〜勇気の魔法〜(勇魔)。
次の日学校に来たリスは驚いた。
そこには、昨日の夜にリスを犯そうとした男5人が転校してきていた。
「え・・・・。
いや・・・嘘でしょ?」
すると男は先生にすました顔で得意そうに喋りかけた。
「先生!俺ら、リスと知り合いだから、席近くにしてくれない!?」
「な、何言ってるの!?
先生、私そんな人達知りません。」
その後、先生は話をかたずけてリスの席の近くに5人を座らせた。
「よろしくね・・・リスチャン。」
ずっとリスは怖くてうごけなかった。
そのまましばらくして、休み時間になった。
チャイムが鳴るのと同時にせいじとイクトがリスのクラスに入ってきた。
「おい!あんたらなんのつもりだよ!?
昨日、またリスを犯そうとしたら俺があんたらを殺すって言ったよな!?」
5人の中の1が言った。
「さぁ?なんのことか俺らさっぱり分かんねぇなぁ?」
「テメェら!!」
イクトが殴りかかろうとした瞬間、リスがそれを止めた。
「イクト・・・やめて。大丈夫、大丈夫だから、手をだしちゃ駄目だよ・・・。」
「何言ってんだよリス!
こいつらは、きっとまたリスを!!」
「いいから!手を出さないで!!」
「ははは!!
女が言った事だけでやめるなんて、かっこわる。」
「違う!リスは特別なんだ!」
「特別ぅ?お前バカなんだな。
人間に特別も何もねぇよ!人間は変わらねぇ、ただの『人』なんだよ!」
言いかえそうとしたイクトの前に突然、せいじが出てきた。
「リスちゃんは違うよ。普通の人間とわ・・・お前らともぜんぜん違う!」
「かっこばっかりつけて、調子に乗んなよテメェら!
俺らがもし、リスチャンを犯してあげたとしたら、同じような態度はとれるかな?」
その時、リスは怯えながら、驚いた。
「い、いや・・・。」
「テメェらいい加減にしろよ!」
イクトがまた殴りかかろうとした瞬間、男の一人が笑いながらイクトにむかってこう言った。
「女との約束も守れないのかよ。
手・を・出・す・な、だったよなぁ?」
「おい、リス!なんで手を出しちゃ駄目なんだよ!?」
「そんなことしたら、イクト、学校やめなきゃいけなくなるし・・・こんな人達のためにイクトが手を出す意味ないよ!」
「リス・・・。」
「私、そんなの嫌だよ・・・。
それに、まだイクトとせいじに私の魔法にかかってほしいからさ・・・。」
泣きそうになりながら、リスは笑った。
「仲良しごっこかよ?!むしずがはしるな!俺らがリスチャンをめちゃくちゃにしてやるよ!!」
「そんなこと、させねぇ。
何があっても手は出さねぇ。
でもなぁ、俺らが守んだよ!リスを!」
「何言ってんだよ!?テメェらなんかに女が守れるかよ!?」
「守れるかどうかじゃない。何があっても守るんだよ!」
イクトの発言に、リスは泣きそうになった。
「守って・・・ほしいよ・・・。
守ってほしいよ!!
イクトとせいじに守ってほしい!」
イクトはゆっくりリスを抱き寄せた。
「俺とせいじがお前を守るから、何があっても守るから!!
だから・・・・、だから笑って、まだまだ俺らに魔法かけてくれよ。」
そこに、またリーダーのような男が割って入ってきた。
「お前ら見てるとムカつくんだよ!!
仲良しごっこもここまでくるとキモイな。」
リスは怖がりながらも言い返した。
「なんで貴方達はそこまで私達につきまとうの!?もういい加減にしてよ!!」
「なんでつきまとうか?
そんなの決まってるじゃん。
リスチャンを犯してみたいから。」
「だから、リスは俺らが守るって言っただろ!」
「そんなのお前らにできるわけないだろ!
なにが魔法だよ!なにが笑顔だよ!
笑わせるんじゃねぇ!」
その時、リスは少しキレながら言った。
「笑いたきゃ、笑えばいいじゃない。」
「なっ、なんだと!?お前、あんま調子乗んなよ!!」
《がきぃぃぃぃ》
ほほにパンチがおもいきり当たった音が響き、床に転がり、机に当たる音も響いた。