★【ぶるうべりいさふぁいあ】
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♂2︰♀1︰不問1
紫狒々 不問 セリフ数:13
茂木 ♂ セリフ数:20
船良 ♂ セリフ数:22
名瀬 ♀ セリフ数:23
[あらすじ]《9分程度》
語り追すら知らぬ語り部達の宴。彼らしか知らない辺境のどこかで。酒のアテを持ち寄って、今日も楽しげな声を響かせている―――。
【茂木】
すみません、遅れました!
【紫狒々】
良いデスよ。紫狒々達もさっき着いた所デス。
【船良】
だいぶ辺鄙ですから来るの大変だったでしょう? どうぞ、こっちへ〜。
【名瀬】
こんな所に魔物も暮らさぬ湖があるとは。
場所決め感謝します、船良殿。
【船良】
良いんですよ〜。
この集まりを提案してくれたのは名瀬さん、貴方でしょう?
【名瀬】
取るべき交流を避ける理由はありませんから。茂木殿、貴方の師匠がかの「亀八郎」であろうとも。
【茂木】
あー、いや。
師匠が貴方に何かしてしまったんならオレから謝罪を――
【名瀬】
要りません。
ワタクシとて彼に会った事すらございませんから。
それよか、互いに自己紹介でも致しましょう。ワタクシ共、名の広がりつつある新参というだけで他は何も知り得ませんし。
【紫狒々】
デハ、紫狒々から失礼しマス。
紫狒々は辺鄙な集落出身デス。
えっと、ハマーラール地方のどこかの山の奥にありマス。
歳は二十三。まだまだ新参デ、言葉も勉強チューなのでお手柔らかに。
【名瀬】
では続いてワタクシが。
師の水妹より名を賜りました、名瀬と申します。
語り部の前には旅芸人をしておりました故に見聞は広い方で御座います。
歳は二十五。手紙にも認めましたが、あまり酒には強くありません。ご了承を。
【茂木】
じゃあ次はオレで。
名は茂木です。師は亀八郎で…いや、まあ。聞いた事ない人は居ないですし、省きますね。
生まれはセッツ地方の南部。
色々あって今は語り部一本。帰る家は、…まあ一応ありますけど一度も帰った事はありません。
歳は二十六で、もうすぐ二十七になります。語りは、下手――、ですけど。仲良くしてください。
【船良】
じゃあ、最後は俺ですね〜。
船良と言います。魔法使い兼語り部やってます。紫狒々とは「友達」でして。こちらも交流を広めたいと思っていたのでこういう集まりは有難いです。
歳はー…、ふふ。いくつに見えます〜?
【名瀬】
二十代、前半辺り…、でしょうか。
【船良】
(意味深な笑みを浮かべて)
…、まあ。そんな所ですかね〜。
【紫狒々】
船良の歳はずっと秘密にされているのデス。良いデスけど。
あ、そうデシタ。名瀬殿っ
【名瀬】
はい、何でしょう。
【紫狒々】
紫狒々、たくさんお酒持ってきたんデス。
どれくらいの度数なら飲めマスカ?
【名瀬】
多少強いものも一杯ほどなら飲めますよ。ご配慮感謝致します。
【茂木】
船良さん、お酒は。
【船良】
ガンガンいけますよ〜。後、呼び捨てか茂木さんの呼びやすいように。この中では歳上ですし。
【茂木】
あー、じゃあ。船良、くん?
【船良】
はい〜。
茂木さんは何のお酒を?
【茂木】
師匠が好きで飲んでたやつを。
度数も強くないから名瀬さんも少しくらいなら飲めると思いますし。
【船良】
なるほど〜。こういう時だけは師匠が居ていいなって思いますよ。
【紫狒々】
あ、紫狒々もそれ思いマス。
【名瀬】
ワタクシも思います。師匠と離れ、独り立ちした後に気付きましたけれど。
連れ立って様々な街や里を語り歩いて参りました。ワタクシは旅芸人でしたから知った街もありました、寄った里もありました。
ですが違うので御座います。
【茂木】
ああ。それ何となく分かります。
オレも名前だけ知ってる街だったり、例えば王都であっても。
師匠が見ている景色も、知っている知識も。
オレとは全然違って。
【紫狒々】
独学の紫狒々からすれば、盗んでミロと機会を与えてくれる存在が傍に居るのはすごく幸せな事だと思いマス。
【船良】
俺からすると皆さん凄いですけどね〜。
【名瀬】
船良殿も独学では? それとも何方かがお師匠様でいらっしゃるのですか?
【船良】
まぁ、師匠って訳じゃなく語り部をよぉく知ってる「知り合い」が居ちゃったりするので。
少しだけ知識を貰ったりもしましたよ。
【茂木】
へえ。…あ、ところで船良くんは何のお酒を持ってきたんですか。
【船良】
紫狒々がお酒をたくさん持っていくと言ってたんで俺はおツマミを。ちょっと伝手を頼って珍しいものもありますよ〜。
【名瀬】
酒には弱くとも、ツマミは助かります。…しかしそうですね、飲み交わす前に話題を喋り尽くしてしまうのは勿体ないですからワタクシから披露しましょう。
千年続く酒蔵、栗透の八代目より彼岸を。
【茂木】
あれ? 彼岸なんて名瀬さん、一滴も飲めないんじゃ…相当強いヤツですよ。
【名瀬】
こちらはワタクシ用と言うより皆様用に。
今回の集まりを提案したにも関わらず、酒が少ししか飲めぬなどと巫山戯たワタクシにも寛大な皆様へ、感謝の意を込めて。
【紫狒々】
気にしなくて良いんデスよ。
寧ろ自分の力量を分かってる名瀬殿は素敵デス。
【名瀬】
………っ!
こ、こちらは酒のアテに…、ヒカリ宿の煮っころ芋です…。
【船良】
アレ? 名瀬さん、照れてます?
【名瀬】
て、照れてなどおりませんっ! 見間違いです!
【船良】
ふふ〜ん、まあ。そういう事にしておきましょうか〜。
そんじゃあ、今度は二番手に。
若闘魚の干物とボラーフのチーズ焼き、後はカリ豆の塩茹でです。
【茂木】
せ、船良くん? 若闘魚って、マジ?
【船良】
大マジですよ〜。あ、これが伝手の頼りってヤツです。思ったより大物くれてこっちがビビってますよ。
【茂木】
いやいやいやいやっ! ビビるなんてもんじゃ無いですよ、これ! オレら全員分の一ヶ月の稼ぎ合わせても買えるかどうか…。
【名瀬】
確か闘魚自体が闘い続けて勝ち残ったレア物で、味は落ちますが高価なものだったと記憶しています。
そもそもあういう賭け事には興味がありませんから、あまり知りませんけれど。
【紫狒々】
船良はまた世間知らずさんデスか?
若闘魚は闘魚の中でも一際気性が荒くて、交配用のメスすら噛み殺してしまうノデ、あまり賭け事には出てこないんデスよ。
だからコソストレスのない味の良いものなんデス。
【船良】
(小声で)
……千輪謀ったな…。
そうなんですか〜? 俺あんまり酒のツマミとか知らなくて。勉強になります〜。
【茂木】
まあ。高級なものを味わえるなら有難い限りですよ。次はオレ、いかせてもらいます。
酒は師匠の十八番。メラン酒です。甘い味わいですけど度数はそこまでありません。
【名瀬】
…! 亀八郎は酒に弱いんですか!
【茂木】
…え、いえ。ああ見えてオレより飲みますよ。度数のきっついお酒なんかも水みたいに飲んでたり。
ただ、メラン酒は「思い出の味」らしくて。割といつも持ち歩いてますよ。
【名瀬】
なるほど…。
【茂木】
…あはは…。何がどうしてこんな風になってしまったのかは聞かないようにしますね…。
あ、こちらは森狼の干し肉です。
【紫狒々】
シンロウ…? ああ、アンデッドウルフデスか?
【船良】
アンデッド…ああ、光魔法当てれば即死のアンデッド系ですね〜。初心者向けだって冒険者のクエストでもよく見るヤツです。アレって食べれたんですね〜。
【茂木】
そう言えば船良くんって魔法使いなんですよね? 何の魔法が得意なんですか?
【船良】
基本的に全般使えますよ。
魔法学園に通っていたので。ああ、でも。癒し系統の魔法はちょっと苦手です。
【名瀬】
魔法付与などは出来ますか?
ワタクシのレイピア、魔法石を填め込む窪みがあるのですが、兄が使っていた時から何も填め込まれておらずにいたものですから。少々興味が御座います。
【船良】
大抵の魔法付与は出来ますけど〜、…タダじゃ、ちょっとね。
【名瀬】
勿論無償などと馬鹿な依頼は致しません。それなりの対価は払います。
【船良】
なら、こちらからの言い値でも?
【名瀬】
…信頼はしています。
【船良】
やあ、嬉しい。
それじゃあ後で対価決めときます。
紫狒々、酒を綺麗に並べるのは後でいいから披露して。
【紫狒々】
アイ。
まずは我が集落の自慢酒、レフライ。これは強めなので名瀬殿はお控え下サイ。
次に無銘のハネ酒。何のアテにも合うノデ、ご賞味あれデス。
最後に柿酒デス。これはそのままでは甘ったるくて飲めないノデ、水で割って飲んでくだサイ。
【名瀬】
本当にたくさん持ってきてくださったのですね。
【紫狒々】
誰かに合うお酒を選ぶのはとっても楽しかったデス。
【船良】
それじゃあ…、乾杯の音頭でもとりましょうか。…茂木さん、お願いします。
【茂木】
え゛っ、オ、オレですかっ?
【名瀬】
確かにこの中では一番歳上ですから妥当ですね。お願い申し上げます。
【茂木】
えっと…それじゃあ。
酒器を掲げて…
魔法師の船良、細剣の名瀬、陽天の紫狒々、修行の茂木…と、こんな感じ…ですかね。
【紫狒々】
…、紫狒々が陽天の民だと知っていたんデス?
【茂木】
一応勉強はしましたから。…えっと、言っちゃいけませんでした?
【紫狒々】
イイエ! とっても嬉しいデス!
【船良】
ところで茂木さんはどうして「修行」なんです〜?
【茂木】
あー…いや、まだ自分の味が分からないので…師匠に課題を出されている今は「修行」がいいかなと。
【名瀬】
細剣ですか。レイピアをアズマの言葉に直したものですね。とても気に入りました。
【茂木】
良かったです。名瀬さんにはそのレイピアがとても似合ってますから。
では、乾杯!
(↓同じタイミングで。揃えなくて大丈夫)
【船良】
乾杯〜
【名瀬】
か、乾杯です…!
【紫狒々】
カンパ〜イ!
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部紫狒々〜扇子編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/24/
語り部茂木〜鉢合わせ編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/30/
語り部船良〜使い魔編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/45/
語り部名瀬〜悪魔編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/55/




