【パステルカラーのスカート】
台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。
『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。
※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。
♂0︰♀2︰不問2
少女 ♀ セリフ数:8
少女の母 ♀ セリフ数:2
悪魔 不問 セリフ数:6
ナレーション 不問 セリフ数:9
[あらすじ]《3分半程度》
お気に入りのスカートが破けてしまっている事に気付いた少女は母親に直してもらおうとするが、それをとある声が引き止めて――。
【ナレーション】
これはとある少女と、ちょっと馴れ馴れしい悪魔のお話。
【少女】
どうしよう、このスカート気に入ってたのに破れちゃってる…。お母さん、直してくれるかな?
【悪魔】
やあやあ、お嬢さん! 困ってるみたいだね!
【ナレーション】
少女は、突然部屋に響いた声に驚いて、スカートを持ったまま硬直する。
バッと振り返った少女は、目に飛び込んできた侵入者に、スカートを持つ手が震えた。
【少女】
だ、誰!? どうやって入って……っ!? う、浮いてるの!?
【悪魔】
ボクちんは悪魔だから! …にしても驚き過ぎじゃない? 今時ファンタジーな存在なんて珍しくもないでしょ?
【ナレーション】
けらけらと笑いながら言う悪魔に、少女は怯えながらも、少し窺うように彼…、いや彼女かもしれない性別不明のそれを見た。
【少女】
悪魔が何の用?
【悪魔】
そのスカート、破れちゃったんでしょ? 直してあげようか?
【ナレーション】
床に落ちたスカートを指差しながら、プカプカと宙に浮かぶ悪魔は、またもやけらけらと笑った。
少女はぎこちない動きでスカートを拾い上げる。ピンク色の可愛いスカートだが、裾の部分が破れてしまっていた。
【少女】
いいもん、お母さんに直してもらうから。
【悪魔】
つれないなぁ。僕に掛かればちょちょいのちょいだよ? 縫い針でお母さんが怪我しちゃうこともないよ? ほら、貸してみ?
【少女】
本当に?
【ナレーション】
馴れ馴れしい悪魔に、段々と少女の警戒心が解かれていく。そっとスカートを悪魔の方に差し出した。
【悪魔】
うん、確かに受け取ったよ。
じゃあ行くよ、ちちんぷいぷい、開けぇごま! ……なんつって。
【ナレーション】
スカートを持ちながら呪文らしきものを唱える悪魔。ふわりとスカートが光に包まれて少女の手に戻った。
【少女】
え、これ・・・
【悪魔】
どう? 可愛くなったでしょ?
それじゃあボクちんはこの辺で!
【ナレーション】
ピンク色のスカートはパステルカラーのスカートに変わっていた。少女がそれに文句を言う前に悪魔はパッと部屋から消えてしまう。
少女は困ったようにスカートを見て広げてみせる。
【少女】
私、こんな趣味じゃないんだけど。……あれ?
【少女の母】
何してるの、早く出掛けるわよー!
【ナレーション】
一階から少女の母の声がする。
少女はどうにでもなれと思いながらパジャマを脱いでスカートを履いた。
そうして一階に降りると母親が不思議そうな顔をした。
【少女の母】
あら、貴方。そんなスカート持ってた?
【少女】
貰ったの。“可愛い”でしょ?
【ナレーション】
少し笑った少女とあらそう? と納得した母親。
少女の履くスカートの裾には、ウサギのアップリケが付いていたのだった。
STORY END.