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第七話 一転

受験、合格してます様に。

はぁ…

んで…?


俺「何で俺は1人で学校行かなきゃなんねーんだッ!」


吸牙「チッ…1人じゃないだろうが!

雑魚の癖に俺を忘れるな。」


俺「へん!

俺を雑魚呼ばわりすんなら、

雑魚に負けたお前はクソ雑魚だな!」


吸牙「チッ…

ガキが…」


俺&吸牙「ぐぬぬぬ…

フン!」


守「もぅ!そんなにいがみ合わないでくださいよ…!」


はぁ…

にしても、アイツら大丈夫かな…?





 前日…


遥「魔裕大。君が父親なのは分かった。

君も神くんと同じくらい大切に扱うよ。」


俺「いや、それは別にいらんのだけどね?」


遥「だがね!ボクの初恋を邪魔することは許さない!

よって、明日から学校に行くんだ!」


俺&吸牙「えぇぇぇぇぇぇぇ?!」


俺「学校嫌だ!

てか、お前初恋だったの?

それに、オメェはどっから湧いて出た?!」


吸牙「チッ…天井に張り付いていたんだよ。

そ、そんなことより、姉さん、いつの間に恋を?!

相手は?!」


天井に張り付いてた?!

サラッと言ったけど、キッショいことしてんなぁ?!


遥「丁度いい。

吸牙、魔裕大について行ってやってくれ。」


俺「?」


吸牙「?」


・ ・ ・


俺&吸牙「えぇぇぇぇぇぇぇ?!」


吸牙「な、なんでこんな雑魚なんかに?!

って、それよりも!

いつなの?相手は誰なの?


出会ったらブッ殺してやる…!!!(ボソッ)」


コイツ、とんでもねぇシスコンだ…

しかも、俺のこと雑魚呼ばわりしたな?!

ざけんなよぉ?www(怒)

俺に眠らされた癖にぃ…


遥「もしかしたらボクを慕っていてくれた子達が、怒って彼を襲うかもしれない。

その時の事情説明と、護衛をしてやってくれ。」


スルーうめぇな…


吸牙「だからぁ…

何でコイツを?

それよりもさぁ…

答えてよ〜…」


遥「彼はボクの舅になる人だ。」


(吸牙)・ ・ ・

は?

え?

何何何?

無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理。

え?

何何?

え?

どゆこと?

何何何何?

何それ?

え、無理無理無理無理。

は?何言ってんの姉さん?

無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理…


遥「はぁ…

ごめん魔裕大。

彼はボクの弟の吸牙。戦ったから、知ってると思う。

一応戸籍上は弟だけど、本当の弟では無いんだ。

昔、道端で彼の弟と一緒に震えていたのを拾ったんだ。

当時の彼は今では想像もできないくらい痩せ細っていて、身長も低かったんだ。

でも、今はこうして無事に生活できている。

そのせいか、まるで本当の弟みたいにボクに懐いてくれててさ。

どうしても、ああいう反応になってしまうんだ…」


なっ…(ガーン)

まさかコイツも鈍感だとは…

吸牙…絶対恋してる。

鈍感な俺でも分かる。

コイツは絶対恋してる。

遥に絶対恋してる。

どう見てもそうだ。

ホンマもんの姉弟(きょうだい)でないと言うなら。


遥「そういうことだ、吸牙。

だから、くれぐれも丁重に扱うように

…って、どこ行った?」


俺「ダァァァ!

首を吊ろうとするな!

何故お前らはそう簡単に人生を諦める?!」





って感じで、ついてきてもらったけど…


俺「守…お前もいんのかよ…」


守「え、あ…はい。

え?駄目でした?」


俺「いやぁ…駄目じゃないけどな?

こぉんな奴に比べたらな。」


吸牙「チッ…」


俺「アイツらほっといて良かったのかなぁ…」


守「きっと大丈夫ですよ。神大さんなら大丈夫です。

それより、問題は貴方ですよ?

いつ、どこから命を狙われているか分からないんですから。

そんな大きなカバン背負ってどーする気ですか?

ほら。降ろしてください。」


俺「ヤダ!

念を入れて色々入ってんの!

てかまず、何で命狙われる定なん?」


はぁ…

にしても…

そうだな。

やはり視線がやたらとこっちに浴びせられる…

クッソ…

注目浴びんのは懲り懲りなのに…

ミスっちまったな…


?「あ"ーダルい。バカかお前。」


?2「よっ!ダミエル様!日本一!」


ダミエル「なんで日本一なんだよ。

バカか?お前。

あと、様呼びやめろ。クソダルい。」


?2「いやぁだって、あの生意気なエンペラーもいなくなっちゃったし、あの五月蝿いチョンマゲもどっか行っちゃったじゃない!ダミエルちゃん!」


ダミエル「だからって日本一はおかしいだろ。

それに、エンペラーだか遥だか知らんけど、そいつを倒した奴を倒さなきゃ駄目っしょ。

バカか?お前。」


?2「遥もエンペラーも同一人物だよ…」


ん?

何だアイツら?

あれか…?

『強い勢力消えたから湧いてきた』的な奴か。

つまりは雑魚か、ちょっとばかし強い…のかな?

ま、俺達が争う事にはならなそうだな。


吸牙「チッ…アイツら…

姉さんのことはもう眼中に無えってか?」


守「うん…そうみたいだね…」


ん?

2人共なんでそんなピリピリしてんの?

・ ・ ・

おいおい…

待て待て…

まさか、早速フラグ回収しないよな…?

あんな雑魚ども(雑魚かは知らんけど)気にならないよな?


吸牙「チッ…

ブッ殺す…!」


俺「おい待て吸牙!」


はい〜オワタ〜

見事な回収っぷりですね〜

なんでなん?

言わせときゃいいじゃん!

どうせ回復して帰ってきたら、遥にボコボコにされるだけよ?


ダミエル「…?

何お前?

やんの?」


守「危ない吸牙!

攻撃してくる!」


ったく、しょーがねぇなあ!

無駄な争いは嫌いだ。

しゃーねーから止めてやるy―――


ブォン


吸牙「なっ?!」


ダァァァァァァァン


俺「なっ…?!

か、壁に叩きつけられた?!」


守「なっ…ま、まさか!

聞いた事がある…

今年転校してきて、姉さんと高等部のもう1人と一緒に『いかりの三将』って呼ばれてる高等部1年生…」


俺「『イカの山椒丼』?」


守「『怒りの三将』!!!

逆に、そんな不味そうなもんあるんですか?!」


俺「え、てか、高等部あんの?ここ。」


守「あ、そうか、この一ヶ月、ひたすら特訓ばっかりしてましたもんね〜

って!そんな悠長に話してる場合じゃないですよ!」


俺「そうだ!

何故ならここに!

()()()()()()』がいるからだッ!」


守「(ズコーッ)

違うでしょ!

吸牙が危ないんですよ!」


俺「あ、ホンマや。」


いや、知ってるよ。ジョークジョーク。

そんな事は分かりきってるんだ…

それより…

どう言う事だ…?これは…

あのショタが手をかざしただけで、

吸牙が浮かんで、壁に押し付けられた…?

星戦争のフォースかよ…


ダミエル「あ"ぁ"?

誰がショタだって?

って…この前の寝顔可愛いやつじゃんか。」


俺「ダーダーダー ダーダダー、ダーダダー♪


シュー、ゴォー、

シュー、ゴォー。


ジュゴォォー!

ヴン!ヴン!ヴン!」


守「(何やってるんですか?!そんな面白くないことやってる場合ですか?!)」


ガーン!!!!

面…白く…ない…だと?!

まぁ、ウケは狙ってないんだけどさ。


守「(それに、マズイですよ!魔裕大さん!

彼は『ショタ』って呼ばれるのが凄く嫌いなんです。

ああ見えても彼は高一。先輩なんですよ!)」


俺「へーそうなんだー(棒)」


守「おい!(怒)」


ダミエル「よお。覚えてる?」


俺「…

え、何?

俺?」


ダミエル「まぁ、覚えてるわけねーか。

お前、寝てたしな。」


吸牙「グハッ」ドサッ


守「吸牙!大丈夫?!」


お、なんか知らんけど、解放されたっぽいな。

まぁ、吸牙は守に任せるか…


俺「で、誰?」


ダミエル「獣谷(けものだに)ダミエル。

この前、くたばってたお前を保健室まで運んでやった。

にしても…

可哀想にな。

こんな可愛い顔してんのに、遥とか言うのは無慈悲なんだな。

まぁ、どんな奴か知らんけど。」


俺を運んだだぁ?

マジで言ってんのかよこのショタ…

いくら俺が軽いからって、45キロとかだぞ?

身長もそこそこあるし…

あのフォースみたいなやつを使ったのか?


?2「ねぇねぇ、アンタもダミエルちゃんのファンクラブに入りなよ。

かなり気に入られてるみたいだし。

入ればあんな横暴なエンペラーに支配されることなんて2度と無いから。」


ムカッ

な、なんだコイツ…

無性に腹が立つ…

自分で言うのもなんだが、心が広い方ではある。

それなのに妙にイラッときたなぁ…?

遥のことか?

そんなに情が湧くキャラだっけ俺?


俺「いや、胡散臭。

だれお前?クソダルい。」


?2「あっしの名前は宇佐草(うさくさ)サイモン。

ダミエルちゃんとは幼稚園からの付き合い。

このファンクラブには、既に学校の2/5くらいが入ってるよ。

()()()()()()()()()()()()()()。」


守「な、なんだって…

みんなが…コイツの仲間に…?」


吸牙「チッ…

そんな事、ある訳ねーだろ。

なぁみんな!

いつだって俺たちは、姉さんの仲間だよな!」



生徒1「んな訳ねーじゃん!

アイツ負けたんだろ?www」


生徒2「脅威だから従っていただけ。」


生徒3「弱いヤツに用なんてないし〜。」


生徒4「前からウザいと思ってたから、

丁度良いタイミングなんだよね〜」


(守)そ、そんな…

完全に寝返ってる…

まさか、今日中等部に降りてきていたのも、

更なる支持者獲得のため?

姉さんの勢力がこんなにも寝返ってしまうなんて…

そんな…

味方は誰もいないのか…?!


いかにもモブみたいなやつ「俺は仲間だぜ!」


モブ太「俺もそいつらとは違うぜ!」


吸牙「チッ…

誰だよ?」


モブ太「おい!またかよ!

モブ モブ太だよ!」


(守)『モブ モブ太』?

あぁ、『百武(ももぶ) 模舞太(もぶた)』君か。


いっつも吸牙に絡んでる子…

いや、吸牙がシカトし過ぎて寂しいんだろうな。

どっちみち、あんまり良いイメージはなかったけど…

良い子なのかな?


いかモブ「たしかに、遥様は横暴なところがある。

だがな!お前らは遥様の優しい所を知らない!」


モブ太「それに、

お前ら、忘れちまってる様だが、

『逆らったら退学』だぞ?」


いかモブ「そうだそうだ!」


ダミエル勢力「うっ…」


(吸牙)あれは…

魔裕大が言う『いかモブ』か…

たしか、本名(フルネーム)は『及川 茂生(しげお)』。

及川(おいかわ)』の『いか』、

『茂生』を『モブ』と読めることから来ているのか…?


魔裕大が来た初日にボコされ…

魔裕大が姉さんに弱点聞きに行ったときは、散々にからかい…

姉さんに勝った時は魔裕大の言うことを聞かず、死ぬかも知れなかったアイツ…

まさかここで立ち上がるとは…

口だけ野郎とおもっていたら、意外と良いヤツなのかもな…


いかモブ&モブ太「てめぇなんかに、遥様(遥ちゃん)の良さは分からん!喰らえ!」


流星拳(スターダストパンチ)


ダミエル「うっさい。」


モブ×2「ぐっ。

ひ、引っ張られる!」


ダミエル「なぁにが『喰らえ!』だ。」


モブ×2「うわぁァァァ!」


あ、おつかれさま~


ダミエル「はぁ。

宇佐草、

『ファンクラブ』はキショい。やめろ。」


(守)な、なんだ?

こんどは吸い込まれるみたいにヤツに引っ張られたぞ…?


(吸牙)チッ…

やっぱモブはモブかよ!

クソ!俺は勝てなかった。

守に攻撃能力はほとんどねぇし…

状況は変わらねぇのか?!


ダミエル「でも、そうだな。こんな可愛いのを放っておくのは嫌だ。

どうだ?俺の仲間になれよ。そうしたら一生守ってや―――」バシッ


俺「差し伸べられた手を…

振り払うのは好きじゃねえ。

でもよ、俺が守って欲しいのは『王子様』だけ。

ケモ耳()()()に言われてもしっくりこねぇんだよ。」


ダミエル「あ"?」


俺「それに、遥はなぁ…

将来の義娘(むすめ)なんだよ。悪く言うのは許さん。()()()っ子よ。」


守「ま、魔裕大さん…」


(吸牙)なっ…

こ、こいつ…

何もう結婚させる気でいるんだよォォォ!


ダミエル「あっそう…

可愛い顔してたのに、だんだんムカついてきたわぁ!」


ん〜…

とは言ったものの…困ったぜ…

全く能力が分からん…


サイモン「あーあw

ダミエルちゃんを怒らせちゃうとか、馬鹿みたいw

さぁ、ダミエルちゃん。歯向かうやつなんて、ボコボコにしてきなさい!」


?「コルァ!!!!」


全員「?!」


?「また問題を起こすのか?!」


守「き、教頭先生…」


教頭「とくに君だよ!萬君!

初日からお嬢様に喧嘩を吹っ掛けるなんてどうかしてる!

そして今度は先輩に喧嘩を吹っ掛けるのか?!」


俺「いやぁ…だって…」


教頭「言い訳無用!

全員教室に戻りなさい!」


ツンツン


教頭「?

なんだね?獣谷くん?

さぁ、君も教室に戻ろうね~…」


あの教頭…

やってるわぁ…

完全にガキ扱いかよ。

わざわざ膝畳んで顔の高さも合わせてるし…


ダミエル「先生…」


教頭「?」


…?

教頭の顔を持った…?

何する気だ?


ダミエル「ダルい。」


グジャアァァァァ!!!


生徒たち「ギャァァァァァァァ!!!!!」


あ、頭を潰した…?!

こ、コイツ…!

どうかしてる…!!

いくら苛ついても、殺すなんて…!


(回想)「こ、こ…殺…

殺…す…しか―――」


っ…


守「…さん…

ゆ…さん!

魔裕大さん!」


俺「!」


吸牙「攻撃来るぞ!」


奴はまた、手を前に突き出した。

手から吸い取っているのか?

それとも、星戦争みたく、手から何かのエネルギーを出してんのか?


ギュォォォォォォォォォ


俺「くっ…

思ったよか…

引っ張られる…

だが、引っ張られるからこそ…」


くらえっ!


『閃拳』の応用で、

いつ使うか分からんけど覚えた(スキル)


閃投(せんとう)


ブンッ


フッ!登校中に拾ってた枝をぶん投げてやったぜ。

これで手に刺さるだろ!

痛い目見ろ…


ダミエル「?」


引っ張られない…?

待って!

顔面に当てるつもり無かったのに…当たっちゃう!!


ダミエル「だる。」


ビュン!


?!

机を引っ張った?!


ストッ


ダミエル「あぶねぇな。

バカか?お前。」


机を盾にしやがった?!

他の机や椅子が引っ張られて近づいてくる…!

どーゆー事だよ!あんなに重いもんがいくつも引っ張られてる!

ぶつかる…!!


ドガッドガッガッ


俺「痛え!」


くっ…

物は壊したくなかったが、仕方ねぇ!


閃拳(せんけん)


バキバキバキバキバキ…


ドガァァン


ズルッ


やべっ!滑った…!

引っ張られる!


ダミエル「ほらよ!」


は?

ここ3階って解ってる?

そんな、窓から投げたら…


俺「うわァァァァァァァ!!!」


バリィィィィィィィィィィィィン


ぐぅッ…!

いってぇ…

血が出てるじゃねーか!

俺貧血なんだよ…

クソガキが…!

っつーか、やばい!

落ちる…!


俺「うわぁぁァァァァァァーーーー」


―バリア―


俺「ァァァァァァ…

ってあれ?」


守「危なかった〜…

ケンカとはいえ、ここまでするって…

許せない!」


俺「あざっす守…

って、危ねェ!」


流星拳(スターダストパンチ)


守「?!

バリa―――」


ドガァァァァァァァァァン


守「ガハっ!」


吸牙「守ーーーーー!!」


(吸牙)クソが!

守がやられた!

アイツは防御力が高いし、まだ大丈夫だろうが…

それに…

嫌だが、

メチャクチャ嫌だが…

神大の『天の加護』で、強化されてるから簡単にはくたばらない筈だ。

守自身は気づいちゃいないが、『バリア』は、

攻撃を自動で認知し、一時的に防御力強化魔法をかけるからな…

クソが!

なんでよりによって姉さんを盗ったアイツに助けられるんだァァァ!


いや…

それより…!

なんなんだアイツの技は…?

吸い込んだと思ったら、姉さんみたいにブッ飛ばした!

魔裕大が真似してたけど、マジで星戦争みてぇだ!


俺「守ー!

よいしょっと…

えぇと、確か回復は…

ほい。」


聖水の癒し(ラブウォーター)


守「うっ…

そんなことやってる場合じゃないですよ!

あなたの方が打たれ弱いんですから!」


聖光の癒し(ラブライト)


俺「おー!

なんか、俺のより回復感パネェ!」


守「当たり前ですよ。

貴方が使うものは下級ばかりなんですから。」


ぐっ…

こいつ…

優しい顔しといて、サラッと煽ってくるな…(怒)


ダミエル「第二校庭に出たか…

好都合。」


ん?

降りてくるか…

来るなら来い!


ドドドドドドドドドドドド


な、何だあれ!

砂嵐が起こってる?!

わ、解った!アイツの能力!

なんだっけ…

えぇと…

ブロワーだ!

空気を吸ったり吹いたりして、落ち葉を片付けるやつ!


ダミエル「ほらよ!かかってこいよ!

さもないと、テメェ等が死んじまうぜ!」


俺「イテテテテテテテテテテ!

目が!砂に!

入った!」


守「痛い!

てか!逆ですよ!」


俺「いや、逆じゃないよ?」


守「うわぁぁぁ!目だ!

大丈夫ですか?!」


俺「冗談だって!」


吸牙「チッ!冗談言ってる場合か!

どこでそんな目ん玉手に入れてくるんだ!

おら!

さっきのお返しだ!」


ゴオオオオオオ!


俺「おー!

砂が押し返されて…!」


ゴオオオオオオ…


俺「かない…」


吸牙「チッ!痛え!」


守「いや、待って!

止まってる砂もある!

これは…」


俺「結局ほとんど止まってねぇんだ!

気にすんな!

そんなことより、自分だけバリア張りやがって!」


守「対象1つにしか張れないんですよ!」


俺「仕方ねぇ…

ほれ、吸牙。

ゴーグルつけろ!

マスクも!」


吸牙「チッ!あるなら早く出せ!

ってか、どっから出した!」


俺「あのカバン!」


守「念を入れててよかったですね。」


クソ…解らねぇ…

なんで止まらない砂ばかりなんだ…

吐き出す能力じゃないのか…?

てか、ブロワーなのに、なんで渦なんだ?


俺「あ"あ"!考えても仕方ねぇ!」


―陰キャの隠密『速』―


これで渦の中心まで凸る!


ビュオォォォォォォォォォォォォ!!


俺「イデデデ!いてぇッ!」


―陰キャの隠密『解除』―


守「何してるんですか?!

『陰キャの隠密』は姿を見えなくするだけで空間から消えるわけじゃないんですよ?!

攻撃は当たります!」


俺「そういえばそうだった…

クソが…『速』でも無理なんかよ…」


ダミエル「どうしたよ?!

かかってこいよ!

来るまでここで待っててやろうかぁ?

ハハハ!」


吸牙「チッ…

クソがよ…

にしても、おかしい…」


俺「ん?どした?」


吸牙「おれは、2回攻撃を受けた。

まず吸い込みだ。

吸い込みの勢いでブン回されて、それで壁に叩き込まれた。

そこを首掴まれるみたく、壁に押し付けられた。こっちは吐き出しだと思う。

俺は今、まず吸い込んでから、まとめて吐き出してやろうと思ってた。

なのに、なんで止まってる砂があるんだ…?」


俺「んな事いわれたって…」


守「砂鉄だ!」


俺「ん?」


守「これは砂鉄ですよ。

校庭の砂にしては黒いなと思ったんで、

いま、たまたま持ってた方位磁針に近づけてみたんですけど、

そしたら、この砂はひっついたんです。

そして、この方位磁針から手を離すと…」


吸牙「イテッ!

チッ…

守!何すんだ!」



俺「そういうことか!


吸牙!吐き出せ!」


吸牙「は?まだ砂が十分に集まって―――」


俺&守「いいから!」


吸牙「お、おう…」


ピタッ


俺「砂が…止まった…」


俺&守「ヨシッ!」


あーね?

そーゆーことね?

これは『磁石』だ。

あのダミエルが、どちらの極を使っているかは知らんが、

奴は、磁力を操ることができる!

だから、机や椅子は飛んでくのに、

枝は飛んでいかなかったし、窓ガラスなんかも引っ張られなかった。

ただ…


俺「なんで、人まで…」


守「血ですよ。

血には鉄分が含まれてる。

多分、それで吐き出したり、引き寄せたりしていたんですよ。

順番も、必ず吸い寄せてから吐き出してる。

鉄は、磁力に触れると磁石になります。

あれ程強力な磁力なら、一回で磁石に変えられたんでしょう。

でも、だからこそ必ず引き寄せる必要があった。」


吸牙「チッ!

置いてかれてるが、話は流れから解った。

アイツの能力は磁石なんだな?

なら、鉄の何かをブン投げれば良いな?

よし。」


いや、自己完結すんなし…

って、


俺「おいおいおい!

どこに何を入れとんじゃ!」


吸牙「チッ…聞かなくても見りゃ分かるだろ。

懐に包丁アホほど入れてんだよ。

鉄製もいっぱい。」


俺「いやいや、『入れてんだよ』じゃねーし!銃刀法違反だわ!


守「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ。」


俺「守?!てか、すんごいゲス顔で言うのやめろし!

それに、鉄製ならそれでよく立ってられるな?!」


守「地面に張り付いてるんですよ。

この前も天井に張り付いてましたよね。」


お前ら兄弟一体何者だよ…


俺「よし、貸せ!」


―閃投―


俺「オラ!喰らえ!」


ビュンッ


ヨシっ!


ザザザザザザ

ズドン


守「砂鉄が引っ付いて、落ちちゃいましたね…」


俺「あークッソ!

なんでだよ!」


吸牙「てか、今気づいたけど、磁力が渦巻き状に出てんなら、届かねぇじゃん。」


俺「アホかお前!

セラミック貸せ!」


―閃投―


ビュンッ


よし、行け!


ザザザザザザ

ストン


守「砂鉄に削られちゃいましたね…」


俺「ダァァァァ!クソが!」


吸牙「アホか。セラミックは耐久性弱いんだよ。」


俺「なんでちょっと詳しいんだッ!」


吸牙「やっぱ、ステンだろッ」


ビュン


え、『閃投』より速いってどゅことぉ…?


トスッ


なっ…

アイツ…また浮かせた机でガードしやがった…!


ダミエル「楽しんでもらってるとこ悪いけど…

悪いなんて思ってないけど、

危ねぇんだよ!」


―強化 『(スキル)』―


俺達「ぐっ…」


ダミエル「ハハハハハハハハハ!無駄なんだよ!

どうやらメインの能力(のうりょく)はバレちまったみたいだが、

能力はもう一つある。触れたものを磁石に変える。

極もオンオフも自由。つまり、この学校は俺のテリトリー。

どう抗ったって勝てねぇんだよ!」


吸牙「チッ…」


俺「どーする…?

ますます強くなっちまった…」


ゴロゴロ…


俺「しかも、雲行きが怪しくなってきたぞ…

今日、雷予報だし…」


守「雷…

2人とも!校内に急いで!」


俺「あ?なんでだよ?逃げたみたいになるじゃんかよ!」


守「逃げるんですよ!」


俺「はぁ?」


ダミエル「ハハハハハ!

へぇ逃げんのかよ!

雑魚共が!」


守「逃げちゃあいないさ!

一度距離を取るだけだ!」


ゴロゴロ…



俺「はぁ…はぁ…結局負けんのかよ…」


吸牙「…!

そういうことか。」


俺「?

どーゆーことだよ?」



吸牙「まだ負けちゃあいない。

ここから奴に向かって叫べ。

『今からテメェを倒す』とな。そういう事だろ?守。」


守「うん。まぁ、倒すのは僕らじゃないけど…」


俺「ん?

だから、どーゆーことだよ?」


守「あ、早く!」


俺「お、おぅ…

スゥー

『『『今からテメェをブッ倒してやるよ!』』』」


吸牙「うっせぇ!」


俺「え、だって叫べって…」


守「いや、限度がありますよ。

わからないんですか?」


俺「えぇ…」


ダミエル「『『『へぇー!

やれるもんならやってみろよ!

そんな2階の窓からどうやって?!

遠隔攻撃は効かねぇってさっきわかっただろ!

とはいえ砂嵐で近づけねぇ!

さぁ、どうやるんだぁ?!

ハハハハハハハハハ!』』』」


守「(ゴニョゴニョゴニョゴニョ)」


俺「え?あぁ、うん…」


ダミエル「『『『ほら!早く来いよ!』』』」


俺達3人「落ちろ!雷!」


(ダミエル)ブッw

アイツらバカか。

(ライ)』属性も『召喚 『雷』』もかなり難しいんだよ!

テメェらみてぇな雑魚に使える訳…


ゴロゴロ…

ドガァァァァァァァァァン!


ダミエル「ギャァァァァァァァァァァァァ!」


俺「え、すげぇ!

なんでそんなドンピシャで?!」


守「いや、まさかドンピシャだとは思いませんよ。」


吸牙「やつは、渦巻き状に磁力を発生させていた。

すると、電気が溜まるわけだ。

そこに雷が引き寄せられた。そーゆーことだ。」


俺「なるほどねぇ…」


守「てか、いつの間にか仲良くなってないですか?」


俺&吸牙「え?

仕方ねぇから認めてやるよ。」


守「めっちゃ息ぴったりじゃないですか。」





ついてこられるって言われた時は嫌だったけど、

一緒に戦ってみると、案外頼もしくて良い奴等だった。

読んでくださり有難うございました。次回をお楽しみに…

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