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月の雫“ルイシャ”と四燿星の男達  作者: 蒼水無月
第一章【第二部】
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銀河の下で【カイトside】

「マルティネ家の“四燿星”と銀の娘 5」の後半部分の、カイト視点です。

 

 わからない、とリュウは言う。


 心底不思議そうな…そして困惑の色を浮かべながら、オレ様の言動を不思議だと。




 そうだ。それで良い。



 こいつに、言葉でわからせようとはしない。思わねえ。そもそも、無理な話だ。


 そのうち、こっちの言うことの意味を判る様になるかもしれねえが、今はこれで良い。



 むしろ、あのリュウが自分から喋ってくるようになったっつう事実の方が大切だ。


 リュウの変化に、隠すことなくほくそ笑む。





 「絶対面白いに決まってるじゃない!」だって?


 エレーナ、そいつは訊くだけ野暮ってもんだぜ。






 当然だ。なんたって、このオレ様が“見つけた”んだからな。






 しかも、このオレ様に本気で殴らせるような奴だ。そんな人間、そうそういねえ。面白くないわけがない。











 リュウは、俗世の文化的な生活と無縁の、ある意味で粗野な環境で育ってきた。


 だからこそ、人間社会の一般常識や価値観にまみれることなく生きてきたんだろう。


 だから、リュウは文明に染まり切った人間とは違う。


 野性的な本能や直感を持っている。


 同時に完全なる野生の獣ではないからこそ、無垢なヒトの赤子の如きまっさらな心をも兼ね備えてやがる。


 そして一方では、闇組織で鍛えあげられた、ある意味では唯一文明の人間らしい高度な知的能力を持ち合わせてもいる奴だ。



 野生の本能



 無垢な魂



 知的で賢明な思考



 ちぐはぐとも中途半端とも思えるが……


 そのどれをも、ずっと持っていって欲しいもんだな。


 これから生きてゆく中で、比重は折々に変化するだろうが…それでも、できることならば、そのどれも失わねえでくれ。


 俗世に合わせる必要なんてない。








 ―――いや…ゴタゴタした理屈はどうでも良い。





 オレ様が、そういうリュウを気に入っている。ただ、それだけだ。





 だから、身勝手だろうがそう望む。


 そして、リュウがそうあり続けられるように、傍にいてやる。


 はっ…なんとも身勝手な願いだな。


 だが―――願うだけなら、他の誰にも…リュウにさえも、遠慮はしない。





 リュウを殴ったあの時、遠慮などしないと決めた。


 勝手に構い倒し


 勝手に喋りかけ


 勝手に心配し


 勝手に怒鳴り


 勝手に笑い



 そして



 ―――いつか、リュウがオレ様やあいつらの傍にいることを理屈抜きで受け入れて、それが当たり前だとさえ思わないほどに当たり前のことだと思えば良いと


 やっぱり、勝手に望む。勝手に願ってやる。


 全て、自分のために勝手にそう思う。





 だから、リュウ。覚悟しろ。


 この星の――銀河の下で巡り合ったことを、ただの運命や偶然だけで終わらせるつもりはねえんだ。


 鷹は狙った獲物は逃さない。必ず自分のものにするんだからな。


 気高くも無防備で、賢くも無垢で―――沢山の命を葬ってきた身でその過去を淡々と忌みながら、自分自身をこの世で最も恐れている


 そのお前ぇが、これからどうやって生きていくのか、どんな表情をするのか、オレ様が見ていてやる。







 満天の夜空みてぇな瞳に、月みてぇな髪。そんなリュウに



 オレ様はもう、ハマってんだ。




 落ち着く、だ?


 そいつは――――最高の言葉と気持ちだな。



今回は文章だけで・・・Uuu

ええ~っと、色々とそれっぽい表現を多々遣っていますが、今のカイトに甘い思考や空気はありません(笑)言葉以上でも以下でもなく、まんまですねw

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