【童話異種恋愛】
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♂2:♀2:不問0
クールたぬき ♂ セリフ数:13
冷静うさぎ ♀ セリフ数:11
可愛らしい赤ずきん ♀ セリフ数:13
不憫なオオカミ ♂ セリフ数:12
[あらすじ]《5分半程度》
何やら山の奥で話し合う可愛らしい塊が。聞いてみるとメタ発言の目立つ会話ですが、どうやら出会いがないと嘆いているようです――。
【冷静うさぎ】
たぬきくん、燃えてくれる気は?
【クールたぬき】
無いな。今後も燃える予定は無い。
【冷静うさぎ】
では、ワタシがお世話になった老夫婦を結構エグい感じで殺す予定は?
【クールたぬき】
とても具体的な予定確認ありがとう。だけどオレも世話になった事あるから、その予定も無い。
【可愛らしい赤ずきん】
オオカミさんはアタシを食べるよてー?
【不憫なオオカミ】
イヤ、人肉はちょっと…
【可愛らしい赤ずきん】
じゃあ、アタシのおばあ様を食べるよてー?
【不憫なオオカミ】
赤ずきん? 話聞いてた?
人肉は嫌だって言ってるよね?
【冷静うさぎ】
というか、うさぎに生まれたからって、別にたぬきを燃やすのが宿命ってわけじゃないんだけど。
【可愛らしい赤ずきん】
アタシ、赤ずきん脱ぐと誰にも認知してもらえないの悲しー。
【クールたぬき】
そもそも『ぶんぷくちゃがま』の候補に入れないって言われた時から、嫌な予感はしてたんだけどな。
【不憫なオオカミ】
どうせなら『三匹の子ぶた』でワンチャン狙いたかったよ…。…なのに、俺…人肉だよ? 人肉。人かブタかって聞かれたら、ブタの方がいいでしょうや。
【冷静うさぎ】
ワタシ、『かぐや姫』の候補だったのに。
月からかぐや姫迎えに行くだけ。なんて簡単な仕事なの。
【可愛らしい赤ずきん】
みんないいな。アタシは生まれた時から赤ずきんで、頭巾を被ってないと赤ずきんじゃないとか言われるのにー。
【クールたぬき】
待て。オレってあの老夫婦殺す事になってんだな? えーと、婆を殺して、その肉で料理を作って、婆に化けて爺を待つ。爺に婆の肉の汁物を食わせ……俺エグいな…
【冷静うさぎ】
それでワタシが貴方の背中を燃やして、その火傷に追い討ちかけて、そんで泥の船で溺死させる…。……貴方泳ぐのとっっても上手なのよね…。
【不憫なオオカミ】
何その童話。怖すぎない? どう考えたって子供に読ませる話じゃないでしょ。
【可愛らしい赤ずきん】
でも君だって頑張らなくちゃだよー?
アタシとおばあ様を丸呑みして、寝ている間にお腹を開いて縫われるんだからー。
【不憫なオオカミ】
待って待って待って?
人を丸呑み出来るほど口デカくないんだけど。つーか、何。縫われるって。
自然睡眠で腹をかっ開いて縫うって何? 猟師の腕がプロ並みじゃない?
【冷静うさぎ】
そもそもワタシ達の童話って恋愛出来なくない? っていうか出会いが無さすぎない?
【可愛らしい赤ずきん】
分かるー。村の子供たちにアタックしたいけど大抵の子供たち、話しかけるとパンとか果物くれるのー。
アタシ、貧民になった覚えとかなーい。
【クールたぬき】
この童話に入ってからも悪さなんぞ一度もした事ないってのに、山で何か起こるとオレのせいになるから、誰も近寄ってきちゃあくれないしな。
【不憫なオオカミ】
聞いて驚いて。森にオオカミ、俺だけなんだけど。
【可愛らしい赤ずきん】
さすがに同情するー。
【クールたぬき】
何それ寂しい。
【冷静うさぎ】
だからおばあ様を食べたのね。
【可愛らしい赤ずきん】
え、うそ…まさかの枯れ専?
【不憫なオオカミ】
同情からの流れで変な印象つけないでくれる!? 違うから!
【クールたぬき】
出会いが無さすぎなんだ…。
というかオレ、婆に化けられる力あんなら人間に化けて、人間の娘でも娶ればいいんじゃないか?
【冷静うさぎ】
この山に住んでるのあの老夫婦だけ。
【クールたぬき】
終わった……。
【不憫なオオカミ】
諦めんなよ…俺だって何年も探し回った結果、森にオオカミが自分だけだって気付いたけど、何とか異種恋愛にこじつけようとしてる。
【可愛らしい赤ずきん】
枯れ専だから難しいねー。
【不憫なオオカミ】
だっかっらっ! 違うつってんでしょーが。俺はどっちかってぇと…赤ずきんみたいな若い方が…
【クールたぬき】
え、ロリコン?
【冷静うさぎ】
赤ずきん幾つだと思ってるの。
【可愛らしい赤ずきん】
精神年齢は多分ー、38歳くらいだけどぉ、童話の中じゃ歳取らないから9歳くらいかなー。
【不憫なオオカミ】
流れるように謂れもない性癖突き付けないでくれる!? そういう事じゃなくてさ。適齢期の異種となら恋愛出来るんじゃね? って事。
【クールたぬき】
そうだな、オレだって数ヶ月で群れから追い出されているから、今更同種恋愛は出来ない。
【可愛らしい赤ずきん】
アタシもー。だってみんな歳取らないから9歳とかそこらの子供から旦那選べとか無理ゲーではー?
【冷静うさぎ】
ワタシも冷静に考えてみたけれど、あまりに知り合い居なさすぎじゃない? こんな事なら作ってくれるご飯が美味しいからって、老夫婦の所に入り浸らなきゃ良かったわ。
【クールたぬき】
オレが行くと必ず飯食ってたのは、そういう理由だったのか。
【可愛らしい赤ずきん】
というかー、隙あらばお母様がおばあ様に見舞い品を届けようとさせてくるのやめて欲しいー。
オオカミが送り届けてくれるから、楽でいいけどー。あんな薄暗い森に娘をおつかいへ行かせるとかー、鬼畜の所業ー
【クールたぬき】
はあ、どうにか平和的な解決は無いものか…
【不憫なオオカミ】
というか俺達が付き合っちゃえばよくね?
【冷静うさぎ】
は? この寡黙で、余所見してるとヒトのおかず取ってくるようなたぬきと?
【クールたぬき】
こっちのセリフだ、山の木に蓄えてた木の実を全部食ったのお前だろう。
森の動物達にはクールで優しいうさぎとか言われるのに、中身はただの大食らいうさぎじゃないか。
【可愛らしい赤ずきん】
オオカミはちょっとなー。人間がいいでーす。だって冬は暖かくていいかもだけど、夏は勘弁ー。
【不憫なオオカミ】
ちょっと提案してみただけなのに…おいそこケンカするな。赤ずきんはもうちょっと否定する理由探そうか!? 毛の問題なの!?
……はあーあ。恋愛っての、してみたいなぁ。
STORY END.




