妹との会議
「「ダイブイン」」
そう言い、詩織と共にゲームの世界に入り込んだ。
目が覚めたら白に塗りたくられた部屋であった。
「一緒にダイブしたのに、一回は離れるんだな。」
独り言を言うがまあ、聴いている人はいないだろう。
「そうだよー。まあ、その理由はあるけどまあそれはおいおい。さてと、一応形式として出てきたけどなんか聞きたいことでもある?」
そう言いながらこのウサギは出たきた。
確かに人ではなかったが聞いているウサギはいたな。
それより、なんだ?
なにを聞けと言うんだ?
どういうことだ、このゲームについてか?それとも、この会社についてか?
どうもさっきまで考えていたからそっち方向の考えになってしまった。
「そんなに深く考えない方が良いよ。これはある種の心理テストみたいなものだから。」
じゃあ。
「お前はなんだ?AIか、それとも人間か?」
「そうきたか。」
それは何故かある種の喜びに満ちた声だった。
「うん、どちらかといえばAIかな。いや、AIの方が近いといったものかな。ああ、あんまり深く考えないで、この世界のNPCみたいなものだからさ。」
「‥‥そうか、ありがとう。」
「んじゃあ、そろそろ行くかい?」
「そうしようかな。詩織、いやオリカが待っているからな。」
「じゃあ、いってらしゃい。」
その声と辺りに満ちた光に見送られた。
しかし、こんな演出前までなかったような。
そして、俺の中でさっきの問答の答えが頭の中からなかなか離れなかった。
「お兄、遅い。」
オリカさん?なんで俺の上に座っているんですかね。
目が覚めるのが遅かったからって、寝ているような状態の時にのかっているんですかね?
「そこまで時間掛かったか?」
少し不安になった。オリカを不安させていたのではないかと。
「いや、3秒くらい遅かった。」
「それ現実で1秒の差だよな、それくらい見逃してくれよ。」
というか、それぐらいの時間の間にのかったのか?どんな速さでやったんだよ。
すこし、呆れてしまった。
「やだ、お兄が遅いのがいけない。」
「まさか‥」
「お兄、現実で何か奢って。」
「はぁ、わかりましたよ。なにが良い?アイスか?それともチョコレートか?」
「うーん、後でいい?」
「了解。」
まあ、それぐらいなら可愛い妹の為だそれくらいはいいかな?
「それより、レベル上げするか?」
あの状態からベッドに座り、その上にオリカを乗せた体勢になって話しかける。
「する。どこ行く?」
「そうだな、あのスケルトンの所はどうなんだ?」
「昼だから、ラットがいるけど。」
「経験値的にどうなんだ?」
経験値、それはゲーマー達が追い求めてやまないものである。
とにかく序盤は大切で、スタートダッシュを決めるためにも是非いい所を選びたい。
「いい方。」
「それじゃそこかな?」
「でも、ドロップが酷い。」
ドロップは大事だ、偶に経験値よりも大事な時がある。
武器の強化、防具の制作、クエストでの納品。その他もろもろのことで必要とされる。
さて、今はスタートダッシュか、それとも金稼ぎか、実に悩ましい。
どのゲームでも言えることだが、経験値を求めるのと、金稼ぎを求めるのは結局どっちもやらなくてはいけないのだ。
その為どのゲームでもどれが一番いいかゲームによって異なる。
その為バランスの良い所を選ぶ方が良い時もあるし、金を稼いで強い武器を買って行く方が良い時もある。
しかし、もう装備は手に入れている。つまりは経験値を手に入れた方が良いと俺は思っている。
しかし、そこはオリカに任せたいと思っている。
俺は今のところ経験値だけで良いが、オリカは素材が欲しいかもしれないからな。
「オリカはなにか欲しいドロップアイテムはあるか?」
「じゃあ、東の鉱山、鉄が欲しい。」
「ところでなんで鉄が欲しいんだ?」
そこが問題点だ。
鉄はリアルなこのゲームでは色んなことに使えるだろう、しかし、魔術に鉄は使いようがないといっても過言ではないだろう。
むしろ、ドロップアイテムにあるかもしれない魔石とかそういうアイテムの方が使うだろう。
「杖、作るのに必要。」
前言撤回だ。これ程早い手のひら返しを俺は見たことがない。
「しかし、なんで鉄なんだ?木の方が使うだろう?常識的に考えて。」
「確かに木は使う。でも、鉄の方が今のところ強い。」
「雑木が多くて、杖の素材がほとんどないと言うところか?」
「ちがう。」
相変わらず普段の勘は使えないな。
「でも、そう言うところは弓とか作るのに必要なはず、このゲームでは用意されてないのか?」
「ある、でもそれが良い性能じゃない。」
「ん?もしかして、杖に向いてないのか?」
「そう。」
「じゃあそこいきますかね。」
頭を撫でながらいう。
というか、この感触久しぶりだな。
つい、撫でたくなるんだよな。
妹の頭は麻薬のように依存性があったのか!
と、ふざけるのはやめて。
でも、やっぱりなんか気持ちいいだよな。
それに、オリカも嬉しがっているし。
そろそろ行くとしますか!
ヒャッハー
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それと評価ポイントを落としていけー!
そうすると作者はやる気がでるんだー!
どうも、世紀末作者でした。