思い込みの運命。
私は魔法にかかったように、頭にせいじが残っていた。
今の私の中で、恋とは魔法なのだ。【魔法の恋】略して魔恋。
私は魔恋にかかってしまった。
心の中できゃいきゃい言ってたらすぐに放課後になった。
「リース!」
「えっ、イクトだけ?!」
「そーだけどー。」
「せいじは?」
「せいじは今日、急ぎの用ができたからって帰った。」
「そーなんだ・・・、じゃあ帰る。」
私が帰ろうとした瞬間。
「ダーメだよ。」
イクトがにっこり笑って私の手をつかんだ。
「今からリスは俺だけのリスだから。」
「はっ?何言ってんの?」
「リス、どっか行きたいところとかないの?」
「別にない。」
私は少し、キレぎみに言った。
すると突然、
「イクトー!リスちゃーん!」
せいじが走ってきた。
「あれっ、せいじ、もう用事終わったのかよー。せっかくこれからリスと二人きりのチャンスだったのにー。」
「なにいってんのよ!」
「あはは、じゃあどこ行く?」
「やっぱ、喫茶店だろー!
だよなっ?リース!」
「喫茶店・・・いいよ。ちょうど今あつかったんだよね。じゃあ行こっ、せいじ。」
「俺を忘れるなよー!」
そして三人で喫茶店に入った。
「じゃあ、あらためて、せいじ、メアド交換しよう。あと電話番号も。」
「俺ならいーよー!リース!」
「だから私はイクトじゃなくて、せいじに聞いてるの!」
「まぁまぁ、三人皆でこうかんしよう。ねっ、イクト、ねっ、リスちゃん。」
「俺は賛成だな。リスは?」
「しょうがない、賛成するわ。」
そして、三人でメアド交換をした。
《ピッ》
「あれっ?リス、メアドに魔法って言葉入ってる。」
「イクトも、魔法って言葉入ってるわね。」
「俺ら運命じゃね?」
「なーにバカ言ってんのよ。あんたに運命感じるわけないでしょ。」
「俺はリスが彼女でもかまわねーぜ。」
すごくニコニコしているイクトにリスは言った。
「私が嫌なの!あんたなんか、誰が彼氏にするか。」
その時、
「やばっ、もう我慢できな・・・ぷ、ははははは!」
「えっ?!せいじ、いきなりどうしたのよ?」
「だってさ、二人見てると面白いからさ。」
「俺ら、運命共同体だから。」
すると、リスはイクトの頭をたたいた。
「あんたさぁ・・・何回言えば気がすむのよ!!!!」
ついにリスはキレた。
「運命なんてないのよ!ってか運命は私の中で魔法って意味!だから私にあんたとの魔法が、かかったとは思えないわ!」




