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依頼の品

____俺が住んでいる宿に依頼の品が届いたのはそれからすぐの事だった。

神の矢、それは古代の神界が作り上げたオーバーテクノロジー。

見ただけで大事なパーツなのはすぐにわかった。

それはまるで機械仕掛けの時計の一番重要で、最も小さな歯車。

「それなに?」

「ああ、スラ子か」

これはな、と出来るだけ分かりやすいように説明する。

「すごい!マリーンさんにお礼しないとね!」

「ああ。さて、ギルガメッシュ王に届けにいくか」






この国はいつだって忙しい。多種多様な用件で人が行きかい繁栄している。

前に住んでいたところよりも段違いに感じるくらいだ。

「おーーい!」

人々の喧騒に紛れ何かの声がする。

_____気のせいだろうか。

「わっ!」

「ん・・・?」

不意に、

「無視すんなー!」

後ろからの気配に気づいた時には手遅れだった。

周りにニイナの声が響く。

「いてて・・・」

ダイナミックな挨拶に対応出来ず、痛い目にあった。

ニイナがいるという事は、

「すまない・・・コバヤシ。それと、久しぶりだな」

いつもの勇者パーティがそこにいた。アンジェリカは申し訳そうに話しかけてくる。

最近は一緒にパーティを組むことがなかったからか久しく感じる。

「今日はコバヤシはどこの依頼に行くんだい?」

「依頼とかではないんだ、ただの届け物だよ」

「ほうほう」

一応ニイナ達勇者パーティにも同じような説明をした後、付いてくるか聞いてみる。

「見てみたい」とニイナ達も言ったので一緒に行くことにした。







「すごーい!」

ギルガメッシュ王との謁見を終えると、サナタリアに頼んで例の兵器を見せてくれることになった。

実際に目にするとそれは凄い兵器だった。

巨大さもあるが、神の兵器と言われるだけありデザインが・・・かっこいい。

「ねえ、コバヤシ」

「なんだニイナ」

ニイナは俺をニヤニヤみると、言った。

「かっこいいって思っているでしょ?」

スラ子は、「コバヤシもすごいって呟いてたよ!」と空気が読めない発言をした。

・・・まったく。

まあ、城壁に完備されているソレはホントにかっこいいと思う。

「冒険者の皆さん、今日は試験的にこちらの神の矢を使用することになっています」

兵士が声を上げると周りがざわついている。どうやら今日は試験運用をする日になっているらしい。

「これから辺りの魔獣を蹴散らすのに使われる予定です。よろしければ見学ください」

今日は兵士も配備されているし、戦う必要はなさそうだ。

「わあーー!」

(ニイナもはしゃいでいるじゃないか・・・)

ガチャン!ガラガラガラガラ・・・・。

機械的な音を立ててセッティングが終わる。

「発射!」

撒き餌に集まった魔獣の群れ・・・10匹くらいだろうか、

「ギャオオオオオ!」

神の矢が着弾すると魔獣の群れは一瞬で吹き飛ぶ。

「すごいな・・・この出力で4割・・・!」

「さすがに全力発射では壊れる可能性があるらしいが・・・」

兵士達も想定以上の威力に驚いていた。

会話を交わしている。

「すごいな。コバヤシ君」

ブローが不意に話しかけてくる。

「ん?なんだ?」

「君のつてなんだろう?この兵器の重要な歯車を作った錬金術師さ」

「そうだな。カネはかかるけどな」

コバヤシは皮肉交じりに呟いた。






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