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ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
コバヤシと言う冒険者~1章
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スラ子の独白

とても素晴らしいシーンです。お気に入りです

______夢を見た。かつての記憶。ある神と人間は恋に落ちた。しかしうまくはいかなかった。

「死ね!!」

その行為はまさにイシュタルに逆らう行為。神による天使殺し。

怒りのあまり一撃で殺してしまった。拷問でもすればよかったのか。

だがこいつにヘレナは殺された。人間が自分より身分が上になるというだけで。

彼は抵抗した。自分の領地に堂々と帰り、侵入してきたイシュタルの天使兵を虐殺した。

混沌の勢力と呼ばれ、魔王と罵られた。

負けは明白だった。

友人が彼の城に来た時、覚悟を決めた。

神の国に住んでいた彼は、人間の世界に落ちた。









「はあ・・・・!はあっ・・・!」

今のは夢・・・?やけにリアリティのある夢だった。

「コバヤシ、大丈夫?」

スラ子がベットのわきで心配そうに顔を覗いていた。

「ああ。大丈夫だ、そういえば気になったんだが」

体を起こす。魔力は回復しているようだ。

「なんでししょーからコバヤシって呼ぶようになったんだ?」

「なんかね。コバヤシって呼ぶと今までと違ってなんか・・・心が変な感じになるの」

回答なんだろうか。意味があまりわからないが・・・。

「あ!ねえねえ!これ見て!」

自慢げにペンダントを見せつける。宿屋の娘がくれた宝石を身に着けるとエヘヘ、と嬉しそうにクルクル回る。

「よかったな。・・・スラ子、話がある」

「なに?」

「この街を離れようと思う。お前はどうする?」

彼女は十分にこの街にも、ギルドにも、そしてアリスのパーティやサーウェスの上級冒険者パーティに受け入れられている。彼女ならここで俺が居なくてもやっていける。

「やだ!」

「そうか。ならギルドにパーティ申請を・・・」

不機嫌そうにスラ子はこっちを見る。少し、泣いている、ような・・・。

「なんで置いてくの!私のこと、邪魔なの?」

「いや・・・そんなことは・・・違うんだ。ただこの街に残りたいかどうか聞こうとしたんだ」

スラ子はポロポロと涙を流していた。

なんでなんだ。俺はそんなつもりはなかったのに・・・。

「ちょっと前に私が言ったこと、覚えてる・・・?」

_____コバヤシだけなんだ。私とちゃんといてくれるのは。

スラ子がその言葉を言うと、泣きながら言葉を絞り出した。

「いつも守ってくれて、一緒にいてくれて、嬉しいんだ。この前なんて頑張って杖まで作ってくれて、プレゼントしてくれて」

「私ね。こんな風に誰かから手作りのもの貰うのって初めてだったの。ホントに嬉しくて飛び上がっちゃいそうなくらいだった」

「この前、コバヤシが遺跡で倒れた時、私・・・頭がおかしくなりそうだった。ずっと一緒にいて、救助が来るまでコバヤシにしがみついてた」

だからね。と頑張ってスラ子は笑った。

「一緒に居たいの。あなたを助けてあげたいの。だから、私も行く」

_____!

まいった。これ、まるで告白じゃないか。

まったく、俺は勘違いをしていた。

「スラ子、悪かった。一緒に行こう。どうなるかは分からないが、やれるとこまでやってやるさ」

スラ子の頭をなでる。スラ子は泣きながら笑っていた。






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