セイム オールド 玩具&簞笥
変わったところもありつつ。
三つ子の魂を百まで引き連れるうえに
猫なら その生涯を9回めまでやりなおす
黒猫 白猫 虎猫と 装いを変えながら
なかみはいっしょだなんて信じられるかい?
変わり果てちまった どこもかしこをした街に
どこかあいかわらずな どいつもこいつもが
猫とちがって一度きりの人生をころがってるけど
まぁ そこはおれとて似たようなものさ
からだばっかりでかくなったのに
手慰みに弄ぶ おもちゃは
ガキの頃から慣れ親しんだものばかり
ファラオの隣にいたころと
おなじ猫じゃらしに飛びついてる
猫たちとだって大差ねえ
めかしこんだり 格式ばったり
脱ぎ捨てては 身につける服も
季節の移ろいに倣うように
その品揃えを変えるとしても
そいつを納める古ぼけた簞笥は
おれが誕まれ堕ちて以来の年代物なんだ
洒落たクローゼットを備えつけてやることも
できなくはないのに
納まりがいいのはこっちのほう
プラスティックのハンガーを余らせる
セイム オールド 玩具&簞笥
それこそがこのおれには 三つ子の魂の名残り
旧き善きにつけ あるいは
悪しきにつけだし
そいつがなにかの証やら
拠りどころになるなんてことも
てんで思いあたらないけどな
好きなものの本質は変わらなかったり。