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ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
勇者との出会い~2章
43/115

コバヤシの戦い

物語も後半戦。よかったら読んでね

馬車に揺られて数時間、目的地にたどり着くと馬車を下りる。

ここから先は歩きだ。

「ちょっと待ってくれ」

術式展開。魔術構造、検索。

「契約に従いその力を具現化せよ。魔剣ヘブンズギル!」

魔剣の具現化、魔力がカタチになっていく。

「君の魔剣は武器召喚、イメージを記憶し具現化しているのか。どうやったかは知らないけど、剣や杖を持ち運ぶ手間がなくていいね」

ブローは少し羨ましそうに言った。

冒険者は荷物が多い。コバヤシの武器をイメージからいつでも取り出せる。というのは確かにメリットだった。

ただ、強い武器であるほど魔力を消耗するので便利な点だけではない。

「わたしの聖剣だってすごいんだからね!調子のらない!」

「あー・・・どういう意味なんだ?」

「そろそろ警戒しろ。人数が多いからといって油断はするな」

アンジェリカはおしゃべりに釘を刺す。

「はいはい。騎士様、気を付けるよ」

索敵しながら歩いていると遠目だが、放棄された石造りの建造物が見えてきた。

10メートルほど先にトロルが2体確認できた。魔獣も数体闊歩している。

「あれが街を襲った残党だな」

アンジェリカは群れに気づかれないように小さな声で話す。

「コバヤシ、君はどの属性の魔術が得意なんだ?」

「酸・・・属性かな。その他の属性の魔術だ」

「珍しい属性だね」

前衛はアンジェリカ、コバヤシ、ニイナの3人、後衛はスラ子とブロー。

「術式展開・・・ブライド・ブリッド・ブライド・ディストリートー・・・」

「術式展開・・・束ねよ、水の刃。連なり、対象を貫く水の奔流」

後衛が詠唱を開始し、前衛が駆ける。

魔獣が、こちらに気づいた時にはすでにこちらが有利だった。

「コバヤシの実力、みせてもらうぞ!」

「ああ!」

「わたしだって負けないよ!」

アンジェリカが先導する。魔力強化している俺よりもはるかに彼女は足が早い、さすがと言ったところか。

「グルアアア!」

「・・・そんなもので!」

彼女は最高品質のミスリルの長剣で魔獣を切り捨てる。

サーウェスもそうだが、長剣の扱いに長けた冒険者は動きが他の冒険者とは一線を画している。

「グアアアアア!」

トロルが魔獣の断末魔を上げたせいかこちらに気づいた。

見た目よりも早い動きでこちらに突進する。

「スラ子、ブロー!詠唱はまだか!」

「まっかせて!」

「僕も準備完了だよ!」

コバヤシはわずかに笑った。スラ子の成長を感じたからだ。

・・・いまはそれどころではないか。

「アクア・ランス!」

「エネルギーボルト!」

水の刃が敵に降り注ぎ、轟音とともに雷が直進する。

スラ子が魔獣の群れを掃討し、ブローの放ったいかずちが奥にいるトロルを怯ませる。

「いくよ!コバヤシ!わたしと勝負だ!」

「はあ・・・。まったく!」

俺の実力も見せないとな。

コバヤシはトロルを目掛け、駆ける。

「接続開始・・・ヘブンズギル起動」

魔力放出の出力が上がる、この感覚にも慣れてきた。

魔力によるブーストで加速する。

トロルは並みの生命力ではない、首を切り落とし、一撃の下で沈める。一撃でも喰らえば死ぬ。

「・・・くらえ!」

魔剣により強化された一撃。駆け抜けるような斬撃、トロルは断末魔すら上げず倒れる。

「身体強化くらい!わたしだって!・・・ブースト!」

ニイナは軽やかな動きでトロルの距離を詰めると、

「解き放て、カリュバーン!」

光の刃を下からふりぬくように解き放った。聖剣が輝き強烈な斬撃となってトロルを両断する。

真っ二つになった魔物が倒れる。

「ふっふっふ・・・わたしのほうが強いだろー!」

「大人げないな・・・相変わらず」

「こらこら、いたずらに聖剣をぶっ放すんじゃない」

愉快なパーティだ。・・・これでは緊張感が持たないな。

「コバヤシ、すごいでしょ!」

「ああ。さすがだなスラ子」

アンジェリカが声をかけてきた。

「ふむ。噂にたがわぬ強さ、合格だ」

「スラ子、君もだ。具現化の練度、詠唱速度、どれをとっても並みの冒険者より大きく上だ」

「あんたがリーダーって感じだな」

「当然だろう、一番実践経験があるからな」







(合格か、この先どうなるかはわからないが・・・生き延びて見せる)

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