表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
勇者との出会い~2章
71/115

新米冒険者2

「ふむ・・・」

「暗いね」

松明をもってパーティは地下を進んでいく。松明に照らされた下水道は不気味に静まり返っている。

ビックラッドは獣なので夜目がきく、気を付けて少しでも気配を殺して一同は進んでいく。

「スラ子、下水道に落ちるなよ?」

「うん。もう臭くなるのはいやだし・・・」

かなり前だがスラ子とどぶさらいの仕事をしたことがあったが、水性の体はどぶの匂いをすっかり吸収してしまいかなりの匂いになってしまったことがある。

・・・!

「センパイ!何か来ます!」

レンジャー、アリサが気配を感じ弓を構え、俺たちに知らせる。

「さすがレンジャーだな。・・・よし、何匹いるかはわからないが俺たちがフォローする。あまり前に出過ぎるなよ?スラ子、松明を持っててくれ」

「うん」

「術式展開、ショートソード!」

コバヤシは武器を召喚し構えると炎のエンチャントを先端に付ける。多少は明かりになるだろう。

「・・・すごいですね!」

「構えろ、リッド!」

キキッキキキッ!

奥の暗闇から獣の声がする。・・・これは運が悪いな、数はそれなりに居そうだ。

「行きます!」

アリサは奥に向かって弓を放つ。

ギャッ!

数にして4匹ほどだろうか、その獣の集団は姿を現した。

「先頭は任せろ、リッドはあの1匹を仕留めてくれ!」

コバヤシは不意に武器を真っすぐに投合した。ショートソードは獣の頭に刺さり、倒れる。

「もう一度・・・!」

コバヤシは武器を新しくまた召喚し、投合をする。

こういう使い方はしたことはないが魔術の練度が上がったおかげか手元から召喚した武器を離してもある程度は実体が保てるようになっていた。

「うおおおお!」

リッドは残るコバヤシセンパイに喰らい付こうとしていた獣に思い切りこん棒を振り下ろす。

響く耳に残る鈍い音、こん棒に打ち付けられた獲物は気づいたら倒れていた。

「初めてにしてはやるな。よし、もう少し探索するか」

思ったより二人とも行けそうなのでもう少し奥に進んでみる。

「コバヤシセンパイ・・・は強いですね!多分私たちだけなら危険だったかもしれません」

アリサは尊敬のまなざしをこちらに向ける。

「ふふー-ん!コバヤシはドラゴンを倒したこともあるんだからね!」

スラ子は自慢げにそう言った。

「俺が一人でやったみたいに言うな・・・」

軽く談笑しながらパーティは奥に進んでいく、あと何匹かのビックラッドを倒してパーティは引き返すのだった。







「ありがとうございました!」

ギルドに帰還すると受付に報告をする。

大した依頼ではないがこういうパーティでの達成感も悪くないな、と思う。

「あの・・・これを」

リッドとアリサは俺に申し訳なさそうに報酬の一部を渡してきた。

「ああ」

そういう事か、まあ新人だったし気まずいのだろうが。

「気にするな」

二人にお金を返すと、

「お金はそれなりにある。新人からもらうのもセンパイとしては気まずいしな。まあ受け取っておいてくれ」

「ありがとうございます!」

二人はこちらに頭を下げ、離れていく。

「コバヤシセンパイ・・・!なんかずるい!」

スラ子はどうやらセンパイと呼ばれてみたいようだった。

「いつか呼ばれるさ、俺たちもまだ新参だ。有名になればその機会も増えるさ」







俺はスラ子の頭を軽くたたいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ