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《全面改稿中》リーンカーネイション・オブ・ダイアリー  作者: 古石セツナ
第一章 『召喚』
5/71

⒊ 異世界の大地と金の卵

 どうも古石です。

 

日本の夏は湿度が鬼なので夏いですね。


 それでは、どうぞ!

しょう 世界が移り変わった。

 どこまでも続いていた雲の絨毯は、青々とした草原になった。

 何も存在しなかった空には太陽が輝いていて、見たことのない飛行生物が不格好四枚の羽根をはためかせて飛行んでいる。


「оh…………」


 千暁は思わずアメリカ人のような声を漏らした。


「マジで異世界かよ…………」


 ゆっくりとした動きをしている四枚羽の飛行生物を見上げて、


(現実なんだな……)


 なんて思う。

 それでもまだどこかで確証がもてな彼は、右の手のひらを握ったり開いたりして凝視した。



【ヤトミネ・チアキ】

LV.  1  種族…半人半神

HP :200/200

MP :400/400

攻撃力:100 

防御力:300

精神力:200

瞬発力:200


  〔アビリティー〕・アテネの神格  ・アイギス

          ・ニケの敬愛



(――――――――!!?

 …………………………………………な、なんか見えたな…………っ)


 その〝なんか〟はステータスである。

 これは、千暁が曲りなりにも神だから出来ること――――ではなく、自分の現在の情報を見ることなんて誰でも当然に出来るものなのだ。

 それが、このテリタワールの世界である。


「アテネ、の神格…………か。

 ――――お!?」



【アテネの神格】  

 故アテネの神格。

 レベルアップ時のステータス上昇幅が極めて大幅になる。この効果はレベルが低いほど大きい。

       例)LV.  1~100  上昇幅10倍

         LV.101~200  上昇幅 9倍

         LV.201~300  上昇幅 8倍                              ・

                   ・

                   ・

         LV.801~     上昇幅 2倍




「……………………」


 ニヤリ


 千暁はそんじょそこらの悪党より悪党に口の端を釣り上げて笑みをこぼした。足元の近くを通った二匹の野ウサギが今にも失神する勢いで身を寄せ合いプルプルと震えてしまっている。

 が、千暁は哀れな被害者たちには気付かずに歩き出した。

 その足取りは力強く。いまだに継続している小動物を失神させた表情は、すでに見様によっては強者のソレであった。

 

 目指すは草原の丘の向こう側。三十キロメートルほど先に空高く立ち上るあの煙を目標とせん。

 あそこには、人が暮らしているはずだ。

 千暁は歩き出した。

 地球にいる料理が苦手な母親と細見美人のくせに格闘家を目指している妹のことはもう心配にならなかった。


「…………ふ、……ふっ、ふはははハハハハハッッ!!」


 歩き出して間もなく、千暁は突然笑い出した。ダー〇フレイム〇マスターもびっくりである。

 いやはや、どこの魔王だか……。


「やっっってやるぜぇぇぇぇぇええええ――――――――――――!!!!」


 千暁が気持ちを入れ替えるために上げた雄たけびは、


「ぅん…………あんみつ……」


 泣き疲れて千暁に背中で眠っていたニケの寝言によってブチ壊された。

 

 一瞬、彼女を支えていた左手を離してやろうかとおもったが、やめた。

 アビリティーに明らかにニケ関係のものがあったのを思い出したのだ。確か、〝ニケの敬愛〟とか言ったか。オレはニケに敬愛されているのか? とか、いつ契約が完了したのんだ? とか思うところはたくさんあったが…………。

 

 仮にも彼女は女神なのだから、きっとすごくいい効果があるハズである。

 

 千暁は意識を集中させた。

 一秒と立たずに瞳に直接映るようなかたちでウィンドウが現れた。



【ニケの敬愛】   

 勝利の女神ニケの主に与えられるアビリティー。退屈しない生を送ることが出来るようになる。具体的には、いろいろな事件に遭遇しやすくなる。

 身も蓋もなく言えば、不幸体質化。



「……………………」



 千暁は無言で左手を離した。



 

       ◇ ◇ ◇




 ズゥん゛……! 


 マッドゴーレムが倒れた音がアイオライト騎士学院下級部第二闘技場に響き渡った。


「なアっ!?」


 試験管をしていたメリアルタが驚愕の口がこれでもかと開く。


「なぁっはっはっはっは!! 弱い弱い! 弱すぎるのじゃ!」


 マッドゴーレムを下した少女が、マンダリンオレンジのツインテールを風になびかせながら空を高速で旋回している.

 そのさまはまるでおとぎ話の天使のようである。


「ひ、飛行魔法…………!?」


 飛行魔法と言えば十年に一度使い手が現れればいい方だと言われている超難関魔法の一つではないか。しかも、いくら飛行魔法といえどあの少女のように時速60キロメートル以上の速い移動なんて聞いたこともない。


 ピシュン!

「――――――――のぅ、試験管殿? 妾は合格じゃろう?」


「ええッ!?」


 その上、転移魔法の第二の壁、テレポーテーションの魔法ときた。その発動速度、正確さも申し分がない。マッドゴーレムの方を見ていて彼女の方を見ていなかった時間を考慮しても、その時間はおおよそ七秒。そして、メリアルタのぴったり左隣。

 これほどまでの飛行魔法とテレポーテーションの両方を使える者など、パンセリノス皇国に一体全体何人いることか。百人もいないのではないだろうか。そして、その大半が引退を考え出すような年齢であるはずである。 


「のぅ? 聞いておるのか?」


 しかしどうだ。どんなに盛ってもこの少女はせいぜいまだ十五歳やそこらだ。


(この子は間違いなくSSランクになれる! いや、もしかしたら今は失われしRランクになれるかもしれない!! 特殊属性のドラコンを単独で討伐できる人材をこの学院が輩出すれば…………!!!)

 

 なるほど。

 アイオライト騎士学院学院長の愛娘にして、次期学院長のメリアルタ・(ウェントゥス)・ファイサリスの将来は確かに約束されたも同然であろう。


「試験か――――――――」


「ええ聞いてるわよ! ささ、貴方はちょっと事務室じゃなくて学院長室に行きましょう!! 特待生にしてあげるわよ!!」


「ぬ! うむ! まあ当然じゃな! 妾じゃからな!!」



 メリアルタは後処理を部下に任せると少女の手を引いて母親のところに向かって走り出した。

=1=



 主人公より先に活躍している人がいた気がしますね。

 まあ、おそらく気のせいでしょう。

 気のせいじゃないにしても、戦闘描写がないからノーカウントです。


 ニケをどんな風に染めようかなあ…………なんて最近思いながら今日も眠りにつきます。

 何かリクエストはありますか?


 

 こんにゃくゼリーが食べたくなる今日この頃…………。

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