇ」
「こっちもだめだ」
「仕方ない。戻ってメディツ様に報告だ」
〜〜〜
「金の切れ目が縁の切れ目ってな。急に金払いが悪くなりやがって」
追っ手を撒いた俺は、「夜目」を使って走り続ける。
「地下牢に繋がれた、ドワーフも連れ出せれば、ロルロン様も喜んだろうが。しかたねぇ」
ふと不気味な朱色に染まる月を見上げる。
「月まで俺を呪いやがる」
どこまていっても呪い漬けか。
フィレンツ街を抜け出し、夜を徹して走り続ける。
南へ向けて。




