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異世界孔子伝 〜End Of The World?〜  作者: さいたまのそよかぜ
第2篇 修己治人 End Of The Worldの章
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子曰く 教えざる民を以て戦う、これこれを棄つと謂う。

 集合時刻になった。カトモンは集合場所へ向かう。



 あんな絶望を目の前で味わされたのだ、恐らく四天王は確定としてその他10人程度入れば御の字だろう。

 そう思っていたのだが。



「お前らっ……」


 集合場所の門には大量の人間がごった返していた。正確な数は分からないが恐らくあの集会に来ていたそのほとんどの人間が集まっていた。


「どうせ負けると知っていてどうして?」


 集まっていた奴らは口々に言う。


「どうせ滅ぶのなら戦ってから滅びたい」

「あの余裕綽々な髭ズラに一撃拳をぶつけてやりたいからな」

「王国に忠誠を誓った身だ、最後まで戦う所存」



 こいつらが逃げるんじゃないか、そう疑った自分が馬鹿だった。



 近くにいたズキュエイマーが話しかけてきた。


「おう、三分の遅刻だぞ。 何していた?」


「ワタリービと最後の調整をね、勝つ為の策をねっていた」


 当然カトモンは諦めていなかった。軍師として状況を把握しようとすればするほど分かる絶望的状況。だがそれでも自然と勝てる気がしてくるのだった。


「なるほど、だからワタリービも遅刻か」


「来てないやつは何人いるんだ?」


「えーっと確か八人だな、雑兵5人と顔回、八王子秀、そしてシロだ」


「シロはセンダガ山へ修行していると聞いている、遅刻するが来るだろう」


「センダガ山ァーーー、よくもまぁあんな所で修行出来るもんだな」


「俺にも分からんさ、だが」


「だが?」


 ズキュエイマーは不思議そうな顔をする。



「やはり、八王子秀は逃げたのか。 まあそれで良い、奴は異世界人。 この世界はこの世界だけで守り抜くさ」



 その発言が聞こえたのか、近くにいた闇斎もやってくる。


「おい俺を忘れるなよ」


「ああそうだったなすまない」




 そして作戦の説明が始まった。



「今回の作戦は主に二つの部隊に分かれて行う。 一つは壁上から投石機や弓矢で攻撃する部隊、もう一つは打って出て戦う部隊だ」


「恐らく外に出て戦う部隊は全滅する、それでもここに残ってくれた奴は皆その覚悟はあると思う」


 カトモンの説明に皆が頷く。



「さて、壁の外に出るやつだがハッキリ言って一定の戦闘力がある人間でないと立っていることすら出来ない、影に飲み込まれてお陀仏だ。 だからきちんと選別してきた」



 カトモンは表を取り出した。



壁外部隊


・カトモン

・ズキュエイマー

・ワタリービ

・レイジング

・シロ(遅刻)

・ラパパッチ

・カザン

・レンカ

・シンタム(逍遙遊騎士団次期団長)



「王様やカエデ嬢には残ってもらった、それにテトラやキョクボーら影の軍勢に攻撃手段がない奴も壁上だ。 あと闇斎の能力は壁上から固定砲台として運用する」


「ボクもあいつらには攻撃手段ないんだけど」


 カザンちゃんが質問する。


「君は素早いから作戦を決行する際の伝令になって欲しい、SBというポジションに任命する」



 作戦を説明し終わったあとカトモンは鎖のようなものを取り出す。


「壁外に出る人数分ある、これを付けてくれ。 矢よけの鎖、これを付けていると遠距離攻撃が当たりにくくなる」


「味方の誤射を防げるわけか」


「そういう事だ、壁上からはテトラがこちらと敵の様子を見て指示する」


 テトラは笑いながら言った。


「フハハ、ハハハハハ。 見せてやるよ、かつて王国に復讐するために生み出した百大禁術兵器、その全てを披露してやる」


 とそんな時、斥候の男が壁外から帰ってくる。


「敵の前衛部隊出現、その数100体」



「さて、それでは総員位置に付いてくれ」





 総員が配置についた。そして、敵の前衛と壁外に出たメンバーが接触する。



「始まったかい、ぶちかましてやるよ」


 レンカはそう叫ぶと二丁拳銃に弾を込め、影の巨人一体に発射する。


 弾は巨人に当たると思いきや当たる直前にて爆発した。


「いいねぇ、我が強盗団が誇る最強の弾、爆発弾。 敵にぶつかる前に直前で大爆発するんだが、本当に物理は効くみたいだね」


「ああ物理ダメージは1割程度にカットされるとはいえ効くみたいだ」


 ワタリービは答えながら敵の攻撃を避ける。魔術がメインの彼は攻撃手段に乏しいものの、敵も転移魔術の使い手の彼に攻撃を当てるのは至難の技みたいだ。


 一方その頃、ズキュエイマーとレイジングは背中合わせになりながら戦っていた。


「影による侵食を防ぐため、オレのハンマーにカバーを付けといたんだぜ」


「カバー?」


「ああ、敵を殴った瞬間カバーが取れるようになってる。 これでハンマー本体に影の侵食が及ぶことは無いぜ」


 よく考えたな、レイジングはそう思った。彼は糸を大量に持っていくことで影の侵食に対抗していた。


 アペイロンの影の軍勢に触れたものは一瞬でその物質のマナを吸い取られ、やがて存在自体が影と同化し飲み込まれてしまう。そのためいくら物理が効くといっても触るには工夫がいるのだ。



「おらいっちょ上がり」


 どうやらズキュエイマーはハンマーで巨人を一体仕留めたみたいだ。彼は馬鹿力だけで四天王1席に選ばれた男だ、そのくらいしてくれないと困る。


「俺もだ、食らえっ」


 レイジングも丁度一体敵を仕留めた、その時。



「壁上部隊の攻撃で敵の左翼を無事誘導完了、今か」



 カトモンの命を受けたカザンが敵の攻撃をすり抜けながら全員に号令を出す、武器をしまえと。


「よし、全員武器をしまった、ワタリービ頼む」


「了解だ」



 ワタリービの転移魔術により倒されたシンタムを除き全員が壁の前に転移される。


「武器を出しながら転移すると転移先で事故る可能性があるからね。 みんなよく命令に応えてくれた」


 ワタリービが嬉しそうに言った。


「さて、あれを見てご覧」



 敵が突如地面から出現した無数の剣に足を刺されている。


「あの巨人達が地面を歩けているのを見て思ったんだ、彼らは足は影で覆われてないんじゃないかってそしたら案の定だ」


 ドヤ顔するカトモンをよそに影の巨人は苦しんでいる、そして何かを叫んだ。

 皆動揺する、影の巨人には発声機能があったのか?



「なんだよ、あれは……」


 影の巨人を刺していた刀が影に飲まれていく。どうやら足にも影を発生させたみたいだ。それでいて歩けている。



「どうやら足元にも影を出現させたみたいだ、巨人にもある程度知能はあるのかね」


「そんな呑気なこと言ってる場合か、ここまで来るぞ」


 衆人の一人が詰め寄る。だが


「いやいいんだ。 あくまで計算通り」


 カトモンがそう言うと同時に、巨人達は次々と地面に足を取られていく。


「この辺りの土を昨日の晩、大地生成魔術で創り出した魔術製の土に変えといた。 あの影に触った瞬間それは吸収され無くなっていく」


 巨人達は蟻地獄に捕らわれた蟻のように必死にもがいていく、そしてそれを壁上からの遠距離攻撃が襲う。


「敵100体全滅です」


 やったぜ、そう歓声が上がる。まずは一勝だ。




「このままこれを続けてけば敵を全滅させられるな」


「残念だけどそうはいかないみたいだねぇ」


 ワタリービが指を指したその先には、影の龍が大量に飛行していた。



「どうやらアレが本体みたいだ、巨人はあくまでこちらの戦力確認ってとこだね。 百万体の影の龍、もはや策を講じることは出来ない」


 ワタリービは言った。


「つまり突っ込むしかないってことだ」



 しかし先程と比べ突っ込もうとする者はいなかった。皆一度生き残れるかもという希望を得た後の絶望だ、イマイチ1歩が踏み出せないのだろう。



「俺は行くぜ」


 そう言いズキュエイマーが足を踏み出そうとしたその時


「いやその必要はない」


 !? 全員が振り返るとそこには……


「はぁっ、なんというかここの街は中世ヨーロッパと近代ヨーロッパをごっちゃにして混ぜたみたいな見た目してるね、見てて気持ち悪くなってくるよ」


「そうか? 俺には美しい街に見えるんだがなぁ」


「そんなこと言ってないで敵が来てるぞ、緊張しろよ」


「やべっお弁当持ってくるの忘れた」



 四十人程の男達が立っていた。

 そしてその中の代表そうな男は語り出す。


「やあ異世界人の皆さんこんにちは、僕達は八王子秀のクラスメイトです。 僕の名前は宗像、よろしくお願いします」


 宗像と名乗った男は他の奴らに突撃するように言った。


「よっしゃあ行ってやるぜ」


 宗像を含む四十人の男達は敵陣に突っ込む。




「なんだよ、あいつら」


 ズキュエイマーは驚愕している。


「分からん、だが八王子秀、彼は逃げたわけじゃなかった。 頼りになる援軍を連れてきたんだ」


「異世界人に頼ってばかりいるわけにはいかない。 俺達も続くぞ」


 そう誰かが叫ぶと士気が戻った。



「君たち、ちょっと待ちたまえ」


 クラスメイトに話しかけたのはワタリービだった。


 ワタリービはクラスメイト達全員に矢よけの鎖を渡してから言った。


「人類の反撃のスタートだ」

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