表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/104

73. 父と娘と

「何、これはっ!?」


 総統(フューラー)が――ザターナ様が、アラクネを見上げて驚いている。


 ……大きい。

 私の知るアラクネよりもずっと。

 聖都の遺構で戦った女王(マザー)並の巨躯だわ。


「我が国土で回収された黄金蜘蛛の死骸を集めて、錬金術によって蘇らせた改造生体兵器(ゴーレム)――ラグナレクだ!」

「なんておぞましいことを……」

「標的は総統(フューラー)だ、行けっ!!」


 将軍が指さした先を、アラクネ――もといラグナレクの八つの単眼が凝視する。

 進行方向にいた兵士さん達を薙ぎ払いながら、八本脚の怪物がザターナ様へと迫っていく。

 あの怪物が、どうして将軍の命令通りに動くの!?


「危ない!」


 ラグナレクが前足を振りかぶった時、ザターナ様を赤い軍服の女性がかばった。

 とっさに振り上げた大剣で、鋭利な脚の爪をギリギリ受け止める。


 彼女のことは見覚えがある。

 ギムレーで見た親衛騎団の行進の際、ザターナ様と同じ戦車に乗っていた人だ。

 腕章をつけているから、彼女が親衛騎団のリーダーっぽいわね。


「ロヴン!」

「ザナ様……っ。これは危険です! お逃げをっ」


 赤い軍服の女性――ロヴンと呼ばれていた――は、かろうじてラグナレクの一撃を受け止めているに過ぎない。

 あのままでは直に押しつぶされてしまうわ!

 ……と思った矢先、ラグナレクの顎がガクガクと動き出した。


「はっ」


 ラグナレクが口から発射した糸の塊を受けて、ロヴンさんは吹き飛ばされた。

 邪魔者がいなくなり、怪物はあらためて歩を進める。


「人ならざる者よ、静止せよ!!」


 ザターナ様がラグナレクへと叫んだ。

 ラグナレクはまるで見えない壁にぶつかったように脚を止めて、ギシギシと身を軋ませている。

 〈聖圧(せいあつ)〉が生体兵器(ゴーレム)にも効いてくれたのね!


「ふうっ。将軍、よくもこんな怪物を――」


 危機を脱したザターナ様は将軍を睨みつける。

 でも、彼女はアラクネが顎を動かしていることを見逃していた。

 危ないっ!


「んんーんんんーっ!!」


 ……ああっ、そんなっ!

 ザターナ様に注意を呼びかけようにも、猿轡(さるぐつわ)のせいで声が出せない!


「!?」


 アラクネの撃ち出した糸の塊が、ザターナ様のお腹をかすめた。

 幸い直撃は避けられたけど、軍服が破れてお腹に裂傷が!


「しまった……っ」


 ザターナ様が苦悶の表情を浮かべて片膝をついた瞬間――


「んんっ!?」


 ――私は体が動くことに気がついた。

 ザターナ様が傷を負われて、〈聖圧(せいあつ)〉の効果が途切れたんだわ。


 突然動けるようになったことで、周囲には戸惑いの声が上がる。

 そんな中、ラグナレクはザターナ様を追いかけ始めた。


「愚か者め。動きを封じただけで御しきれる相手ではないわっ」


 将軍の嬉々とした声が聞こえてくる。

 なんて憎たらしい……!


「親衛騎団、ザナ様を死守しろっ!!」


 ロヴンさんの声が響き渡った。

 すぐに親衛騎団の面々がザターナ様の盾になろうとしたけど、誰一人時間を稼げずに薙ぎ払われてしまう。

 リーダーのロヴンさんも、怪我をしていて満足に動ける状態じゃない。


「我、敵を見極めたり!! 王国騎士団に命じる――」


 その時、びっくりするほど大きな声が(とどろ)いた。


「――親衛騎団に助勢し、あの蜘蛛の化け物を討伐せよ!!」


 それは、ロムルス第一王子殿下の声。

 彼の号令のおかげで、混乱していた騎士団が統率を取り戻した。

 王子殿下を先頭に、騎士団のみんながラグナレクへと斬りかかっていく。


「騎士団の好きにさせるな! 親衛騎団も黙らせろ!!」


 将軍が声高に命じる。

 この瞬間、王国騎士団(セントレイピア)親衛騎団(バトラックス)が共闘して、将軍配下の兵士さん達とぶつかる構図が確定した。


「ちぃっ。共闘とは厄介な」

「会談の混乱に乗じた総統(私の)暗殺。目論見が外れたようね、将軍」

「ふん。ラグナレクの真の力を知れば、顔色が変わるぞ」

「ご心配なく。次は糸を吐けないように〈聖圧(せいあつ)〉します」

「それでは足りんなぁ。ラグナレクは聖女の奇跡をも凌駕する力がある!」


 将軍の言葉で、私は思い出した。

 アラクネがそうだったように。

 ラグナレクにも、あの(・・)恐ろしい力があるのでは……?


 ちょうどその時、ラグナレクの八つの目が真っ白い輝きを放った。

 稲光のような青い光が、その巨躯を走り始める。


 私は過去の恐ろしい光景を思い出して、とっさに円卓の裏に身を屈めた。

 直後、轟音と共に尋常ではない振動が建物を襲った。


「……っ」


 間もなく揺れが収まった。

 ボロリと崩れ落ちた円卓の端から、恐る恐る顔を出してみると――


「……!!」


 ――私は唖然とした。


 ラグナレクを中心に、四方へと深い亀裂が会議室に走っている。

 それは天井や壁にまで及び、大きな亀裂から太陽光が差し込んでくるほど。

 騎士団も、親衛騎団も、将軍配下の兵も、その場にいたほとんどの人間は荒れ果てた床の上に倒れていた。

 立っているのは……ザターナ様と将軍、そしてトールくんとスキルニルさん。

 まさか他の人達はみんなやられてしまったの!?


「雷……!?」

「そうだ。これこそ大いなる神の力(ディバインパワー)! これに比べれば、聖女の奇跡なぞ手品に過ぎんわ!」

「神にでもなるつもり!?」

「我が盟友の夢――バトラックスの世界征服に必要ならば、それもよかろう!」


 今、ザターナ様の味方で動けるのは私だけだわ。

 でも、私自身は縛られている上に、円卓に縄を結びつけられていて動けない。

 なんとかしないと……。


「!」


 その時、足元に剣が転がっていることに気がついた。

 さっきの衝撃で、誰かの剣がここまで滑ってきたんだわ。

 私は後ろ手に剣を拾い上げて、縄の結びに刃を当てる。

 お願い、早く切れてっ!


「行け、ラグナレク。妖術師の魔女を地獄へ落としてやれ!」


 円卓にあいた穴から、ラグナレクをけしかける将軍の姿が見えた。

 後ずさるザターナ様の背中が、積み上がった瓦礫へと当たる。

 もう逃げ場がないわ!


 ラグナレクがザターナ様に(かじ)りつこうとした瞬間。

 銃声が響き渡り、ラグナレクの顎にヒビが入った。


「何ぃっ!?」


 将軍が驚いて、銃声のした方へと振り向いた。

 ザターナ様も私も、同じ方向へと向き直る。

 すると、そこにはライフル銃を構えた旦那様の姿があった。


 ……よかった。

 旦那様が生きていらした。


「ザターナッ! 答えろっ!!」


 旦那様がラグナレクの頭部めがけて銃を連発しながら、ザターナ様のもとへと近づいていく。

 銃弾は一発も外れることなく、怪物の顔へと命中し続けている。

 旦那様が銃の名手だとは知らなかったわ。


「なぜ家を出た!? なぜそんな姿で私の前に現れたっ!?」

「……」

「聖女の使命に嫌気がさしたのか!?」

「……」

「私がまっとうに親として接してこなかったことへの当てつけか!?」

「……」


 旦那様の問いかけに、ザターナ様は答えない。


「ザターナ、答えてくれ!」

「……」

「ザターナッ!!」

「……私は」


 彼女が口を開こうとした時、ちょうど旦那様の銃の残弾が尽きてしまった。

 ああっ。なんてこと……!

 私が声にならない悲鳴を上げていると――


「はああぁっ!!」


 ――トールくんがラグナレクの横っ面を蹴りつけた。

 彼の怪力によって、ラグナレクの巨体が横転する。

 でも、どうしてトールくんが旦那様達を助けるようなことを?


「なんの真似だ、トール!!」

「そうがなるな、将軍。今の会話を聞いて、興味が湧かんのか?」

「なんだと?」

「わしは興味が湧いた。新総統ザナが聖女ザターナ……それは(まこと)か?」


 ……知られてしまった。

 トールくん達にザターナ様の正体を。


 一方、ラグナレクも転ばされて大人しくするような怪物じゃない。

 ひっくり返った状態から、脚を巧みに利用して起き上がる。


「こりゃ手間のかかる相手じゃな」


 トールくんが腰に背負っていた大きな鞘から、剣を引き抜いた。

 彼が抜き身の剣を持った姿なんて初めて見たわ。


「今から大事な話があるんじゃ。ちょっと席を外していてくれんかのう」


 彼は襲い来るラグナレクの攻撃をすべて躱し、懐へ潜り込むと――


(つち)ではないが、一撃かますとするか!!」


 ――大剣を大振りしてラグナレクの胴体へと叩きつけた。

 凄まじい衝突音。

 そして、周囲へと伝わる衝撃波。

 とても人間の繰り出した一撃とは思えない。


 装甲を砕かれたラグナレクは、床を転がって壁に衝突。

 壁を破って、そのまま砦の外へと落ちていってしまった。


「トール、なんてことをっ!」

「あれで壊れやせんよ。さぁ子爵、続きを」


 トールくんが旦那様にうながしてくる。

 まさかの事態だけど、私としても旦那様とザターナ様のお話は聞きたい。

 今までわからなかったことがハッキリするはずだもの。


 ザターナ様はご自分の傷をかばいながら、旦那様へと寄り添う。

 そして……。


「お父様。私は、聖女の使命に誇りを持っていました」

「ザターナ……」

「お父様が私をどう思おうと、私はあなたのために、使命に身を捧げることに迷いはありませんでした」

「ならば……なぜだ?」

「あなたに守られていて不安に思ったことはありません。でも、私は寂しかった。だから、辺境の地で母と(・・)思える人(・・・・)と出会えて嬉しかった――」


 ザターナ様の言葉を聞いて、私はハッとした。


 辺境の地。

 母と思える人。


 その言葉で、私はあることを思い出した。

 七年前に辺境で起きた先代聖女様の痛ましい事故を。


「――あの人(・・・)の幸せそうな顔を見ていると、私は母様が戻ってきてくれたように感じられた。お腹の中の子の名前をつけてあげると約束したのよ。それなのに!!」


 ザターナ様の顔が急に険しくなる。

 その鋭い視線は……将軍へと向けられていた。


「バトラックスの将軍ヘイムダル! あなたの命令で現れた使いが、彼女の幸せを壊し、私の希望を奪った!」


 ……やっぱりあの事故が。

 いいえ。事件がザターナ様出奔の動機だったのね。


「貴様が聖女ザターナだと? では総統の座を奪ったのは、まさか私への……我が国への復讐のためだと言うのかっ!?」

「そうよ」

「馬鹿な! 復讐と言うなら私を――」

「あなたを殺しても同じことが繰り返される。バトラックスという国そのものを変えなければ、聖女の悲劇は終わらない。それを終わらせるために、私は過去を捨てて新たな時代の(いしずえ)となることを選んだのよ!!」

「馬鹿な……馬鹿な馬鹿な馬鹿なっ!!」


 将軍が激しく取り乱して、鞘から剣を引き抜いた。


「そんな個人的な動機で……! そんなつまらん理由で我が盟友を! 私達の野望を台無しにしたと言うのかぁっ!!」

聖女(私達)にとって、それほど大事な理由はない!!」


 ザターナ様が将軍へと一歩踏み出す。

 その時、剣を構えたトールくんが立ち塞がった。


「おぬしの事情はわかったが、さすがに大将首はやれんなぁ」

「どきなさい」

こんなの(・・・・)でも、長いこと居場所の世話になっておる。恩義には命を賭して報いるのが、わしのモットーじゃ!」

「恩義に命を懸けると言うならば。その命、今すぐ自ら(まっと)うしなさい!!」


 その瞬間、トールくんの動きが止まった。


「ぬぅ!?」


 いいえ。止まったのではないわ。

 彼は、ゆっくりと自分の首へと大剣の刃を近づけている。

 まさか……今の言葉にも〈聖圧(せいあつ)〉が!?


「ぐぬぬ……。なんとまぁ、難儀なことよ。聖女の一言一句に注意を払わねば、奇跡とやらに足をすくわれるとは……!」

「女神より与えられた言霊(ことだま)の力は絶対よ。人間だろうと生体兵器(ゴーレム)だろうと、神威(神意)にだけは逆らえない」

「軍神とまで言われたわしが、まさか……戦わずして、このような最期を遂げようとは。なんと慈悲のない結末か……っ」

「手段は選ばない。聖女という存在を守るため、私はバトラックスを改革する。軍事国家から脱し、聖女を絶対視する宗教国家へと!!」


 それがザターナ様の目的。

 先ほどの盗聴で、私が聞きそびれた過去の過ちを清算する準備とは、その改革のことだったのね。

 ザターナ様らしい、なんて壮大な望み。

 ……でも、今のやり方では私が(・・)納得できない!


「んんんっ!」


 縄が切れた。

 私は猿轡(さるぐつわ)を外して、円卓から飛び出した。


「やめて、ザターナ様っ!」


 私はトールくんに駆け寄るや、彼の喉をかばうようにして刀身へと手をかけた。

 ……痛い。

 指先から血が流れてくる。


 でも……!

 ザターナ様の手を。

 聖女様の奇跡を。

 血に染めるくらいなら、私が代わる!!


「ダイ……アナ……?」


 ザターナ様が私を認識した瞬間、まったく動かなかった刀身がトールくんの喉から離れた。

 ……奇跡を止めてくれたんだわ。


「その黒い髪。その顔。間違いない。……ダイアナ。ダイアナ・ジェンドゥ! なんで、あんたがここにいるのよ!?」

「ダイアナが長らくおまえの代わりになっていたのだ」

「えぇっ!?」

「この三ヵ月、立派におまえの代わりを。いや、おまえ以上に聖女ザターナを務めてくれた」


 旦那様の言葉に、ザターナ様は目を丸くしている。

 それはそうよね。

 まさか、あんなドジだった私がご自分の代わりに聖女をしているなんて、夢にも思わなかったでしょう。


 その時――


「エバウヲ・リズ・エサノノ・モノカ・ヨラズタ・イノ・ゼカ・ノンゴム!!」


 ――どこからともなく、魔法の詠唱が聞こえてきた。

 気づけば、スキルニルさんがザターナ様を見据えて口を動かしている。


「……うっ!?」


 突然、ザターナ様が喉元に触れる。

 何か様子が変だわ。


「無事に済みました。しばらく彼女は声が出ません」


 スキルニルさんがホッとした面持ちで言った。

 声が出ないって……ザターナ様の声が?

 つまり、奇跡を封じられた!?


「よくやったぞ、スキルニル! もう聖女は無力だ。殺せトール!!」

「……いいのか? あれほど聖女を手に入れたいと」

「どうせ殺せば()が現れる。その時にはセントレイピアを支配下におき、我が国のために働く最強の戦争兵器として育ててくれるわ!!」

「さすがに、そんなつまらん夢には付き合いきれんな――」


 トールくんが呆れた顔で将軍を見ている。

 私はそれ以上に、将軍に対して侮蔑の視線を送らずにはいられない。


 聖女様の奇跡を戦争の兵器に?

 そんな馬鹿げたことが許されるわけがない。

 みんなの希望の力を、そんなおぞましいことに利用させるわけにはいかない!


「――だがしかし。わしも立場上、今だけは将軍に従おう」


 トールくんが剣を構えてザターナ様へと近づいていく。

 私は彼の前に飛び出し、両手を広げて行く手を阻んだ。


「ザターナ様、旦那様、お逃げくださいっ!」

「真の名はダイアナ……だったな。おぬしは殺しとうない。そこをどけ」

「どきません」

「……ならば止む無し」


 トールくんが凍えるほど冷たい目になった。

 剣を水平に構えて、私へと狙いを定めている。


 ……悔しい。

 自分の無力さが、何よりも悔しい。

 私にも戦う力があれば。

 大事な人達を守る力があったら……!


「やめろ!」


 それは、予想だにしないことだった。

 旦那様が私を背後から抱き寄せたかと思うと、その私をかばうようにしてトールくんへ背を向けたのだ。


「無駄じゃよ。トバルカイン子爵」

「私の娘達を傷つけさせはしない!」


 旦那様のお言葉に、私は驚いた。

 今、なんと……?


「ならば三人まとめて(ほうむ)ってやろう。共に旅立てるように!!」


 トールくんから届いてくる殺気。

 でも、旦那様が私をその殺気から守ってくれている。


 どうして?

 替え玉の役に選ばれただけの私を。

 偽物に過ぎない私を。

 なぜ、娘と呼んだのです……?


「旦那様。今、私を娘って」

「人の気持ちというのは、何をきっかけに変わるかわからん」

「……」

仮初(かりそ)めの三ヵ月でも、おまえは……私の娘だった。事ここに及んで、今さら他人には戻れんよ」

「旦那様ぁっ!」


 目頭が熱くなって、私の視界が滲んでいく。

 せっかく間近にある旦那様のお顔がよく見えない。


 そんな私を、さらにザターナ様が抱きしめてくれた。

 彼女は私に笑いかけてくれている。

 ご自分も怖いはずなのに、私を安心させようとしてくれている。

 それがわかる。

 わかるからこそ……今ここで終わりたくない!


「さらばだっ!!」


 トールくんが剣を振るう。

 刹那、私の脳裏にこの三ヵ月の濃密な記憶が蘇る。


 いつだって私のピンチを彼らが救ってくれた。

 今だって心から信じられる人達がいる。

 だから私は――


「みんな、助けてぇーーーっ!!」


 ――彼ら(・・)へと助けを求めた。


 私の声が響き渡るのを待たずして、天井が崩れ落ちた。


「何事じゃっ!?」


 瓦礫が落ちてきたことでトールくんは剣を止めた。

 加えて、私達との間に白い何か(・・・・)が降り立ったことで、彼は大きく後ろへ飛び退いた。


「……まさか」


 私はその後ろ姿に見覚えがあった。

 でも、少し違う。

 白くて大きい背中には、一対の翼が生えているんだもの。


「なんとか間に合ったようだな」

「こりゃ酷い状況だ。ギリギリセーフってところだな」

「ですね。憎たらしい顔がいくつもありますし」

「全部倒してしまいましょう。(うれ)いなく明日を迎えるために!」

「だったら任せろ。僕のポーションガンが火を吹くぜぇっ!!」


 さらに、背中(そこ)には私が信頼する殿方達の雄姿まで。


「「「「「聖女親衛隊(セイントオーダー)参上っ!!!!」」」」」


 彼らの声に、私の心は安堵した。


「待っていました。みんなのことを」

「どこにだって助けに来るよ――」


 白きドラゴン――カーバンクルちゃんの背に乗ったルーク様が、炎を灯した剣を空高くへと掲げた。


「――きみの名を訊くために」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


「おもしろい」「続きが気になる」と思った方は、

下にある【☆☆☆☆☆】より評価、

またはブックマークや感想をお願いします。


応援いただけると、執筆活動の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ブックマーク、感想、評価など お待ちしております。



以下より「聖女の替え玉がんばります!」の設定資料を閲覧できます。

《ワールドマップなど各種設定》


【小説家になろう 勝手にランキング】
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ