激突!逍遥遊騎士団
「逍遥遊騎士団!?」
「ああ最近ペンクエン村の辺りで最近勢力が増えてる騎士団でな、悪さをしてるんだ」
なんだそれ、そんなものがあるのか。ただ騎士団というくらいだ。全員が武装している恐ろしい集団なのだろう。
「いや違うんだ。 武装はしてない、ただ奇妙な乗り物に乗り凄い素早さでやってきて、畑を荒らしたり家畜を奪ったりするんだ」
「なんだそれ……」
「とにかく君にはこれから僕と一緒にペンクエン村に行ってもらう、そこで奴らを捕まえる」
「はぁ……」
俺が話してるのはレイジング・インパクトだ。たまたま今日の朝食堂で会話したら話が弾んでこの話になった。
「拒否権はないんですか」
「ないさ、それにほら」
そう言って紙を差し出す、これは王からの勅書。
「八王子秀はレイジング・インパクトと共に騎士団を討伐すること」
俺は観念した。
「顔回連れて行っていいですか」
「それはならないね、顔回くんは今は朝風呂中だ。 出るのに時間かかるだろう」
「分かりましたよ、行きますよ」
かくして、四天王のレイジングと逍遥遊騎士団討伐に行くことになったのだ。
俺とレイジングは車で街道を爆走していた。
「いい車だね」
「あれだけ揉めたんですからね……」
レイジングとさっきレンター屋さんに行ったのだが、そこでレイジングは店員に2代目ものを差し出すように迫ったのだ。
嫌がる店員に武器のけん玉を押し付け、やっと手に入れたのがこれだ。
それにしても西洋風の甲冑を着ているレイジングと車のミスマッチさが半端なく笑ってしまう。
いや、そもそも武器がけん玉の時点で笑いを取る方向に行くのはどうしようもないわけだが。
そんなことを思ってしばらく走ってると目的地に着いた。
何も無い更地だ、こんなところに逍遥遊騎士団はいるのか?
「今までの目撃証言からするとここら辺に奴らは来るはずなんだ、まあ奴らの活動時間は夜だ、しばらく仮眠を取ろう」
「うへーい」
そして俺たちは眠りについた。
突如聞こえる爆音で目を覚ます。これは……
「やあ起きたかい八王子君」
「レイジングさん、これはまさか」
「そうさ騎士団さ」
どうやら逍遥遊騎士団は俺の乗っている車の周りを囲っているらしい。
「包囲された……だと……」
「どうしましょう」
そんな時外から声が聞こえる、どうやら騎士団のリーダーのような男が叫んでいるらしい。
「風と一体化する、それこそが俺たちの極意だぜ」
そう言うと男は乗っている車の音を鳴らす、あれは……バイクだ。
「バイクに乗ってる犯罪集団って…… こいつら暴走族かよ」
「暴走族?バイク? 詳しく話を聞きたい」
なるほどこの世界には暴走族もバイクもないのか。ではなんであいつらはバイクを入手したのか。
「俺たちは逍遥遊騎士団、自由な風『真人』となり野をかけ気ままに生きる。 誰も捉えることは出来ないぜ王国の刺客さんよーーー」
騎士団長は挑発をしてくる。これはヤバイ。
レイジングの方を見るとぷるぷる震えていた。
「てめぇら捕まえて牢にぶち込んだる」
レイジングは最近四天王に加わったばかりで本当に実力としては最下位だ、だがそれは平素であり怒らせると強くなる。
怒った時の実力は未知数だ。
「野郎を捕まえるぞ」
「はい」
今は大人しく従うべきだ。
騎士団員は皆バイクで別々の方向へ逃げ出す、このままでは全員捕まえるのは無理だろう。
「いや策がある」
そう言うとレイジングは武器のけん玉を取り出す、そして球を地面に叩きつける。
すると、周囲に揺れが発生する、バランスがおぼつかなくなり次々と騎士団員は転倒していくのだった。
「あとはバイクを完全に乗りこなす手練だけ……」
「さっさと取っちめるぞ」
そう言い車で団員を追いかけ回す。レイジングは運転しながら窓からけん玉を出した。
「むげんだま」
そう叫ぶとけん玉の糸はどこまでも伸びていく。
「いけるッ」
気づいたらけん玉の糸は騎士団員のすぐ背中まで伸びていた、そしてそのままそれを引っ張る。
これで団長以外全員捕まえることが出来た。
観念したのか団長がバイクを降りてこちらへ向かう。
「降参なのか?」
「降参、いや違うな。 漢の戦いをしようか」
「は?」
騎士団長の提案はこうだ、まずここから先10km離れたところにあるレースコースに移動する。
そして、そこで騎士団長とレイジングのサシでレース勝負をするというのだ。
「まさかこんなに提案乗りませんよね?」
目の前にバイクを降りた騎士団長がいるのだ、こんな勝負応じる必要がない。
「俺は今決断した。 その勝負乗ったぜ」
そうレイジングはどや顔でいう。
マジかよ、顔回すまない俺は今夜中に帰れる気がしないわ。
かくして奇妙なレースに挑むことになったのであった。
一方、その頃風呂から出た顔回は八王子がいないことに焦っていた。
「先輩どこへ行ってしまったのでしょうか……」
戦いの行方は神のみぞ知る。
続く
初めての二話構成です
1話にするには長すぎたのだ




