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四人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
21/26

★【ぶるうべりいさふぁいあ】

台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂2︰♀1︰不問1


 紫狒々(しひひ) 不問 セリフ数:13


 茂木(もぎ) ♂ セリフ数:20


 船良(せんら) ♂ セリフ数:22


 名瀬(なぜ) ♀ セリフ数:23


[あらすじ]《9分程度》

 (かた)(おい)すら知らぬ(かた)()達の(うたげ)。彼らしか知らない辺境(へんきょう)のどこかで。酒のアテを持ち寄って、今日も楽しげな声を響かせている―――。










【茂木】

 すみません、遅れました!


【紫狒々】

 良いデスよ。紫狒々(しひひ)達もさっき着いた所デス。


【船良】

 だいぶ辺鄙(へんぴ)ですから来るの大変だったでしょう? どうぞ、こっちへ〜。


【名瀬】

 こんな所に魔物も暮らさぬ湖があるとは。

 場所決め感謝します、船良(せんら)殿。


【船良】

 良いんですよ〜。

 この集まりを提案してくれたのは名瀬(なぜ)さん、貴方でしょう?


【名瀬】

 取るべき交流を()ける理由はありませんから。茂木(もぎ)殿、貴方の師匠がかの「亀八郎(きはちろう)」であろうとも。


【茂木】

 あー、いや。

 師匠が貴方に何かしてしまったんならオレから謝罪を――


【名瀬】

 要りません。

 ワタクシとて彼に会った事すらございませんから。

 それよか、(たが)いに自己紹介でも致しましょう。ワタクシ共、名の広がりつつある新参(しんざん)というだけで他は何も知り()ませんし。


【紫狒々】

 デハ、紫狒々から失礼しマス。

 紫狒々は辺鄙(へんぴ)な集落出身デス。

 えっと、ハマーラール地方のどこかの山の奥にありマス。


 歳は二十三。まだまだ新参デ、言葉も勉強チューなのでお手柔(てやわ)らかに。


【名瀬】

 では続いてワタクシが。

 師の水妹(みなも)より名を(たまわ)りました、名瀬と申します。

 語り部の前には旅芸人をしておりました(ゆえ)見聞(けんぶん)は広い方で御座います。


 歳は二十五。手紙にも(したた)めましたが、あまり酒には強くありません。ご了承(りょうしょう)を。


【茂木】

 じゃあ次はオレで。

 名は茂木です。師は亀八郎で…いや、まあ。聞いた事ない人は居ないですし、(はぶ)きますね。

 生まれはセッツ地方の南部。

 色々あって今は語り部一本。帰る家は、…まあ一応ありますけど一度も帰った事はありません。


 歳は二十六で、もうすぐ二十七になります。語りは、下手――、ですけど。仲良くしてください。


【船良】

 じゃあ、最後は俺ですね〜。

 船良と言います。魔法使い(けん)語り部やってます。紫狒々とは「友達」でして。こちらも交流を広めたいと思っていたのでこういう集まりは有難(ありがた)いです。


 歳はー…、ふふ。いくつに見えます〜?


【名瀬】

 二十代、前半辺り…、でしょうか。


【船良】

(意味深な笑みを浮かべて)

 …、まあ。そんな所ですかね〜。


【紫狒々】

 船良の歳はずっと秘密にされているのデス。良いデスけど。


 あ、そうデシタ。名瀬(なぜ)殿っ


【名瀬】

 はい、何でしょう。


【紫狒々】

 紫狒々、たくさんお酒持ってきたんデス。

 どれくらいの度数(どすう)なら飲めマスカ?


【名瀬】

 多少強いものも一杯(いっぱい)ほどなら飲めますよ。ご配慮(はいりょ)感謝致します。


【茂木】

 船良さん、お酒は。


【船良】

 ガンガンいけますよ〜。後、呼び捨てか茂木さんの呼びやすいように。この中では歳上ですし。


【茂木】

 あー、じゃあ。船良、くん?


【船良】

 はい〜。

 茂木さんは何のお酒を?


【茂木】

 師匠が好きで飲んでたやつを。

 度数も強くないから名瀬さんも少しくらいなら飲めると思いますし。


【船良】

 なるほど〜。こういう時だけは師匠が居ていいなって思いますよ。


【紫狒々】

 あ、紫狒々もそれ思いマス。


【名瀬】

 ワタクシも思います。師匠と離れ、独り立ちした(のち)に気付きましたけれど。


 連れ()って様々な街や里を語り歩いて参りました。ワタクシは旅芸人でしたから知った街もありました、寄った里もありました。

 ですが違うので御座います。


【茂木】

 ああ。それ何となく分かります。

 オレも名前だけ知ってる街だったり、例えば王都であっても。

 師匠が見ている景色も、知っている知識も。

 オレとは全然違って。


【紫狒々】

 独学(どくがく)の紫狒々からすれば、盗んでミロと機会を与えてくれる存在が(そば)に居るのはすごく幸せな事だと思いマス。


【船良】

 俺からすると皆さん凄いですけどね〜。


【名瀬】

 船良(せんら)殿も独学では? それとも何方(どなた)かがお師匠様でいらっしゃるのですか?


【船良】

 まぁ、師匠って訳じゃなく語り部をよぉく知ってる「知り合い」が居ちゃったりするので。

 少しだけ知識を(もら)ったりもしましたよ。


【茂木】

 へえ。…あ、ところで船良くんは何のお酒を持ってきたんですか。


【船良】

 紫狒々がお酒をたくさん持っていくと言ってたんで俺はおツマミを。ちょっと伝手(ツテ)を頼って珍しいものもありますよ〜。


【名瀬】

 酒には弱くとも、ツマミは助かります。…しかしそうですね、飲み交わす前に話題を喋り()くしてしまうのは勿体(もったい)ないですからワタクシから披露(ひろう)しましょう。


 千年続く酒蔵(さかぐら)栗透(りっとう)の八代目より彼岸(ひがん)を。


【茂木】

 あれ? 彼岸なんて名瀬さん、一滴も飲めないんじゃ…相当強いヤツですよ。


【名瀬】

 こちらはワタクシ用と言うより皆様用に。

 今回の集まりを提案したにも関わらず、酒が少ししか飲めぬなどと巫山戯(ふざけ)たワタクシにも寛大(かんだい)な皆様へ、感謝の意を込めて。


【紫狒々】

 気にしなくて良いんデスよ。

 (むし)ろ自分の力量を分かってる名瀬殿は素敵デス。


【名瀬】

 ………っ!

 こ、こちらは酒のアテに…、ヒカリ宿(やど)()っころ(いも)です…。


【船良】

 アレ? 名瀬さん、照れてます?


【名瀬】

 て、照れてなどおりませんっ! 見間違いです!


【船良】

 ふふ〜ん、まあ。そういう事にしておきましょうか〜。


 そんじゃあ、今度は二番手に。

 (ジン)闘魚(セト)干物(ひもの)とボラーフのチーズ焼き、後はカリ(まめ)塩茹(しおゆ)でです。


【茂木】

 せ、船良くん? (ジン)闘魚(セト)って、マジ?


【船良】

 大マジですよ〜。あ、これが伝手(ツテ)の頼りってヤツです。思ったより大物くれてこっちがビビってますよ。


【茂木】

 いやいやいやいやっ! ビビるなんてもんじゃ無いですよ、これ! オレら全員分の一ヶ月の(かせ)ぎ合わせても買えるかどうか…。


【名瀬】

 確か闘魚(セト)自体が闘い続けて勝ち残ったレア物で、味は落ちますが高価なものだったと記憶しています。

 そもそもあういう()け事には興味がありませんから、あまり知りませんけれど。


【紫狒々】

 船良はまた世間知らずさんデスか?

 (ジン)闘魚(セト)闘魚(セト)の中でも一際(ひときわ)気性(きしょう)が荒くて、交配(こうはい)用のメスすら噛み殺してしまうノデ、あまり賭け事には出てこないんデスよ。

 だからコソストレスのない味の良いものなんデス。


【船良】

(小声で)

 ……千輪(せんりん)(はか)ったな…。


 そうなんですか〜? 俺あんまり酒のツマミとか知らなくて。勉強になります〜。


【茂木】

 まあ。高級なものを味わえるなら有難(ありがた)い限りですよ。次はオレ、いかせてもらいます。


 酒は師匠の十八番(おはこ)。メラン(しゅ)です。甘い味わいですけど度数はそこまでありません。


【名瀬】

 …! 亀八郎は酒に弱いんですか!


【茂木】

 …え、いえ。ああ見えてオレより飲みますよ。度数のきっついお酒なんかも水みたいに飲んでたり。

 ただ、メラン(しゅ)は「思い出の味」らしくて。割といつも持ち歩いてますよ。


【名瀬】

 なるほど…。


【茂木】

 …あはは…。何がどうしてこんな風になってしまったのかは聞かないようにしますね…。

 あ、こちらは森狼(しんろう)の干し肉です。


【紫狒々】

 シンロウ…? ああ、アンデッドウルフデスか?


【船良】

 アンデッド…ああ、光魔法当てれば即死のアンデッド系ですね〜。初心者向けだって冒険者のクエストでもよく見るヤツです。アレって食べれたんですね〜。


【茂木】

 そう言えば船良くんって魔法使いなんですよね? 何の魔法が得意なんですか?


【船良】

 基本的に全般(ぜんぱん)使えますよ。

 魔法学園に通っていたので。ああ、でも。(いや)系統(けいとう)の魔法はちょっと苦手です。


【名瀬】

 魔法(まほう)付与(ふよ)などは出来ますか?

 ワタクシのレイピア、魔法石を()め込む(くぼ)みがあるのですが、兄が使っていた時から何も()め込まれておらずにいたものですから。少々興味が御座います。


【船良】

 大抵(たいてい)の魔法付与は出来ますけど〜、…タダじゃ、ちょっとね。


【名瀬】

 勿論(もちろん)無償(むしょう)などと馬鹿な依頼は致しません。それなりの対価(たいか)(はら)います。


【船良】

 なら、こちらからの()()でも?


【名瀬】

 …信頼はしています。


【船良】

 やあ、嬉しい。

 それじゃあ後で対価決めときます。


 紫狒々、酒を綺麗(きれい)に並べるのは後でいいから披露して。


【紫狒々】

 アイ。


 まずは我が集落の自慢酒、レフライ。これは強めなので名瀬殿はお(ひか)え下サイ。

 次に無銘(むめい)のハネ(さけ)。何のアテにも合うノデ、ご賞味(しょうみ)あれデス。

 最後に柿酒(かきざけ)デス。これはそのままでは甘ったるくて飲めないノデ、水で割って飲んでくだサイ。


【名瀬】

 本当にたくさん持ってきてくださったのですね。


【紫狒々】

 誰かに合うお酒を選ぶのはとっても楽しかったデス。


【船良】

 それじゃあ…、乾杯(かんぱい)音頭(おんど)でもとりましょうか。…茂木さん、お願いします。


【茂木】

 え゛っ、オ、オレですかっ?


【名瀬】

 確かにこの中では一番歳上ですから妥当(だとう)ですね。お願い申し上げます。


【茂木】

 えっと…それじゃあ。

 酒器(しゅき)(かか)げて…


 魔法師(まほうし)の船良、細剣(さいけん)の名瀬、陽天(ヒソラ)の紫狒々、修行(しゅぎょう)の茂木…と、こんな感じ…ですかね。


【紫狒々】

 …、紫狒々が陽天(ヒソラ)の民だと知っていたんデス?


【茂木】

 一応勉強はしましたから。…えっと、言っちゃいけませんでした?


【紫狒々】

 イイエ! とっても嬉しいデス!


【船良】

 ところで茂木さんはどうして「修行」なんです〜?


【茂木】

 あー…いや、まだ自分の味が分からないので…師匠に課題を出されている今は「修行」がいいかなと。


【名瀬】

 細剣(さいけん)ですか。レイピアをアズマの言葉に直したものですね。とても気に入りました。


【茂木】

 良かったです。名瀬さんにはそのレイピアがとても似合ってますから。


 では、乾杯(かんぱい)


(↓同じタイミングで。揃えなくて大丈夫)

【船良】

 乾杯〜


【名瀬】

 か、乾杯です…!


【紫狒々】

 カンパ〜イ!










STORY END.

一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。

それぞれ初登場台本を掲載しておきます。


語り部紫狒々〜扇子編〜

https://ncode.syosetu.com/n0087fo/24/


語り部茂木〜鉢合わせ編〜

https://ncode.syosetu.com/n0087fo/30/


語り部船良〜使い魔編〜

https://ncode.syosetu.com/n0087fo/45/


語り部名瀬〜悪魔編〜

https://ncode.syosetu.com/n0087fo/55/

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