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第七話 ~護の事故~

4時限目が終わり昼休み。


俺はいつも屋上で昼飯を食っている。

そんな俺にあいつが喋りかけてきた。


「小僧、どうじゃ?現代の服は似合っとるかのう?着物じゃないと落ち着かんのじゃ。」


「シーファ。どうゆう事か説明しろ。」


俺は真面目な顔をして聞いた。


「今はかまわんが、人の前では詩織ちゃんと呼べ。それに(わし)がこんなかっこしてここにいるのは小僧を守る為じゃ。」


「守る?一体何から俺を守るってんだ?」


「何って、天使どもからに決まっておろう。小僧を仕留め損なったのだからすぐまた襲ってくるぞ。」


俺を仕留め損なった?何を言っているんだ。

俺は天使になんか襲われた事などない。


「わからん様子じゃから説明してやる。小僧の事故は仕組まれたんじゃ。天使どもはお前を自動車にひかせ、殺そうと企んだ。お前には少し変わった性質があるからの。それが天使どもには厄介なものなのじゃ。」


「厄介な性質?信仰心が無いとかか?」


「それもじゃが、良い機会じゃ。小僧に属性というものについて説明してやる。」


俺はすこしテンションが上がった。

属性なんてなんだかRPG的な感じのものが存在するなんて!

ゲームの属性といえば火、水、風、土、雷、光、闇。

一体俺は何属性なのだろう!個人的には雷属性が好きだ。俺は食い入るように話を聞いた。


「現代の人間達は純粋な『聖属性』じゃ。身を清め、心を清めた者は完全なる『聖属性』が体に付与される。

変わって小僧は神聖な場所にいるから身は清まっておるのだが、心が清められておらん。

だから体は『聖属性』、魂は『無属性』という中途半端な存在じゃ。」


これを聞いた俺のテンションは元に戻った。

好きな雷属性でもなく、なんかよく分からない属性で中途半端なんて。


「小僧の性質に気づいた天使達は、小僧が悪魔と接触する前に殺しておきたかったみたいじゃな。」


「いや待て、なんでそのくらいで殺さなきゃならないんだ。」


「めんどくさい話じゃが、『聖属性』を倒せるのは『聖属性』しかおらんのじゃ。

じゃから魂が『無属性』の小僧に悪魔が取り憑いたら、聖と邪を操る存在になってしまうから天使どもにとっては問題なのじゃ。

何しろ天使は完全な『聖属性』だからのう。」


これを聞いた俺は気づいた。

こいつ、に取り憑く気なのか、と。


「お前は俺に取り憑いて体を奪い、『聖属性』とやらを使って天使を倒し、更に人間を滅ぼしてこの世を支配する気だな!?」


俺の言葉を聞いたシーファは

大口をあけて笑った。


「はっはっはっはっは!小僧!前にも言うたが悪魔が【悪】だと決めつけるな。天使を倒すというのは合っているが、(わし)は人間の事は好きだから滅ぼしたりはせんぞ。

それに(わし)は、人間を喰らう天使どもが許せない。だから倒したいんじゃ。」


俺はシーファの言葉を信じてしまった。

なぜならシーファの眼は真っ直ぐで

とても嘘をついているような顔をしていない。純粋だと思えたからだ。


「と、とりあえずお前の話は信じてやる!でも天使がすぐまた俺を襲ってくるかなんてわからないだろ?」


「あほう。今朝すでに天使は小僧に接触しておる。ここの生徒に取り憑いてな。今でも小僧が1人になり、無防備になる隙を狙っておる。」


「今でもって、こんな所で俺を殺したら大問題になるぞ!?」


「こんなところでは殺さん。『裏側』に連れて行くつもりじゃ。じゃからあえて向こうの作戦に乗ることにする。小僧には1人で行動してもらう。」


「そんな事して『裏側』に連れてかれてすぐ殺されたらどうするんだよ!」


「安心しろ。(わし)もすぐに追いかける。」


そう言うとシーファは俺を1人にして去っていった。


この時の俺は天使との戦いを軽くみていた。

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