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ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
勇者との出会い~2章
51/115

カーリ

「へえ、ようやく来たんだ。コバヤシっていう冒険者さん?」

無邪気な笑顔で少女はこちらを見る。

「・・・大丈夫か?」

アンジェリカは平気そうだが、ニイナは壁に叩きつけられていた。血も広がっている。

「このくらいじゃ死ぬことはないよ。聖剣の能力で修正なおるからね」

ブローは冷静に言っていたが、少し怒気もはらんでいた。

当然だ。自分のパーティが瀕死にされたのだ。

コバヤシは少女と向かい合うと、答える。

「そうだ、俺がコバヤシだ。お前は誰だ」

「私はカーリ、当主様の一人娘。あなたに興味があってきたの」

相手の側にはムシュフシュがオスとメスが1体ずつ、こちらの戦力はアンジェリカとブロー、そして瀕死のニイナ。

「やばいな。これ、作戦か何かあるか?」

コバヤシの言葉にアンジェリカはただ、今の現状を感情を入れないように呟いた。

「どう考えても不利だ。勝てる見込みはない」

少女はこちらに少しずつ近づきながら言葉を続ける。

「そうね・・・コバヤシは私と遊ぶとして、あなた達にも友達が必要じゃない?」

ムシュフシュがアンジェリカとブローを見る。

「グルルル・・・!」

「私のペットと遊んであげて?」

最悪の戦いが始まった。








「私はね、退屈だったの。人間は弱いし、強い人はゼパルが倒しちゃうし」

歩きながらカーリと名乗る少女は武器を魔力で編んでいく。

「これね、ネイリングっていう武器なの。かつて英雄が使ったドラゴンの戦いに使われた魔剣」

魔剣、というよりはクローという方が名前には合っていそうな形だった。カシャカシャと音を立てて爪を動かすと怪しく刃が光る。

「さあ、遊びましょう!楽しみね!」

ヘブンズギルは忠告するように言った。

「あまり近づいて戦わないことだ。あの魔剣、お前とは相性が悪い」







「くっ・・・!」

コバヤシは今、カーリと名乗る悪魔と戦っている。こちらはムシュフシュが2体と瀕死のニイナ、そしてブロー。

「こんな局面は初めてだ。今まではニイナの助けもあったが今は二人でムシュフシュが相手だね」

「ああ・・・!まったく自身の不甲斐なさに呆れる・・・この局面、どうするか・・・」

ブローはあえて、笑いながら言った。覚悟を決めた目だ。

「死ぬ気でやる、ってのはどう?」

「ああ!いい作戦だな!」

自身を奮い立たせる。ブローは補助の呪文を全員に掛ける。

焼け石に水だが、何もしないよりもマシだ。

「グアアアアアアア!」

ムシュフシュが咆哮を上げて迫ってくる。どうやら同時に攻撃してくることはないようだ。

「くっ・・・!」

アンジェリカは正面からオハンの盾で攻撃を受け止める。

「・・・負けるか!聖騎士の名においてここは絶対に譲らん・・・!」

全身をフル稼働させ気合でムシュフシュの攻撃を抑え込んだ。わずかな時間だが、詠唱をするには十分な時間、抑え込む。

「術式展開!万能なるマナよ、破壊の炎となれ! ヴァナ・フレイム・ヴェ・イグロルス」

炎の槍が展開し巨大な体にいくつもの炎の槍が降りそそいだ。ムシュフシュが悲鳴を上げるように叫ぶと怒り狂ったかのようにツガイの片方がこちらに疾走する。

「ガアアアアア!」

対処できる訳もない攻撃だった。元々この2匹を相手取って対処できるとは二人とも思っていなかった。

_____他の冒険者が居なければ。







・・・?

攻撃は届かなかったのか。何の衝撃もしなかった。

「間に合った、みたいだな」

そこにいたのは大剣を持った大男とエルフの魔術師に長剣を持った女の子だった。

魔術によって貫かれた跡を残してムシュフシュが倒れている。

「ようやく追いついた!あの大馬鹿!」

「少しはしたないですが今日は許しましょう。大馬鹿ですから」

アリス達はため息をついてコバヤシの所へ走った。

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