第0話 プロローグ
楽しく書こうと思っています。
なるべく長くやろうと決心しました。
俺はライン。勇者の資格を持つヴィーントのパーティ『獅子の咆哮』に入っている。
今日は地底のダンジョンに潜っているのだ。
「ねえ、サージャ。あっちのゴブリン行ける?」
「……ざっと20mか。行けるよ、私ならね。」
こいつはサージャ。遠距離担当の弓使いだ。
胸がデカくて可愛い。何故かいつも目に眼帯をつけている。怪我でもしているのか?
サージャが狙いを定めて矢をバシュッと放った。
すると、寸分違わず正確にブルーゴブリンの心臓を射抜いた。
「おお!さすがサージャ!やっぱすげぇな〜!」
「気を抜くなドゥーヴィン!来るぞ!」
「はいはい。分かってるよっと!」
ドゥーヴィン。このパーティではヴィーントと同じ剣士だ。中、近距離を得意とする。チャラい。
ドゥーヴィンがそう言って剣で畳み掛けると、
突進してきていたゴブリン達が次々となぎ払われて行く。
「ルーグァスト!あとは頼んだ!」
「分かった!!!」
ルーグァスト。槍使いで、大量の敵を一撃で葬ることが出来る。うるさい。バカ。
「うおおおおおおお!!!」
ルーグァストが雄叫びながら槍をブンブン振り回すが、ドン!と大きな爆発が起こり、気がついたらゴブリンがもう居なくなっていた。
「さすがリンクォール!!!広範囲で最強だな!!!」
ルーグァストが大きな声でそう賞賛した相手は、
リンクォール。魔法使いで可愛いというより美人。
しかし残念ながら胸は無い。また、自意識過剰でもある。
「当然よ。私の魔術は最高なのよ!」
「おいお前ら行くぞ。扉がある。」
こんなクセのある奴らをまとめているのが、
このパーティのリーダーで、勇者の資格を持つ男。
ヴィーントだ。
俺を入れて6人は全員が幼馴染である。
そのため一応仲はいいのだが、どうもまとまりの無いところがある。そこをカバーしているのが、ヴィーントだ。
ヴィーントが扉をゴゴゴという音を立てながら開けると、中は暗闇だった。
「ここは…ボスがいるのか?」
「さあね。居ないんじゃない?」
「じゃあお宝だけ貰って帰りましょうよ。」
俺たちが話しながら中に入ると、いきなり扉がバン!
と音を立てて閉まった。
「な、なに?」
「みんな構えろ!何かが居る!」
皆の間に緊張と静寂が走る。そしてその静寂を破ったのは俺の呆けた声だった。
「な…なんだよあれ…」
俺の声に気づいた皆が一斉に俺の指差す方を見る。そして皆の間にも動揺が走った。
死▉ノ▓念*■ン▍ガ◈▤ド
Lv.▎❖▍▕❏◨
「なんだよ…あのレベルと名前…文字化けして見えねえ!」
この世界ではステータスは故意に見せるか、ホークアイスキルを使うかのどちらかしか他人のステータスを見ることはできない。
つまり、俺たちに見せつけているのだ。
お前たちは勝てない、と。
「クソッ!なんだよ!もういい!ルーグァスト!行ってこい!格の違いを見せつけてやれ!」
ヴィーントがヤケになったようにそう言うと、
ルーグァストが「ああ!!!やってやるよ!!!」
と、文字化けボスに向かっていった。
しかし、それは通用しなかった。
ルーグァストが「あ?」と言ったかと思うと、
上下に胴体が別れた。
言葉も出ない俺たちを見て、文字化けボスは「ケケケケケ…」と嘲笑っている。
後ろが光っているので振り返ってみると、
俺以外のみんなが光に包まれていた。転移陣だ。
「ルーグァストが馬鹿で良かったよ。囮にされているとも知らずに…ハハハハハハ!!!滑稽だなぁ!お前もここで死ぬんだよ!ライン!お前のスキルはハズレだもんなぁ!!!どうせあいつに切られるんだよ!お前も!僕たちはお前たちの死をありがた〜く利用させて頂いてここから出させてもらうよ!自分の弱さを呪うんだな!」
そう言うと、ヴィーント達は消えていった。
皆、俺を見る目には汚い物を見るような軽蔑が含まれていた。
皆生まれながらにスキルを持っている。
しかし、子供のうちに暴発させる危険があるため、成人の時に知らされる。俺のスキルは「グリーンシート」だった。
俺がステータスを確認しても、黒く塗り潰されて全く分からないのはこのスキルのせいらしい。
こんなスキルは誰も持っていない。
こういうスキルを持つやつは二つに分かれる。
英雄になるか、雑魚になるか。
どうやら俺は後者だったらしい。
そして俺はもうすぐこのスキルのせいで死ぬらしい。
そう思った瞬間、とても悔しくなった。
悔しくて悔しくてたまらなくなった。
そして次に出てきたのは、怒りだった。
俺とルーグァストを裏切った時のあいつらの顔を思い出すだけで、叫び出したくなった。
すると、突然目の前が赤く光った。
次の瞬間、ビリッ!と何かが破けたような音がした。
奇妙な音を聞いた後、俺の中を魔力が駆け巡るのがわかった。
俺は不思議に思い、ステータスを確認する。
ライン・ドールヴァンス
レベル:500
スキル:身体能力上昇Lv.3
運上昇Lv.3
獲得経験値増加Lv.3
獲得アイテム増加Lv.3
魔法攻撃上昇Lv.3
命中率上昇Lv.3
生命力上昇Lv.3
邪眼無効Lv.3
職業:ソードマスター
「嘘だろ…これが俺のステータス!?」
ステータス画面が赤く光り輝いていた。
文字化けボスの様子がおかしい。
どうやら俺はあいつのレベルを上回ってしまったようだ。あいつの文字化けも収まっていた。
死霊の怨念・ラースガルド
Lv.200
とりあえず腰に付けていた剣をラースガルドに一振り。
……全く力を入れていないのに豆腐のようにスパッと切れた。
苦戦することもなく、一瞬で勝負がついてしまった。
しかし倒しても経験値を得ることも無く、アイテムも落ちなかった。…まあこれ以上レベル上がっても意味ないんだけどね!
とりあえず扉が開いたのでルーグァストの槍を持って外に出て、草原に槍を突き刺して墓を作った。
なんだかんだ言って良い奴だった。
普通ならここでヴィーント達に復讐をするところだろうが、俺はしない。もうあいつらと関わりたくないのだ。そこで俺は決めた。
「……そうだ。旅をしよう。」