輝けなくたっていい
きっと上手い生き方なんて
とっくに諦めてるよ……
こんな遠く広い地球の中で
僕らは偶然にも生まれた
理由なんてあるはずもなく
あるとしたらならそれは
僕が世界の役に立つためなのか
それとも栄光を手にするためなのか
威厳も栄光も何もいらない
君はそういって平凡な人生を目指した
けれどこの世界はそれさえも許してくれない
人と人と嫌でも触れ合って
会話をして笑って交わる
時折感じる刃を向けられる雰囲気が怖くて
君の僕の平凡な世界を壊す
あの人の瞳の奥に秘められた
気持ちはきっと暗くてどす黒い
ただでさえ僕は
苦手なことだらけでだから
そんな風に見られたら縮こまる
だから平凡なんてありもしない
けれど君はそれでも
諦めず明るく笑う
傷ついた思いを隠して
「ポジティブに行こうよ」って
僕の手を握って
君は笑顔貼り付けて
「楽しいからこそ笑うんじゃなくて
笑うからこそ楽しいから笑うしかないの」
そうやっていつも明るく振る舞って
だから僕は暗い気持ち奮い立たせて
何とか君について行った
僕は君がいなきゃ輝けない
ただでさえ僕は
人付き合いが苦手で得意なことさえ
そんなになくてだから
いつも縮こまっている僕を
君が引っ張ってくれた
僕はいつも輝けなかった
笑えない僕を君は問う
「一緒に笑おうよ」って
でも僕は笑えないんだ
僕は上手い生き方なんて知らない
こんな広い地球じゃ迷ってしまう
君はそんな僕を引っ張ってくれる
ずっと明るくて元気で
笑顔を見せてくれて
僕のために辛さ一つも吐かなかった君
僕は笑えなくてでも
それでも君を見ていたら羨ましくなって
君がいない時そっと鏡を見て笑ってみた
初めて作った笑顔は
とっても不格好でとっても
下手くそで自嘲した
あれ僕は笑っていた
自分の下手さ加減に呆れて
僕は初めて笑った
いつしか君と並んで
二人で笑える時が来るのかな
君と笑い合いたいんだ
だけど僕は立派じゃない
君みたいにみんなみたいに
輝けなくて目立てなくて
だから笑顔なんてする機会が
ないから暗い顔を貼り付けている
君は僕の悩みを知って言う
「輝けなくてもいーじゃん」
輝けなければこの世界では
端に追いやられるから僕は
だから僕は泣いているんだよ
心の奥底で押し殺した
涙をそっと流しているんだ
「あたしだって輝けないよ
だからさ無理矢理にでも笑うと
スッキリするよ?ほら!」
君は無理やり僕を
笑わせたいのか変顔をした
必死に変顔を作る君が可愛いな
そんなせっかく可愛い顔が
変顔して歪んでいくのが可笑しくて
僕は吹き出してしまった
あれ僕は二回目笑えたのか
「輝けなくっていい
こんな世界じゃ輝くのムズいよ
だからさあたしと君で二人で」
そこまで言って君は目をそらした
僕はなぜ目をそらしたのか気になって
君に聞いてみた
「は、恥ずかしいからに決まってんでしょ!
そんなの聞くなんて男気ないよッ!」
君はなぜか怒っているだけど可愛い
「だ、だからさあたしとか君一人じゃ
輝けないほど不足してるんならさあ
あたしと君で二人で輝けば一人分になるんじゃない?」
君と僕が二人で肩を並べて
一人じゃ足りないとこを補って
輝くなんて夢みたいだね
「二人で輝かせるのよ!あたしたちの星をッ!」
君の勢いに押されて僕は
「う、うん!」と答えた
君と僕で笑い合って
君と僕で輝くんだ
君と僕の物語を
「輝けなくてもいい
一人で輝けないんなら二人で
輝けばいいじゃない!」
君の隣に僕が
いる未来
助け合って支え合う未来
素敵だと思う
楽しそうだ
だから僕は君の手を取った
「……じゃあ行こうかッ!」
心細かった僕は
やっとのことで振り絞った声を
君は笑顔で受け止めてくれた
今僕は君の隣で笑っている
ここまで引っ張ってくれてありがとう
「……ありがとう」
「輝けなくてもいい
輝けないなら輝けないなりに
二人の物語作ろ!!」
君の笑顔に救われたんだ