★【いちごふろおらいと】
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♂3:♀1:不問0
羽弥芝 ♀ セリフ数:15
鹿華 ♂ セリフ数:15
将戡 ♂ セリフ数:14
蟻蝉 ♂ セリフ数:15
[あらすじ]《6分半程度》
語り追すら知らぬ語り部達の宴。彼らしか知らない辺境のどこかで。酒のアテを持ち寄って、今日も楽しげな声を響かせている―――。
【鹿華】
おっ、やってるなぁ!
【羽弥芝】
鹿華、遅いー! もうみんな揃ってるよぅ!
【鹿華】
悪ぃ、悪ぃ! さっきそこで千輪殿に会ってな。話し込んでたっ。
【蟻蝉】
千輪殿もこっち来りゃあ良かったのに。
【将戡】
小生が居るからねえ。来づらいだろうさ。
【羽弥芝】
なになに、まだ喧嘩してるの? 早く仲直りしなよ? 千輪と飲むのもすっごく楽しいんだから!
【将戡】
喧嘩じゃあないよ。ただ、大人には色々あるもんでねえ。
【羽弥芝】
……。千輪も将戡も『気にしてない』っていうんなら気にしなきゃいいのに。
【蟻蝉】
能天気かよ、羽弥芝。
察してやれってェ。大人ってのは簡単に謝れねェし泣けねェもんだからよォ。
【鹿華】
まぁ、羽弥芝らしいっつったららしいわな。…ところで、弟子取るとか言ってなかったか、蟻蝉。
【蟻蝉】
あん? …あぁ、あれやめたッ! やめたっつーか、死んじまったから出来なくなった! 表向き病死ってのになってっが、残念ながら暗殺ってやつだなァ。
【羽弥芝】
うぇぇ〜、何で蟻蝉の弟子になろうとする子ってそういう事になっちゃうの? 前もそうじゃなかった?
【蟻蝉】
前のは自害だぜ。未遂だけどな。
【将戡】
良い腕の呪術師を知っているんだけど紹介しようかねえ。
【蟻蝉】
将戡の紹介? うェェ、ますます悪化しそう…、却下ッ!
【鹿華】
呪いっていう自覚はあんだな…。
まぁいいや、いつか自分が刺されねぇようにしろよ。助けねぇからな。
おっとそうだ、忘れてた。
ほい、これっ。柳の酒と闘魚の干物。
【羽弥芝】
うわぁ〜〜〜! 闘魚だ〜! しかもこれ若闘魚! え、あれっ。鹿華ってば砂漠地帯から来たんじゃないっけ!?
【鹿華】
いやあ。有名な語り部ってのは役得だよなぁ。
【将戡】
なるほど、宴の事は隠して肴の話でもしたかい。
【蟻蝉】
狡ィよなァ。有名どころってのは。
どうせ『いつか語りのネタにするかも』なァんて言ったんだろォ? “あの”鹿華の語りのネタになれるッてんなら喜んで一押しを捧げるわなァ…。
【羽弥芝】
えぇ、狡い〜〜〜! 私もお話すれば良かったぁぁ。
あ、私はこれね。紅血酒とトッコの砂肝。『友達』に貰ったから味は保証しようっ!
【鹿華】
狡いとかどの口が言ってんだ。トッコ譲ってくれるとか…ホントどの筋の『友達』だよ。
【将戡】
君の『友達』らには本当、敬服するねえ。どうしたらそんな風に信頼されるんだか。
【蟻蝉】
そう言う俺っち達だって羽弥芝に“お願い”されちまったら無下に断る事ァ無いだろ?
【鹿華】
ま、確かにぃ。
【羽弥芝】
ん〜〜? お友達になろー! って言ったらみんなイイよー! って言ってくれるよぅ?
【将戡】
それが『凄い』って話なんだけどねえ。
まあいいけれど。
小生は最後で構わないよ。
【蟻蝉】
おッ、自信ありげだなァ。
ンじゃあ、俺っちなッ!
繭酒と餅酒と割る用の水もあンぜ。あとはー…、っと。あったあった。
海の怪物の足の素揚げ。
【鹿華】
おい待て待て待て待てっ。
何だって? 海の怪物!?
【将戡】
……どの伝手だい?
【羽弥芝】
こうして見ると普通の烏賊と変わんないね。
【蟻蝉】
丁度こっちに来る途中でなァ。酒のアテが無ェから港町にでも寄って買ってこうかと思ったんだ。
そうしたらそこで売ってたから怖いもの見たさで買ってきちまったッ!
【将戡】
……、まあ、売り物になっていたなら毒抜きはしていると思うけれどねえ。気を付けなさいな、蟻蝉…。魔物の身は人間の舌に合わないものが多いからねえ。
【蟻蝉】
試食したけど美味かったぜ?
【将戡】
そういう事じゃあないんだよねえ。
まあ、見た限り大丈夫そ―――、羽弥芝。
【羽弥芝】
ふぇ? 何?
【鹿華】
警戒心がゼロなんか?
もごもごすんな、そこまでいったんなら飲み込め。
【羽弥芝】
(口いっぱいに入ったツマミを酒で流し込んで)
んんんっ、んくっ、プハッ!
コリコリしてて美味しいよ!
【鹿華】
はぁ…、まあ。食えるならいいか。
ったく、かなりビビるからやめろ…。
【蟻蝉】
アハハっ! 何年語り部やってっと思ってんだ。明らかに怪しそうなのは持ってこねェよ!
【鹿華】
(蟻蝉の方を指差して)
ぶん殴っていいか。
【将戡】
叩いた所でこの子はもう直らないよ。さあて、最後は小生だねえ。
アテは千代仙の豆と炙ったスソの干物。味付けは醤油だねえ。
そして酒は…、これだねえ。
【羽弥芝】
あっ!
【鹿華】
自分を最後にしたのは酒のせいか。
【蟻蝉】
確かにコレ出された後にゃあ何出しても霞む気がすんなァ。
【将戡】
今日は久々の宴と久々の顔触れだからねえ。奮発してしまったよ。
【羽弥芝】
呪い酒! ふわぁぁ〜〜! 嬉し〜〜〜!
【鹿華】
さァて。酒と肴は出揃った。それぞれ酒器を出せっ!
【羽弥芝】
は〜〜〜い!
【蟻蝉】
ほらよッ!
【将戡】
お楽しみはここからだねえ。
【鹿華】
今日の宴にゃあ、親愛の羽弥芝、嘘好きの蟻蝉、早斬りの将戡、ンでもって伝説の鹿華!
【蟻蝉】
自分で伝説言うのかよォ〜!
【羽弥芝】
前置き長い〜! 早くぅ!
【将戡】
ほうら、我儘達が騒ぎ出したねえ。
【鹿華】
あー…はいはい、分かった分かった!
それじゃあ、それぞれ杯を翳してっ!
乾杯!
(↓同じタイミングで。揃えなくても大丈夫)
【羽弥芝】
かんぱぁぁい!
【将戡】
乾杯。
【蟻蝉】
乾杯だぁッ!
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部羽弥芝〜落馬編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/42/
語り部鹿華〜猫万以々々編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/78/
語り部将戡〜花屋編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/53/
語り部蟻蝉〜偽物編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/58/