賑やかな女子会(番外編)
「ふんふーん♪」
先日大仕事を終えたスラ子は、食事処に向かっていた。今日はコバヤシは来ない、なぜなら・・・。
ガチャッ、カランカラン・・・と扉のベルが響く。
食事処の扉を開けると見知った顔が既に集まり、談笑している。
(今日は女の子の集まりなのだ!)
「あ!スラ子ちゃん!」
「こんにちわ!」
サーニャ、アリスにエリス。
アイカ・・・さんは依頼があるらしく来なかったのが残念だった。
「この前は落ちた天使と戦ったそうですね」
サーニャさんはこの前の戦いは参加していなかったっけ。
「うん!コバヤシとわたしで追いつめたんだよ!」
「流石ですね。ケガはありませんか?」
スラ子は自信たっぷりに言った。
「ふふふ・・・!余裕だよ!」
「頼もしいですね。スラ子さん初めに会った時より大分成長しましたね」
ちょっと恥ずかしい。でもサーニャさんたちに初めて会った時より成長できたみたいで嬉しかった。
「ねね!何かオススメのメニューってある?わたしおなか減っちゃった」
「えーとですね・・・」
女子4人で甘いものを注文しゆっくりとした時間を過ごす。
楽しく過ごすにつれ、話の内容は自分の冒険者パーティについての話題になる。
「サーニャさんの・・・えーと、パーティの頭目は・・・」
「サーウェスさんのことですか?」
「うん!なんかコバヤシに似てるよね。話し方とか雰囲気とか!」
サーニャはサーウェスについて笑って教えてくれた。
「それでも昔よりは口を利くようになったんですよ。確かにコバヤシに似てますね。ふふっ」
・・・。
アリスはどこか恥ずかしそうな顔でスラ子を見ている。
(わたしに聞きたいことがあるのかな?)
エリスは大きくため息をつくと、
「スラ子さんコバヤシは元気ですか?」
唐突にコバヤシについて聞いてきた。
「元気だよ!・・・たぶん」
「へ、へえ・・・元気ならよかった!ほら、あんまりコバヤシ君は口を利かないから気になっちゃって・・・!」
「確かにカインみたいに分かりやすければこんなことは聞きませんね」
エリスは含みがある言い方でアリスの言葉をフォローする。
・・・?
スラ子は不思議そうな顔をしながら続けて答える。
「分かりにくいけど、言葉が少ないだけで冷たい人じゃないんだよ。優しい人なんだ」
「そっか!じゃあコバヤシ君にも今度手紙でも送ってみようかな・・・!」
「うーん・・・コバヤシは文通とかってやったことあるのかな・・・文字があまり分からない、読めないって言ってたし・・・」
・・・!?
スラ子以外の3人はびっくりした顔をした。意外過ぎて面食らったようだった。
「意外ですね・・・彼は言葉は通じるのに読み書きが出来ないんですね」
「うん!じつは・・・コバヤシは異世界から来たらしいよ!」
スラ子のどや顔を見て、3人は思わず笑ってしまった。
それも当然だ。異世界だなんて急に言われても信じる人は少ないだろう・・・。
「ホントだよ!嘘じゃないもん!」
「まあ・・・コバヤシ君ならあり得るかも・・・ね」
賑やかな女子会は昼から夕方まで続いた。