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《全面改稿中》リーンカーネイション・オブ・ダイアリー  作者: 古石セツナ
第一章 『召喚』
6/71

⒋ 足には自信があります

 どうも、古石です。

 一日空いてしまいました。ごめんなさい。

 祖母の家のパソコンからなもので、……きのうは行けませんでした。


 今回は一人称書きが半分入ります。


 では、どうぞ!

 動物界・脊椎動物門(有羊膜亜門)・哺乳綱(真獣亜門)・霊長目(真猿亜目)・類人猿科(ヒト亜科)・Homo(ヒト属) Sapiens。

 ――――我々には、尾てい骨というものがある。

 進化の名残であると言われているこの骨はなくなってしまっても特に問題はないらしい。


「うぅ~~~~」


 ところで、階段で足を滑らせた経験はあるだろうか。もしくは、子供の頃友達に、席を立った瞬間に友達にイスの位置をずらされてそのまま気付かずに腰を下ろしてしまった記憶はあるだろうか。

 今、適当に挙げた二つは、尾てい骨を打ち付けてしまう可能性がそれなりにあるのではないかと思われるものである。

 だからもしかしたら、身に覚えがある人もいるのではないだろうか。


「ううぅ~~~~~~」

さすりさすり

 

 さて。そんな尾てい骨強打の経験のある者たちに質問だ。

 ――――痛かっただろう? とても、痛かっただろう? その上、一日では完治しなかったのではないだろうか?

 

 今は人間の話だが、問題は要するに尾てい骨の有無だあるからして、人の形をとっている存在には全て適応するとい言っていいだろう。

 結論。


「ううぅ~~~~っ! お尻がぁ…………ぁうう……」

さすりさすりさすりさすり……


 神にだって、効果は抜群だ!

 というわけである。


「ひどいですぅ゛ぅぅ~~~~。千暁さまぁ……」


 起きたらなぜかお尻がすごく痛い。歩けないのでおんぶしてください。

 というニケの懇願は千暁に無慈悲にも両断された。そしてなぜか千暁のニケを見る目は初対面の時よりも気のせいか冷たかった。

 ニケの豆腐メンタルはもう潰れそうだ。


「ひどい? 寝言は寝て言え。

 確かにお前は庇護欲を掻き立てる容姿をしているが、庇護欲は甘やかすことには直結しないな。そういうには煩悩まみれの野郎どもだけだ。

 そんな簡単にオレの背中に乗れるとおもうな。さっきあの空間内で泣いてるお前を抱きしめたのだって妹とちょっと重なったから反射的にそうしちまっただけだ。が、しかしお前はお前だ。もう認識を改めた。

 それにもう目的地は人が見える距離まで迫ってるんだ。見たところ四人門兵がいる。恋人でもないお前を人前背負うなんて御免だぜ。変な誤解を受けるのは絶対に避けたいことだ。オレはロリータ・コンプレックスじゃない。

 つー訳で、自力で歩け」


 多彩な言葉を並べる千暁。

 自分におんぶを要求してきたのを利用してニケの関心を原因解明から遠ざけてごまかそうとしているのである。なんと卑劣なことか。普通に悪者である。しかしこう見ると彼は処世術がありそうだ。

 しかしその処世術で〝ニケの敬愛〟にどれだけ対応できようか。千暁のこれからが見物である。


(あぶねぇ……。ニケがアホで助かったわ…………)


「あ、ポケットにフェニックスの灰がありましたぁ!」


 ちなみにもうニケの背中に翼はない。人間にむやみに見られるのは良くないのだそうだ。神のありがたみが下がるからとかどうとか。


(しっかし、ホントにコイツは勝利の女神なのか? 不幸体質化って……――――)


「――――はァ!?」


 千暁は有名な神獣の名前耳にして思わず脅しのような声をあげた。バっと、勢いよくニケの方に振り向く。バっと。

 ああ。そうだよ、フラグだ!

 タイミングは最悪であった。


「…………ん、んしょ……――――てッ、ななん何見てるんですかあ!?」


 勝利の女神さまは例のレインレッドカラーの布を足元までおろしていた。

…………彼女の最低ラインの名誉を守るために説明すると、フェニックスの灰は患部に直接塗る必要があるアイテムなのでパンツをずらす必要が発生したのである。 決して露出の趣味があるわけではないのだ。


「……何だこのデジャヴ………………」


 ニケはスカートを左手で捲し上げて右手をお尻にまわしているポーズのまま固まり、赤面して千暁を見上げている。

 しかし、そこは千暁。間違っても頭を下げるようなことはしないのが彼の彼たるゆえんである。


「あうあうあぅぅ~~~~」


「おい、そんなことよりアレ(・・)は何だ?」


「〝そんなこと〟!? です!? 仮にも女神相手にラッキースケベしといて〝そんなこと〟!!? ひどい!? いえ、ひどいです!! 外道ですぅ!!」


 千暁曰く、下手に謝罪をしてしまうとは自らの非を認めてしまうことになり、公式の場で不利になる。だから、本当に自分が悪い時しか絶対に謝らない! …………らしい。


「ケツは治ったか、ニケ。 ならとにかく、アレ(・・)を見ろ」


 身を整えたニケに質問と命令が飛ぶ。


「フェニックスの灰ですよ? 治らないわけないじゃありませんか。――――ああ、あれは……、…………なななななんでしょうね?」

 ギ、ギギイ…………


「おい。そんな錆びたロボットみたいに首をかしげるな。

 つまり、そうなんだな? いや、もうはっきり見える距離まで迫っているが…………」


「走りましょう! 都市まであと七百メートルちょっとです!! あそこまでいけば門兵さんたちが助けてくれます!」


 ダッ、と、ニケは都市の関門目掛けてスタートダッシュを切った。千暁も慌てて追いかけるが…………ニケが無駄に韋駄天走りだ!

 千暁は三ヶ月ぶりくらいに全力疾走をした。


「は!? お前、神だよな? アレ(・・)に負けんのかッ? 嘘だろォ! オレのこの余裕は優秀な護衛がそばにいたからなんだけど!?」


「言ったじゃないですかぁ!! わたしは今とっても神格がすり減った状態なんです! 人間五人分位の力しかありません!」


「おまっ、マジつかえねぇのな!! ダメじゃん! ダ女神じゃねぇかよ!!」


「千暁さまこそ神さまじゃないですかあっ!」


「バーロォー! ステータス見たけどオレは半人半神だァ!!」


「あー、まだ完全に神格が馴染んでないんですね! わかります!」


「わかんのか!? いつ馴染むんだ!?」


「わかりません!!」


「おいいいいいいいいいいっ!!」


「ああ! これならいけます! 私たちの勝ちです! 逃げるが勝ちです!!」


「おい、門兵が気付いたぞ! 手ぇ振れ! 手ぇ!」

 ブンブン!


「門兵さぁ~んッ! アレ(・・)どうにかしてくださぁーいッッッ!!」

 ぶんぶんぶんぶんっ!



「「Help meeeeeeee――――ッ!!!!」」




◇ ◇ ◇




 いい朝だ。こんなにいい朝はそうそうない。

 どうして、いい朝か。それはもう山よりも高く、海よりも深い理由があるわけだが…………。

 なんだ、もう答えが気になるのか。もう少し引っ張るつもりでいたんだけどなあ。せっかちは良くないぜ?

 でも分かった。教えて差し上げようじゃないか。


 昨晩に抱いた女がよかったのよお!!


 はっはっはっはっはっはっは! ひがむな、ひがむなよ、童貞ども! はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ――――げっふげっふぅ! ああー、鼻いてぇ。


「ちぃーっス! おはy――ごべァっ!」


 関門の建物に入った瞬間、誰か蹴りが俺っちの背中に飛んで来たぜ。まったくひどい奴もいたもんだぜ。


「ねぇクラウド、アンタずいぶん遅い出勤ねぇ?」


 俺っちを蹴り飛ばした怖いもの知らずはハイエルフの女だぜ。

 このハイエルフは美人だぜえ? ツンとした、凛々しい鼻とカーネリアンのような瞳、クロワッサンハーフアップとかいう何百年前かに人々に姿をみせた女神アテネがしてたのが始まりっつぅ髪型カーマインカラー、細いウエストにしまった尻、そしてなりより! あの胸っ!!

 ん? カーネリアン? 赤や橙色をした玉髄のことだぜ。

 お? カ-マイン? 紅色だよ紅色。赤よりも濃くて鮮やかな赤系の色だぜ。 

 ……仕切り直すぜぃ…………!

 いいかお前ら。女の胸はなァ、小さくてもでかすぎてもダメなんだぜ? 

 いいかぁ??? 

 無乳 ← 微乳 ← 常乳(ここ普通な!) → 巨乳 → 爆乳 → 怪乳

 おう、よく見ろよ! まずムビー(無・微)は論外だ。そして、一番最後のモンスター(怪)もお引き取り願うぜ! あまりに大きすぎると怖えじゃん! でも大丈夫だ。現実にモンスターはいない! いや、いるにはいるが、それはケンタウロスのメスとかだけだぜ!


「クラウド、そろそろ起きたらどう? それから、さっきから何をぶつぶつ言ってるの? 気色悪いわ」


「よお爆乳。(ちち)の中の(ちち)よ。今夜俺っちと一発どう――――がへぅ゛ッッ」


「三千年早わよ、小僧」


 やめろ! 俺っちはMなんて持ち合わせてねえぜ! その足どけやがれ! 胸当てが汚れちまうだろ! どかせ! どかせせよ! どかせようぅ! あああああ!



「「「「――――――――ワイバーンだァ――――ッッッ!!!!!」」」」



「うそぉ!?」

 ぐいっ


「ぐえっ」


 あ、あのハイエロエロエロフめぇ…………最後に力入れていきやがったぜ。

 んん、……………………わいば~ん?


「な、なんだってー」


 あまりの驚きに一周まわって棒読みになっちまったよ! 

 俺っちは慌てて立ち上がった。

 関門の外を見ると二人の人間がこっちに向かってありえないスピードで爆走しているのがわかるぜ。多分〝駿足〟のアビリティーを持ってるんだな。

 

 ああっ! あいつら追われてんのか!!

 二人組の後ろの方の空には確かに一匹のワイバーンが滑空しているぜ!

 …………爆乳が檄を飛ばしまくってっけど、士気は上がらないだろうな。



「「Help meeeeeeee――――ッ!!!!」」 



 門兵()の戦力も知らずに「助かった!」って顔で二人組は俺っちたち門兵に叫んでるぜ。

 俺っちは思ったね。


(こっちくんじゃねえぜぇぇぇえええええええええっ!!!)


 心の底から思ったね。

 





=1=



 ほんとはワイバーンとの戦闘までかきたいなあ、と思っていたんですが、気が付いたら三千五百文字でした。

 金の卵ちゃん(名前をまだ明かせないので)は今回はお休みでしたね。

 

 ハイエルフを出しました。古石はハイエルフが大好きです。


 エルフの画像を漁りだした今日この頃…………。

 

 

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