*ここまでの登場人物紹介*
**これまでの登場人物**
☾リュウ【流】(19歳)
現代日本から別の異世界を経てトリップしてきた少女。端整な容姿は美少年を思わせ、マルティネの領民全員が性別を知った途端に絶句するか絶叫するほど。
元は黒髪だったが、なにかの影響かトリップ後に銀髪に変わった。例えるなら月光のよう。
性格はクールで、滅多なことでは物怖じしない、肝の据わった人間。反応も口調も淡々としており且つぶっきら棒で、愛想が良いとは言い難い。
だが、それらの多くは現代日本において19年に渡る“普通”ではない暮らしが大きく影響している。
闇組織において孤高の狼の如く非情な殺人を幼少より叩きこまれ、実行していった結果、家族や人のぬくもりを知らずに育った。ゆえに、『マルティネの四燿星』である四人をはじめとした人々への戸惑いが大きい。
物事に対する思考や態度は冷静で、自分のことさえも淡々と語る。ウダウダと己を卑下するのではなく、確固たる事実として自分のことを洞察する結果として己を顧みない言動をすることが多い。それが、周囲をやきもきさせている原因。
戦闘における知的能力は抜群に優れているが、反面、普通の人間であれば知っている当たり前の常識や物事を知らない。そのため、マルティネでの普段のリュウは無垢な幼子同然。
五感が人並み以上に敏感で、世間一般的な常識や価値観に囚われないために、事物の感じ方や表現の仕方が独特。
☆カイト=マルティネ(21歳)
クリストフの従兄弟にして『マルティネの四燿星』の一人。四人の中でも一番にリュウを見つけた青年。
渋めの臙脂色の髪に、紺藍の瞳を持つ。
気風の良い兄貴肌で、尚且つ言動やノリが軽く無邪気な一面を持っている。だが、一方では物事の洞察が鋭く頭もキれ、軽いようだが常に道理を弁えている。理屈を越えた直感によるところが大きい。
社交界では風雲児と呼ばれるほどに貴族の坊っちゃんらしくない。自分が面白いと思ったことにしか興味がなく、実は『氷炎の孤高の鷹』と呼ばれ、気を許して笑顔を見せる相手はごく一握りの人間だったりする。
リュウのことはかなり気に入っている。触り心地の良いリュウの銀髪を撫でるのが癖。リュウのことを密かに“ルイシャ(親愛なる月の雫)”としているのは、実はあまり自覚がない上に、ルイシャの言葉の真実の意味もまだ知らない。
額に三日月の痣がある。
☆クリストフ=マルティネ(24歳)
マルティネ家の嫡子にして跡取りであり、『マルティネの四燿星』の一人。
漆黒の髪に、黄金色の瞳を持つ。
父親であるハッサン譲りに比較的もの静かな青年で、他の三人の中でも年長ゆえに、黙って見守りながらも纏め役的存在。賢く器量良しでどっしり構えているので、そのお陰で他の三人は思い思いに行動できている(カイト談)。
表面的にも内面的にも四人の中で一番貴族らしい風情を纏っているが、けれど物の見方や考え方は須らく一般世間の貴族から見て異色のよう。律儀で堅物に見えるが柔軟。
同じくリュウのことは気に入っており、他の三人が動的なアプローチなので静的に見守る位置に徹している。
背中に三日月の痣があるらしい。
☆アルトゥール=マルティネ(20歳)
クリストフの遠縁の親族の一人にして『マルティネの四燿星』の一人。
金茶色の髪に、深緑の瞳を持つ。
爽やかな王子様っぽい容姿で、物言いも柔らかだが、気を許した者以外には容赦がなく、尚且つ内心でなにを考えているか容易に悟らせない(いわゆる腹黒っぽい?)。頭はよく回り手先も器用。
カールをからかうのは日常茶飯事で、またキハルとは互いに口を開けば憎まれ口を叩きあう仲。人あしらいは飄々とこなすが、特に貴族の令嬢は内心では嫌っている。
家族に二人の姉がいる。
リュウのことを「姫ちゃん」と呼び、やはり気に入っている。
右上腕に三日月の痣があるらしい。
☆カール=マルティネ(19歳)
四人の中では唯一直接血の繋がりがないが、元々幼馴染みで諸事情により養子に入った。元の名はカール=シンドラム。『マルティネの四燿星』の一人。
薄茶色の髪に、茜色の瞳を持つ。
まだまだ少年の雰囲気が色濃く残っており、裏表のない真っすぐで素直な性格。手先は不器用だが頑張り屋。アルトゥールにはよくからかわれる。お茶が趣味。
リュウのことは可愛い妹と思って、やはり気に入っている。また、同じ年齢なのもあって友達感覚も強い。
脚に三日月の痣があるらしい。
○ハッサン=マルティネ&アンヌ=マルティネ
マルティネ伯爵夫妻。クリストフの実の両親であり、カールとリュウにとっては義親。カイト、アルトゥールのことも昔から家族ぐるみでよく知っており、本当の息子のように接する。表面的な雰囲気は正反対に見えるが、どちらも温厚且つ慈愛に溢れていて、いざという時などは威厳を発揮する。
○キハル(19歳)
マルティネ領地の中の、織り物が盛んな村の娘。快活な性格でリュウのことが大好き。アルトゥールとは昔っから悪態を突き合っている。