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ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
勇者との出会い~2章
73/115

強き者

「ここか・・・!」

ルビス遺跡、というらしい。

今回は上級クラスの3パーティ・・・10人で探索する感じだった。

アリスのパーティとニイナの勇者パーティ、そしてアレスとアイカのパーティ。

「なんか不気味だね、魔獣の姿もあまり見なかったし遺跡って魔獣の巣窟のイメージ」

「確かに、先客でもいるのかな?」

アリスが不安そうに呟くとブローが茶化すようにそれに答える。

「ブロー、冗談はそのくらいにしろ。今回は落ちた天使がいるかもしれないんだぞ」

「あーはいはい。ごめんね」

アンジェリカがブローを窘める。確かに今回は少し不安だ。

冗談で済むならいいが、もしゼパルなら・・・。

「コバヤシ」

「ん」

スラ子は俺を見て言った。

「大丈夫だよ。今日は強い人がいっぱいいるから・・・だから無茶はしないでね。協力すればきっと大丈夫だから・・!」

スラ子は俺の手を取るとそう言った。

震えていたのか。

まあそうだよな・・・でも、

「ありがとうスラ子、俺は大丈夫だ」

心強い言葉だった。震えも少しはマシになったろうか。

遺跡の内部に足を進める。

「力を再現せよ、ヘブンズギル」

今回は少し早めに召喚して、ヘブンズギルを手に持つ。

魔力消耗が気になるが薬はある程度はある。

「コバヤシ、今回も別行動だ。アリスのパーティとコバヤシのパーティ、そしてあとは私たちで分かれて探索する。君はそれでいいかな?」

「ああ」

「よろしくな。コバヤシ」

カインはこちらに手を差し出す。

「よろしく」

初めて組むパーティだが、頼りになるだろう。スラ子もアリスと楽しそうに会話している。

・・・よし。

「行きましょう。緊張感を忘れないでくださいね。アリス、スラ子ちゃん?」

「ごめんなさい・・・」

一同は遺跡内部に向けて行動を開始した。






「ふっ!」

「そこっ!」

暗闇というアドバンテージを存分に生かした魔物の襲撃、警戒しないとあっという間にパーティは瓦解するだろう。

しかしこちらはパーティプレイでその危険性を少しでも軽減する。・・・カイン、アリスが基本的に前衛、スラ子とエリスは後衛俺はアリスとカインの二人が取りこぼした魔物を仕留める。

アリスの考えた連携だ。・・・頭目をやるだけはあり合理的な作戦だ。

ギャッ!

ゴブリンの群れはこちらに背を向け逃げ出し始めた。

「逃がすか・・・!溶かしつくせ、ディザーヴウ!」

「ギャアアアア!」

硫酸の塊が逃走する群れに放たれる。・・・すべては仕留められなかったか。

「やるね!コバヤシ君」

「初めてパーティを組みますが良い動きです。昇級もあるかもしれませんね」

エリスは賞賛の言葉を向けてくれた。

「ありがとう」

順調に歩みを進める。

「・・・照らせ」

エリスはアダマイト魔石に魔力を込めると放り投げる。

拡散するようにアダマイト魔石が散らばり、暗闇を照らす。

周囲には先ほどのゴブリンの群れの寝床が広がっていた。

「なかなか本命の怪しい人影、見ないね」

「確かに、いないと無駄足になるしな」

・・・!

「・・・ひっ・・・」

ふと、陰で何かが動いた。今の声は・・・人間・・・?

「誰だ?」

「・・・たすけ・・・」

明らかに人間の声だ。誰かがゴブリンに囚われていたのだろうか。

「大丈夫・・・!?エリス、ポーションを出して!」

アリスはポーションを受け取ると少女に飲ませる。

「あり・・・がとう、ございます・・・」

話す気力くらいはあるようだ。なんにせよ見つかって良かった。

ギャギャ!

!!

「危ない!」

暗闇から弓が飛んできた。さっきの生きのこりか・・・!

「アクア・シールド!」

スラ子が咄嗟にアダマイト魔石を投げ、魔法の壁を作る。

「ハッ!」

弓が飛んできた方向にショートソードを召喚し投合した。

当たったかは分からなかったが小さな「ギャッ!」という悲鳴が聞こえた。

「ナイス!コバヤシ君!」

「この子はどうする?まだ奥に行かなきゃ行けないけど・・・」

スラ子は転移魔術は習得していない、エリスはどうだろうか。

「緊急事態用に転移の巻物があります。それを使いましょう」

術式展開・・・「マイグレーション」聞いたことのない詠唱だ。

それにしても転移の魔術、初めてみたが便利だな。・・・転移の巻物も今度から用意しておこう。







少女を帰還させるとパーティは進んでいく、その先にはやはり‘ヤツ‘が待っていた。

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