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ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
勇者との出会い~2章
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潜入2

楽しい戦闘の始まりです♪

「・・・スラ子」

「なに?」

「今夜、カーリを助けに行く。手伝ってくれ」

スラ子は驚いていた。相談されたのは嬉しそうだったが。

「私で助けになる?」

「教会に潜入するんだ。お前は隠れるのが上手いからな。来てくれると助かる」

わかった。と彼女は頷いた。

宿を出ると外にはメイドが待っていた。

「彼女が・・・スラ子さんですね。もう状況は話しましたか?」

「話した。ただ、お前に気を許したわけじゃない。お前が裏切れば俺は捕まるからな」

「ええ・・・今だけですから」

人通りが少ない通りを歩く。

一応軍隊が巡回しているルートは外れるように移動してはいる。

「あなたは変わった人ですね」

「・・・」

特に会話をすることもなく教会に向かって歩いていく。

「魔物もそうですが、悪魔も一枚岩ではありません。争いが起こってほしくないと思う悪魔もいます」

メイドは独り言のように呟く。話はする気はなかったが少し、付き合ってやることにした。

「お前はそう考えているのか?」

「ええ。争いに意味はありませんから」

教会が見えてきた。しかし3人は教会の裏手に回った。

「ゲート・オープン」

ブウン・・・!

教会の裏手にメイドは詠唱をすると穴のように異次元の道が出来た。暗いが、先はどうなっているのか。

「こちらに、お通り下さい」

メイドはためらいなくそこを通過する。

「コバヤシ・・・これ大丈夫?」

「いこう。嘘をつくそぶりは見せていないし行かなければ始まらない」

空間のゆがみに一か八か飛び込むと、教会の内部の廊下に出た。人は・・・いないようだ。

「ここにはいま神官たちはいません。今日は神の休まれる日、だそうです。」

神の休日ってところか。彼らにも、聖職者としての教示はあるようだ。

暗い廊下を進んでいく。扉がいくつかあったが、メイドは迷うことなく進んでいく。

奥まった窮屈な作りの奥、そこには格子のある扉があった。

「っ・・!?」

扉に触るとメイドは急に何かに弾かれるように後ろに下がった。その時コバヤシとスラ子は結界のような気配を感じる。

「これが、呼んだ理由か」

「そうです。破壊してください。この扉は対悪魔除けの結界です。わたしではとても・・・」

「わかった。下がれ」

コバヤシが言うとメイドは素直に下がる。

「私が壊す?アクア・ランスで・・・」

「あんな大きな音を立てたら人が来る。俺なら・・・」

スラ子にアダマイト魔石を1つ受け取ると魔力を込める。

「・・・2人とも離れろ」

扉にアダマイト魔石を放ると、ボジュウウウ・・・と扉が融解する。

「これは・・・腐食の魔術・・・!あなたに頼んで正解でした」

「おべっかは良い。早く彼女を救助するぞ」

メイドが部屋に入ると、鎖で繋がれたカーリに近寄る。

「カーリ様・・・!ご無事で・・・!」

「スラ子、あと1つ魔石をくれ」

「うん」

コバヤシは鎖を溶かしてカーリを解放した。彼女はうつろな目でこちらを見る。

「助けに来た。今回だけはな」

「変な・・・ひと・・・」








カーリを保護すると、先ほどのゲートを出て、路地裏に出た。作戦は成功だろう。

しかし。

「ねえコバヤシ、さっきから魔力の反応があるんだけど、なんだろう?」

「・・・どこがだ?」

分からないけど、とスラ子は頭をかしげる。その瞬間、メイドは何かに気づいたように言った。

「冒険者様、お逃げください」

「何を・・・!」

「コバヤシ!」

スラ子は咄嗟にアダマイト魔石を投げ、アクア・シールドを展開する。

暗闇から放たれたダートがシールドに弾かれる。

全部で6回、カーリを庇ったメイドの肩に1回命中してしまった。

「へえ。お強いんですね。神の反逆者さん?」

「お前は誰だ」

「私はノア、神の代行人」

「彼女はおそらく悪魔を滅ぼすための実行部隊、神の代行人のうちの1人・・・」

メイドはこちらを見ると同じことを言った。

「お逃げ下さい。これ以上関わればあなたも殺されます」

「・・・!」

スラ子がこちらを見る。ここで逃げたら・・・。

冒険者としてのコバヤシの本能が逃げた方がいい、と警告する。しかし・・・。

「スラ子、彼女たちを守ってくれ」

「コバヤシは!?」

「俺はあいつの相手をする」

屋根の上から跳躍し、路地にその影は降り立つ。こちらにゆっくりと歩きながらそいつは言った。

「相手をする?いえそれでは負けますよ。殺し合いです♪」

まるで殺す行為にためらいがないようにそいつは口にする。

「そうか。覚悟が足りなかったな。では、殺し合いだ」

「契約に従いその力を具現化せよ。魔剣ヘブンズギル!」

武器構造を検索し、具現化する。メイドはこちらをなにも言うのでもなくただ見ていた。






俺は、暗闇に立つそいつに接近した。

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