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異世界孔子伝 〜End Of The World?〜  作者: さいたまのそよかぜ
第2篇 修己治人 End Of The Worldの章
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脱法イエティVS合法イエティ

 孔子と孟子は闇に包まれた空間の中、2人で話し合っていた。無論明日の戦闘についてだ。


「一つ質問があります」


 孟子が質問する。


「何だね言ってみてくれ」


「あなたは本当に先生何でしょうか?」


「……」


 孔子の顔が厳しくなる。


「どういう事かね」


「あなたは余りにも生前の先生と違うまるで全く別人のように…… 勿論記憶や人格は同じなことは確認しましたがそのー」


「何かが決定的に違ってるというのかね」


「はい」


 具体的に何が違っているのかは説明できないがしかし……

 根本的な何かが違うと孟子は感じていた。



「フハハ、ハハハハハ。 そうかやはり親しかった者は

誤魔化せはしないか」


 突然孔子は笑い出す。


「え……?」


「そうだよ、私は孔子ではない。 孔子はあくまで私の端末の一つ、抽出された残滓に過ぎない」


「どういうことだ!! 貴様」



「私は上位次元の人間として、下位次元の世界を管理運営する必要がある。 それには知識が必要だ」


「知識だと」


「ああ、そこの世界の人の暮らしなどの様々な情報を集計し統合する。 そのためにあの世界に送り込んだ楔が私の第248番端末 孔子だ」


 孟子は言ってる事の半分も理解出来なかった。


「水質を調査する時スポイトで一部の水を汲み取るように、私も世界を調査するとき私の端末を送り込む」


「それが先生だと言うのですか」


「そうだ、そしてその端末はその世界の妊娠した女性の腹の中にすり代わり、生まれ成長する。 勿論本人に一切の記憶はない、ただの人間として何も知らないまま一生を送る」


「つまり私達の先生は貴様なんかの仲間では無かったのか」


 孟子は恥じる、一度でも先生を疑ってしまったことを。ならば道は決まってる、この先生を語る悪魔を倒す。


「端末は死ぬと同時に回収され、その記憶経験は全て私に吸収されるのだ。 つまり孔子の記憶は私にあるが人格は永遠に世界から消失した」


 偽物が話している間、手からアペイロンの影を出す。それで奴を刺そうとしたその時



「体が動かない!!」


「ああ、君は影を取り込んだからもう私に反旗を翻すことはできないのだ。 その体が消滅するまで永遠に私に利益を与える行動しか取れなくなる」


「そんな」


「さあ言ってこい孟子よ、世界滅亡を見物する特等席に君はいるのだ。 40万の巨人を君には授けよう」


「クソッ」


 そして孟子は転送された。








 一方、八王子秀と顔回サイド



「お前達、失踪していた間何していたんだよ。 警察や家族にも迷惑かけてさぁ」


 クラスメイトの留萌が質問してくる。


「お前がいなくなったことに対して色々噂はあったんだぜ」


 そう言うのはクラスメイトの琉背筋原だ。そう言えば彼には後で同人誌消失の件について謝っとかなくてはならないな。


「参考程度にどんな噂があったのか教えてくれよ」


「宇宙人に攫われた、悪の組織に攫われ改造された、朝起きたら毒虫になっていた、殺されて埋められた、北朝鮮に拉致された、トラックに轢かれて異世界に転生した、とかね」


「最後惜しいやん!!」


 誰が言ったのか分からないが相当鋭いなそいつ。



「さて、本題に入りたいんだが。 俺はこの夏の間異世界へ行っていた、そしてそこでは世界の危機でみんなの協力が必要だ。 一緒に来てくれるか?」


「中二病も大概にしろよ、お前どれだけ多くの人を泣かせたのか分かってるのか?」


 クラスメイトの村田村だ、彼は正義感の強い男だったな。


「本当なんだよ、顔回説明してくれ。 俺からじゃ無理だ」


「納得出来ないのは承知ですが皆さんまずはこの映像をどうぞ」


 そう言い顔回は何やら呪文を唱える、とそれと同時に頭に映像が流れ込んでくる。



「これは……」


 俺と顔回が過ごした異世界の生活その全てだった。




「映像はこれで終わりです、皆さん信じる気になったでしょうか?」



「こんなの見せられたら信じるしかないだろ」


 皆口々に言う。




「みんなには協力してもらいたい。 奴らを倒すにはケイパビリティしかない。 だけどそれは異世界から来た人間にしか付与できないんだ」


 皆一様にして黙る。どうやら考えているようだ。



「ふふふやってやろうじゃあねぇか。 いっちょ世界救ってやりますか」


 そう言い席を立ったのは宍戸だった。しかし隣の席の藤川はそれを諌める。


「俺たちが行ってどうするんだよ、戦力差は絶望的。 どうせ無駄になるだけだ」



「無駄じゃないさ、いや無駄だとしてもやらなくてはならないんだ」

 


その声とともに、ドアが開く。


「お前は……」


 クラスメイトの目線が1箇所に集まる。そこには棚渡が立っていた。



 棚渡朗史<タナトスロウシ>、彼は一家ぐるみでカルト教団に傾倒し中学の途中からから学校に来なかった男だった、どうしてここに?



「俺は宗教をやめてきた」


「!!」


「俺は諦めてたんだ。 家族が皆カルトにハマる中、もしかしたら元に戻せる方法があったかもしれない。 説得したり家族と腹を割って話してみたり、でも俺にはそれは不可能だと思った」


「だから自分もそのカルト教団に?」


「そうだ、だけどある日勇気を出してみた。 当然怒られたよ、そして親子の縁を切られたがでも気持ちはスッキリした」


 棚渡は続ける。


「人間、何かを決断してその決断が正しかったかどうかなんて全てが終わるまで分からないんだ。 いや他の選択を選んだ未来が見えない以上結局どうやっても不安は残るものなんだ」


「だけど俺達は自分の選択を信じて選ばなくてはならない、そうしないと先へ進めないんだからな」


「例え無駄になるだけだとしても」 


 藤川が尋ねる。


「無駄になるかなんて分からないさ、俺たちが世界の救世主になるのかそれとも負けてボロボロになりながらこの世界に戻ってくるかなんてまだ決まった未来じゃない」


 棚渡がそう言ったとき地震が起こる。


「ゲートに対して修正力が加わってます、急いで行くか留まるか選んでください」


 顔回は焦るようにして言った。

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