★【めろんとぱあず】
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♂2︰♀1︰不問1
亀八郎 ♂ セリフ数:12
桃道 ♀ セリフ数:11
麒麟 ♂ セリフ数:13
瞳鏃 不問 セリフ数:11
[あらすじ]《5分半程度》
語り追すら知らぬ語り部達の宴。彼らしか知らない辺境のどこかで。酒のアテを持ち寄って、今日も楽しげな声を響かせている―――。
【桃道】
あっ、遅い。亀八郎!
【瞳鏃】
もうみんな集まってるよ。
【亀八郎】
………………。
【瞳鏃】
何その顔。ボクに会えて嬉しいの?
【亀八郎】
アンタが嘘にまみれてないと気持ち悪いでやすね。
【桃道】
ホンマやね、有名んなる前の瞳鏃みたいやわ。
【瞳鏃】
宴では嘘は吐けない、約束だしね。…んで、お前はさっきから何を調べてるの。
【麒麟】
あァ? 例の。
どうせお前は真偽確かめに来たんだろ。『第二の咲鳥』が酒を飲むためだけに宴に来るとは思えねェ。
【亀八郎】
ま、あっしの調べた限りではどっぷりとクロでやしたけど。その筋に見てもらった方が信憑性も高いでやしょう。
【麒麟】
相変わらず『すだっこい』生き方しやがる。
【桃道】
…? 麒麟、それ方言?
【麒麟】
……、………忘れろ。
【亀八郎】
東のモーラ地方でよく耳にしやすね、『すらっこ』やら『すだらんと』やら。
【瞳鏃】
うわあ…亀八郎悪い顔してる。
麒麟って普通に共通通貨使ってるとこ生まれだよね?
【麒麟】
…育ての親がド田舎の頑固ジジイだったンだよ。変に移っちまって今更直せねェ。意識しなけりゃ恥晒しだ。
【桃道】
ええやないの。麒麟のこと好きや言うてる娘さんらは『ぎゃっぷ』や言うて喜ぶえ?
【麒麟】
それがヤなんだっての。
つーか、四十路のオッサンにキャーキャー色めき立ってるヤツらの気が知れねェ。
【亀八郎】
物好きはどこにでも居るもんでやすよ。
(場の空気を張り詰めさせて)
…んで? あっしは平和な空気吸いに来たんじゃないですよ。
【瞳鏃】
さっき言ってたやつ?
ボクも調べてみたけど。なんて事ない、名も売れてない中堅が馬鹿言ったってだけだった。
【麒麟】
『馬鹿言った』ってだけで済めばいいけどなァ。残念だが手遅れだな。
【桃道】
アタシら、有名どころにもその噂が届いてしもた。実際は噂やなかったけど、でも真偽も分からん、タチの悪い『希望』。
あの人らは?
【亀八郎】
もう動いてやすよ。
紳吽ですら姿が見えやせん。
あの弟子馬鹿達が大暴れする前にあっしらもどうにかしねぇといけやせんね。
【麒麟】
寄りにもよって馬鹿な『嘘』つく奴が居たもんだ。
“鹿華を見た”なんてなァ。
【瞳鏃】
ボクの方も一応連絡してみたけど。
誰からも。…ああ、枢馗からは暫く連絡出来ないって返事が来たかな。
【桃道】
ほんっま…阿呆な事してくれたわ。
語り部の中で一番刺激したらあかんとこを…。
…でさ、聞きたないんやけど…、華倖と鹿嬭は?
【亀八郎】
……………。
【麒麟】
……………。
【瞳鏃】
……………まぁ、そういう事かな。
桃道だって分かってるくせに。
【桃道】
うあぁぁ……、二度とあんな地獄見たないと思うてたんにぃ…。
【麒麟】
まっ、出た嘘は元には戻らねェ。
『魔法』でも無ェ限りな。
(ダン、と酒瓶を置いて)
っと、そうだ。忘れてた。
【亀八郎】
何でやす、これまた高い酒ですね。
浄泉酒。さすが元傭兵は金遣いが違えやっ!
……で?
酒でも飲んで忘れろって?
【麒麟】
そうは言ってねェよ。
ただ宴は愚痴だけじゃ咲かねェぞってこった。
【瞳鏃】
何が酒だ、すぐ酔う癖に。
お前は悪酔いした時が一番メンドーなんだからね。
ボクはこれ。彼岸。わざわざ六代目から買ってきた。
【桃道】
ふふ、そういうとこは師匠に似んかったね。じゃあアタシはこれ。ハネ酒。度は緩いし割と何のアテにも合うんよ。
【亀八郎】
へーへー、皆さん揃いも揃って良い酒持ってきやすね。
あっしはこれです。ドド梅の浸かり酒。「知り合い」が勝手に押し付けてきたんで消費に持ってきやした。
【瞳鏃】
それ“先輩”でしょ。
【麒麟】
ああ、そういやお前……。はっ、可愛がられてんなァ。
【亀八郎】
っるせぇ。“あんなの”に可愛がられてるなんて世間様に知られてみろィ。あっしは語り部やめやすよ。
【瞳鏃】
そんな事になったら語り部は益々衰退するね。
…鶴比佐の音は有名どころでなくとも知ってる。それに対する『亀』の音を世間が疑問に思おうともしなかったのは……ま、野暮ってもんか。
【亀八郎】
何なんでやすか、さっきから。
あっしは揖斐られる為にココに来たんじゃねぇんですよ。
【桃道】
ほんなら、そろそろ始めまひょか。
アテの出し合いは後にして、酒でも入れんとやってられんもんね。
じゃあ、麒麟。頼んだえ。
【麒麟】
あ? ンでオレだよ。
【桃道】
一番年上がやるもんやろ。
こん中で四十路はアンタだけやし。
【麒麟】
まだ三十九だわ。…まァいいけどよォ。
んじゃ。酒器取れよォ。
大剣の麒麟に、親身の桃道、嘘吐きの瞳鏃に、天職の亀八郎。
面倒事は嫌いだが、語り部の馬鹿は語り部で片さなきゃならねェかンな…。
まっ、愚痴零しはこの後で。
杯を掲げろ、…乾杯っ。
(↓同じタイミングで。揃えなくて大丈夫)
【亀八郎】
(疲れた様子で)
乾杯…。
【桃道】
乾杯〜!
【瞳鏃】
かんぱぁい。
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部亀八郎〜生い立ち編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/9/
語り部桃道〜木霊編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/19/
語り部麒麟〜遭遇編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/39/
語り部瞳鏃〜与太郎編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/40/




