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王立学院の養護教諭  作者: ボブ


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プロローグ

グランベル学園。


グランベル王国最大の公立貴族学校で、王国内にいるほとんどの貴族令息令嬢が通っている。

ファーストスクール卒業の12歳からデビュタントの18歳までの6年間をこの学園で過ごす。


私アリア・エトワールはこの学園の養護教諭を務めている。


他にもグランベル王国各地にも貴族学校は存在しているがこのグランベル学園は国の名を冠するだけのことはあり、卒業しただけでも随分と良い箔がつくという名門学校。

ぜひ我が子をと、子を持つ貴族の親なら必ず通わせようと躍起になる。


そうなると当然学園は貴族社会をそのまま縮小した社交界となる。学園規則では学園内では身分差はない、とはいうものの、爵位や王家からの覚えの良さで扱いが変わってくるのは暗黙の了解。

成人貴族顔負けのドロドロとした人間関係や思惑渦巻くこのような環境が果たして子どもたちの健全な育成につながるのか甚だ疑問である。


…などと高尚なことを考えてみた。

ついさっきまでこんなこと考えもしなかったのに、急に考えるようになったのは、夢に自分の『前世』が出てきたからに他ならない。


今日はやたらと職員会議が長引いた。

普段は数十分で終わるような毎日行われている定例の会議なのだが、2時間も続いたら流石に疲れる。

溜まった眼精疲労によって引き起こされた頭痛と眠気が、自分に『寝てくれ』と訴えてくる。


半分寝ぼけながらもたどり着いた保健室、入室して鍵を閉めると貴族向けのふかふかのベッドに倒れ込んでしまった。

はしたない…などと考えたものの、ここは自分の教室なのだから…と心の中で言い訳をしながら最も気持ちのいい微睡の中意識を手放した。





_______________


『せんせえ、妊娠したかもー。』

『てか彼氏がさー、』

『先生彼女いんのー?』

『〜〜から無視されてる』

『ママが不倫してた』



毎日授業も休み時間も関係なくやってくる生徒たち。

怪我人や体調不良だけでなく、甘えたい人、思春期故の悩みを抱えた人、悩みなんていうレベルではない事案を抱えた人でさえも自分を尋ねてやってくる。


そのほとんどは話を聞くだけで解決するものの、やはりそれだけではダメな場合は他の教師を巻き込んで解決していく。


私は前世でも日本の高校で養護教諭をやっていたらしい。


同じく女性、30代で既婚。

子どもはいなかった。欲しいとは思っていたけど、仕事がなんだかんだ楽しくて打ち込んでいたらこの歳まで過ぎていた。


高校というのは不思議な場所で、体はもう十分大人なのに心はまだまだ子ども。個人差はあれど、まだ未熟で純粋な子どもたちが必死に大人になろうと足掻いて過ごす姿はまさに青春だった。




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