晴れてる間に
暖炉を直した時に余っていたレンガを積んで簡易的なかまどを作り、その上に野外用にと買ったでっかい鍋を乗っける。
そして鍋の下に薪を入れて魔法で火をつけ、鍋には水を注いで沸騰するのを待った。
一昨日町に行ってきて、昨日は天気が悪かったので家の中でのんびり過ごしていたのだけれど、今日は晴れたので外でやりたい作業をいくつか行う予定だ。
「ホー」
「うん。ありがとう」
キヒカに火を見ていてもらう間に、家の中から必要な物を持ってくる。
まずは乾燥の終わったビョシの花。そして、前に買っておいた太めのロープ。
他にもやりたい事はあるけれど、焦っても仕方ないので一つ一つやっていく。
「お湯沸いた?」
「ホー」
あれこれ物を抱えて出てきたらお湯も沸いていたので、花を纏めていた紐を切って花を鍋に入れていく。
全て入れたら自然に花が沈むまで放置して、その間に薪を作ることにした。最近消費も多いから、暇を見つけて作っておかないといけない。
薪にするのは拾い集めた倒木だ。キヒカが森を探索中に見つけたものを集めておいてくれたので、結構な量がある。
倒木が無ければ家の横の森から木を何本か伐り倒そうと思っていたのだけれど、キヒカの探し方が上手なのか倒木がかなり集まる。
森の規模が大きいからだろうか。それとも、何か木が倒れやすい原因でもあるんだろうか。
特に妙なものがいる気配はしないし、居たらキヒカが気付くと思うのだけれど……
なんて考えながら魔法で丸太を切っていく。薪にちょうどいい長さに斬ってから縦に五、六等分にして、出来た薪は薪棚へ。
それを繰り返している間に鍋の方では花が全て沈んだとキヒカが教えてくれたので、そこにロープを入れていく。
お湯に触れないようにどうにかロープを全て入れたら、ここからはまた少し放置だ。
火が消えないように薪を追加しつつ丸太を薪にしていって、虫よけが済んでいる物は家の中に移動させて乾燥を進める。
キッチンの方にも忘れずに持って行き、家の中の薪棚はいっぱいにしておいた。
そして外の薪棚に空きスペースが出来たので、そこには新しく作った薪を積んでおく。
「これでしばらく大丈夫かな」
「ホー。ホホー」
「お、本当だ」
薪作りをしている間に鍋は良い感じになっていたので、このまま放置して自然に火が消えるのを待つことにした。もう既に大分薪は燃えてきているし、そこまで時間はかからないだろう。
なので、それを待つ間に次の作業を始める。
続いて家から持ってきたのは、資材屋さんで買ってきた木材だ。それから釘とトンカチ。
「えーっと……まずは四隅からだね」
「ホー」
これから作るのは魔法陣の乾燥棚。前から乾かす場所が無いなぁとは思っていたけれど、量も大したことは無いしと作っていなかったし探してもいなかった物だ。
けれど、ルルさんからお守りは多めにあっても困らないと言われたこともあり、乾燥用の場所をしっかり確保することにした。
そのための材料は確保済みだし設計図は昨日雨で暇だったので書いたし、魔法陣も昨日のうちに準備済みだ。
「よし、やろう」
「ホー」
まずは一番太い木材二本を半分に切って、四本にする。長さが揃っている事を確かめたらその間をこれより少し細い木材で繋いでいき、正方形にする。
ちゃんとバランスが取れていたら足の部分を確保しつつ、下も固定。
そこまでやったら一度立ててみて、大きな問題が無い事を確かめた。
この後は一定間隔で棚の内側に木材を固定して行って、奥側は縦に木材を追加していく。これは全て細めの木材でやる。
切るのは魔法でまとめてスパッとやってしまうし、釘を打つのも慣れて来たのでそこまで時間はかからなかった。
「よし、外枠は出来た」
「ホー。ホー」
「そうだね、魔法陣入れよう」
用意した魔法陣は侵入者よけと乾燥だ。侵入者よけは虫よけと埃よけを合わせた感じで作ったので、魔法陣に余計なものが付着するのを防いでくれる……はず。
まぁそんなに複雑な魔法陣でもない。失敗はしていないはずだ。
なんて考えながら乾燥棚をひっくり返して底面に魔法陣を固定する準備を始める。
このために板を中央に渡してあるので、ここに魔法陣を固定し、マジキュルで棚全体を覆うように範囲を指定していくという、まぁいつもの流れだ。
ちょっと高さ的に不安だったので踏み台を用意して作業を進め、魔法陣と範囲指定用でマジキュルを九本打ち込んだら棚自体は完成になる。
大きく目立った汚れも無いし、問題は無さそうだ。なので棚自体は家の中に運び込んだ。
次は、魔法陣を乗せる乾燥台の作成だ。
数は六。棚の内側に出っ張るように固定した木材の上に乗せる感じになる。
このために取り出したのは、棚づくりで使ったのよりも細い木材。そしてロール状になっている網。
長さを測って木材と網を切り、網を木材で挟むようにして固定していく。
しっかり網が張るように、最初は周囲が余るくらいで切っておき、固定が終わったら余った部分を切り取って完成とした。
この上に魔法陣を並べ、乾燥棚で縦に並べて保管と乾燥を行う、という流れになる。
「とりあえず入るか試してみよう」
「ホー」
完成した乾燥台一号を持って棚を置いたところまで行き、棚に差し込んでみる。
動かしにくいとかは無く、気を付けないと落ちる、なんてことも無い。奥側には縦に木材を追加しているから押し込みすぎて落ちることも無いし、これで問題は無さそうだ。
大丈夫だったので、あと五枚同じものを作ることにした。これで魔法陣作成はそこそこ楽に、量産も可能になるはずである。




