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ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
新たなる戦い~3章
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襲撃

・・・最近はお人好しになったものだ。

と、自分の事ながらそう思う。

友人と言える者も最近まで居なかったし、こんなことに協力するなんて想像も出来なかっただろう。

「わわ・・・!」

「分かってるな、スラ子」

「う、うん」と緊張してスラ子は答える。

最初は連れてくるつもりはなかったのだが、余計なことは言わない事・・・それを条件で今回のアリスパーティに連れてきた。

「カインがコバヤシを誘うなんて珍しいね」

「ああ、よろしく」

「アリスちゃん、よろしくね!」

「スラ子も、コバヤシ君もよろしくね!」

今回の依頼は遺跡で行方不明になった冒険者の捜索だ。

パーティメンバーは合計4人。

戦士、ローグ、司祭、魔術師だ。

中堅パーティで最近は上級クラスに上がれるとまで言われていたらしい。

「罠はなさそうだな。まあローグ・・・盗賊クラスがいたなら引っ掛かりはしないだろうが」

「そうだね。コバヤシ、でもこれ見てみて」

「ん?」

アリスが指さすと、そこには鳴子が踏まれた跡が残っていた。

砂をかぶっていたせいか気づくのが遅れたようだった。アリスが居なければ俺たちも引っかかっていただろう。

「だ、大丈夫だ。いざとなれば俺がいるだろ・・・!」

「・・・なんかカインいつもよりヘンだね」

「カインさん、どうしたんですか?」

アリスとエリスの二人は笑いながらからかう。

(カイン、逆に怪しいぞ)

(わたしもなにかできる?)

スラ子は何処か期待した顔でこちらを見る。

・・・。

コバヤシはスラ子の頭を小突くと、

(やめておけ・・・!)

窘める(たしなめる)のであった。







_____死にたくない。

彼以外はパーティは壊滅、この依頼もいつも通り終わってついに念願の上級クラスに上がれるはずだったのに。

身を隠すのに長けた彼だけが生き残ってしまった。

どこまでも暗く続く遺跡に身を隠し・・・いや、怯えて動けないだけかもしれないがその臆病さに救われている。

この遺跡で目撃されたダークエルフの怪しい集団を捕らえる。簡単な依頼のはずだったのに・・・。








「思ったより深い遺跡だな・・・きちんとマッピングしないと死ぬまで迷いそうだ」

「コバヤシ君、私にマッピング任せてくれない?どっちかと言えば戦闘に集中してほしいからさ」

「わかった」

流石上級クラスの頭目だけあり、彼女のレンジャー技術は参考になる。

彼女の指示に従うべきだろう。

「嫌な予感がするな」

カインがおもむろに言った。

エリスも「妙な魔力の気配がします」と言っている。

妙な緊張感があるのは確かだった。








妙な気配を感じながらパーティは進む。

途中、青い火のランタンが壁に掛けてある場所に出た。

「このランタン・・・不気味な感じがしますね」

エリスが言うと「うん、そうだね」と不安そうにアリスが言葉を返す。

ここで怪しげなダークエルフの集団を見かけたという情報もある。

視界を魔力で強化し、じっと目を凝らすと、

「これは・・・」

ぶちまけたような血の跡が祭壇に付いていた。

それだけではない。






「準備しろ!敵だ!」

コバヤシがそう叫ぶと奥から目を光らせた

石造のような魔物・・・ガーゴイルが火球を吐いてきた。



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