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第六話




 しばらくして、リーンが戻ってきた。



 「村長のところまで会いに行かなきゃいけない。」



 そんな大事になってしまったのか。村長まで出てくるとは。



 いや・・・しかし、僕は一応、フランスにとっては外国の軍隊だ。リーンは村の人間にどう説明したのかはわからないが、村長まででてくるとは・・・。警戒されているのだろう。




 しかし困った。リーンはなぜか英語を話せるようだけど、フランス人は大抵英語を話せない。僕もここに来る前に少しだけフランス語を勉強したが、挨拶や、簡単な会話をするので精一杯だ。とてもじゃないが村長と話をできるレベルじゃないだろう。




 リーンに翻訳してもらうしかないか。




 「リーンさん。村長のところに行ったら、僕の話すことをフランス語に翻訳してほしいのですが・・・。僕はフランス語は上手く話せないのです。」





 「ん・・・多分、大丈夫だと思う。私と意思疎通できているのなら。」





 ・・・なんとなく、引っかかる答えだ。



 「大丈夫なら、よかったです。案内してくれませんか。」



 リーンはうなずいて、村の方に歩き始めた。


 僕も彼女の後についていく。







 田舎といえど、村には結構人がいた。彼女の話を聞いて、どんな人間が来たのかと様子を見に来たのだろう。ヒソヒソと、何かを話し合っている。・・・なんだか、どんどん緊張してきた。





 しかし、何というか、懐かしい感じがする。僕の祖母の村も・・・ここまでじゃないけど、田舎で。




 よくシェパーズパイを作ってもらった。あれは、美味しかったなぁ。



 



 


 国に・・・イングランドに帰りたいなぁ。





 


 いけない、いけない。今は目の前の問題を片付けなければ。




 

 「ここに入って。」




 リーンは村の奥の方にある家の前で止まった。



 家には見たことがない柄の旗が立っているのに気付いた。この村の風習か何かだろうか・・・。




 僕は襟を正し、深呼吸をしてその家に入った。


 

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