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ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
新たなる戦い~3章
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ガーゴイル

咄嗟にコバヤシが声を上げたおかげでその火球に誰も当たらずに済んだ。しかし、奥からはさらに一体ガーゴイルが現れる。

(これは不味いな)

2匹がこちらを視認する。奥から現れた方は冒険者を食ったのか、人をくわえた状態だった。

ガーゴイル・・・ゴーレムと同じく上級魔術で使役する魔族だ。

ゴーレムよりも簡単だが岩で体が出来ているところは変わらない。耐久性も高く並みの冒険者では勝てないだろう。

「これは多分、ダークエルフ達が呼び出したのかもね」

アリスは冷静に考察する。

「ああ・・・!やりがいがあるな・・・!」

カインは大剣を構え、走る。

「スラ子、集中して水の刃を放ってくれ。最大まで威力を重視しろ」

「私もそうします。スラ子さん、いきますよ」

アリス、カイン、そして俺は前衛だ。

二人の足を引っ張らないようにしなければ。

深く呼吸し、コバヤシは魔力で体を満たす。

「現れよ・・・ヘブンズギル・・・!」

コバヤシは魔力を強くこめ、魔剣を召喚する。

魔剣は光沢のある紫色に光った。

「うむ。今回はガーゴイルか・・・厄介な時ばかり召喚するな・・・」

「何でもいいからあれに効く手段はないか?」

コバヤシはヘブンズギルの皮肉をスルーし意見を求める。

「そうだな・・・知っているかもしれないが、この手の魔族は召喚の触媒が露出している時がある。ゴーレムで言う核、またはガーゴイルには宝石だ」

「ガーゴイルは目に触媒の宝石が埋められていることがある。とにかく触媒の宝石が露出している部分を探せ」

「えっと・・・君の剣、喋るの?」

「・・・!?」

カインとアリスはこちらを見るが、

「鬱陶しい・・・前を見ろ、馬鹿ども・・・」

慌てて視界を前に戻す。

「その魔剣の話、後で聞かせてもらうからね!コバヤシ!」







「おっらあああああ!」

カインは大剣を思い切り振りぬくように振り回す。

大したダメージは与えられないが、怯ませることは出来ていた。

ヘブンズギルの言った通り、ガーゴイルの目が赤く光っている。・・・恐らく、アレが触媒の宝石だ。

しかし、

「くそっ!ちょろちょろと・・・!」

「もー飛べるなんて卑怯だよ・・・!」

ガーゴイルは飛行能力があり、目に当たる部分に攻撃するのは至難の業だった。

「あと少し・・・!」

「持ちこたえてください・・・!」

ガーゴイルは翼に当たる石のパーツが付いていてそのおかげで飛んでいる。とヘブンズギルは言った。

「なら・・・!」

コバヤシはショートソードを空いた手で召喚し、思い切り投合してみる。・・・ガン!

翼に当たる部分には当てられたが、わずかにすり減っただけだ。

「ガアアアア!」

その行動に怒ったのか、ガーゴイルは俺に飛びながら突進してきた。

「危ない・・・!」

アリスは俺を咄嗟に突き飛ばす。

思ったより威力があったのか、俺を庇ったアリスは壁に叩きつけられる。

そのまま意識を失ったようだった。

「なっ・・・!?」

「取り乱すな・・・!カイン・・・!俺たちまでやられたらおしまいだぞ!」

「くそっ・・・!」とコバヤシは歯を食いしばった。

その時、

「準備できたよ!」

「時間がかかってすいません!私も大丈夫です!」

二人の詠唱が終わりガーゴイルの翼に向けて強力な一撃が放たれる。

「対象を貫け・・・アクア・ランス!」

「貫きなさい・・・!アイス・エニード!」

「ガッ・・!?」

飛行能力を失い、2匹のガーゴイルは仰向けに落ちる。

「いくぞ!カイン!」

「ああ・・・!」

チャンスは今しかない・・・!

カインはガーゴイルの目に大剣を振り下ろし、コバヤシもヘブンズギルを突き立てた。






_____おい!起きろ!・・・アリス・・・!

私が目を覚ますと、カインが視界に映る。

「ごめんね・・・。へへっ」

「よかった・・・!無茶はするな・・・」

「カインに言われたらおしまいだよ」

しかしアリスはそこで重大なことに気づく。

顔が近い。

そして、抱きしめられている事に。

「恥ずかしいな・・・」

「よかった・・・!?」

カインも必死だったのか、その状態にいま気づいたようだった。

(カイン・・・いまがチャンスだぞ)

コバヤシは手で伝える。

(わわ・・・!頑張ってカイン!)

アリスを抱きしめカインは言った。

「お前が、その・・・大切なんだ・・・!とにかく無事で・・・よかった」

「なにそれ・・・ふふっスラ子ちゃん見れば何か言ってるのわかるよ。隠してもムダ」







カインとアリスは恥ずかしそうに笑った。




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