両利 顎と俺たち兄妹の因縁
両利 顎、それは俺たち兄妹の父親だ。
詳細は省くが、俺たちの父親はクズだった。
これから話すのは奴との因縁についてだ。
酒、暴力、ギャンブル、そんな物は日常茶飯事。
母親と俺たち兄妹はそんな父親の顔を伺って生きていた。
奴はどうやってかはわからないが入社していた。
まぁ、いつのまにかクビにされていたけど。
話を戻そう。子供だった俺たちは圧倒的な弱者であり、どうやっても父親とは認めたくないが、そんな父親から逃れることはできなかった。
何度かは逃げようとはした。
けど母親は逃げられなかった。
もう心が折れていたんだ。
母親を置いていこうにもいかず、母親と一緒に無理矢理にでも逃げようとはした。
でも心が折れていた母親は動かない。
そんなある日、母親は死んだ。
餓死でだった。
よく持ちこたえていた。そんな気持ちの方が大きかった。
母親の死体を見て、父親は何も思っていなかったと、思う。
何故なら一瞥もせず、いつも通り過ごしていたからだ。
気に入らなかったら殴る。
自分達の生活などまったく気にしていなかった。
母親の死をきっかけに自分の中の何かがプツンと切れた気がした。
それから俺たちは警察に逃げ込んだ。
どうやって逃げたかだって?
それは外に出てから直ぐに隠れたんだ。
幸い俺たちにそんな興味がなかったみたいだったから直ぐに探すのを諦めたよ。
今まで何だったのかわからなくなるほどにな。
警察は直ぐに動いてくれた。
きっといい人だったんだろう。
その人は自分を保護してくれた。
そして施設に入れてくれた。
感謝しかない。
でも、数年後奴は刑務所を出てきた。
それもそうだ、ただの虐待なんかじゃ日本の司法では数年しか刑務所に入れられない。
だけど、酒に酔っている時に、奴は車に轢かれて死んだ。
血が繋がっているからか警察は死体を見せてきた。
正直言っていい気分だった。
だけど、少し怖かった。
あんなにも暴力を振るった奴がこんな簡単に死ぬなんて、と。
それが父親との最後の縁だったはずだ。
それから?
それからは、とにかく勉強をした。
けど、途中から自分の能力に気がついたとき、直ぐにやめた。
正直、俺たち兄妹は人と接するのが苦手、いや嫌だったんだろうな。
そして、この能力は株とかに使えると気づいてからは錬金術のように金を増やして、ゲームの世界にのめり込んだ。
それが今の自分達だ。
『そんなに驚くことではないだろう。』
「お前は死んだはずだ!ちゃんと死体も見た!」
『そうか、俺が言いたいのは今やっているゲームについてだ。』
「何が言いたい!」
『第1ボスを倒せ、それだけだ。倒したのなら、お前たち兄妹について教えてやる。』
「お前に教えてもらうことなどない!」
『その能力について知りたいと思ったことはないのか』
「ーーッ!」
知りたい、そう思ったことはないと言えば嘘になる。そんな事を暫く考えていたら。いつのまにか電話は切れていた。
「お兄、今のは?」
「な、なんでもない。」
そうなんでもない。
奴が生きているなんて嘘以外の何者でもない。奴の死体はたしかにあった。
ちゃんと死んでいるのか、脈だって見た。
そう、奴の振りをした何者かが接触してきただけに決まっている。そうとしか考えられない。
だが、なぜそんな事をする?
俺たちの父親の真似をする意味などないはずだ。
俺たちの能力?
否、奴は俺たちの能力について知っているようだった。
・・・
考えてみたが答えは出なかった。
ただやれるのは俺たち兄妹は自由に生きるただそれだけだ。
作者 おのれシリアスめ!どうやって書けばいいんだ!
ユート また茶番かよ。
作者 大体なんでそんな重い過去持ってんだよおまえはよぉお!
ユート お前がそんな設定にしたからだろう。
作者 おい!メタイぞ!やめろ!
以上 作者はシリアスな書き方なんて知らないでした。




