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ウェポンサモナーとスラ子の冒険  作者: どれいく
コバヤシと言う冒険者~1章
28/115

ギルド、昇級

次の日の朝。

「びっくりしたよ。まさかスラ子ちゃんが人じゃなかったなんてね」

あんなことがあった後なのに普段通り校舎に賑わう生徒たちの声。

昨日の出来事は内密に処理されサキュバス騒動はほとんどの生徒にとっては信ぴょう性のない、ただの噂だったという話で終わるだろう。

「隠しててごめんね。嫌われるのが怖かったの」

最後の挨拶をしに教室へ向かう。

「わたしはここでお別れ。二人ともまたね!」

キリエセンパイはいつも通り、別れの挨拶も明るかった。






「残念です。スラ子さんは才能もあったので我が学園に正式入学してほしかったのですが」

学園長は本当に残念そうに言っていた。

「ごめんなさい。でもここはすっごく楽しかった。またなにかあったらお願いします!」

スラ子は申し訳なさそうに言うと扉をバタン、と閉める。

廊下にいても会話は断片的に聞こえていた。

「いいのか?冒険者ギルトの依頼に支障がなければ問題なかったんだが」

「コバヤシと一緒にいたいから。それに2週間勉強ばっかりで疲れちゃった!」

「っ!」

恥ずかしげもなくよくこんなことが言えるものだ。

スラ子のこういうはっきり言う性格は良いところだとおもう。

それにスラ子のおかげで最近はなんとなく・・・人間関係がうまく築けた気がする。

「帰ろ!」

俺たちは学校を後にした。







「どうもお久しぶりです。召喚者様、最近は色々と忙しかったようで」

「ああ・・・ギルドに来るのも久しぶりだ。魔物討伐の依頼はあるか?」

「その前に・・・召喚者様に昇級の話が来ています。どうなさいますか」

驚いた。でも最近は大物が多かったから当然だとも思う。

上位のサキュバスの討伐、一斉討伐での功績。

もう十分だろう。

「受けるよ、その話」

「おおお!すごい!ついに昇級だ!」

昇級は面談をするらしい。人間的に問題があったら困るからだろう。

「おめでとうございます。コバヤシ君」

不意に、声を掛けられた。

「あんたか。まさかギルドに属してるとは思わなかった。エリス先生・・・はもう終わりだな」

「最後くらい声をかけて欲しかったですね。まあここでも時々は会えるでしょうが」

「すまなかった。ただ俺とはあんまり親しくしないほうがいいぞ。嫌な噂を立てられたくなかったらな」

「あなたをすこし誤解していたのかもしれません。彼女が言っていたこともわかる気がします」

「そうか。俺はもう行くが」

すみません。といいエリスは後ろで話していたアリスのパーティに交じっていく。

(アリスのパーティだったのか)

最近はここに来た当初より色んな人に関わってる気がする。これも縁ってやつか。

「召喚者様。どうぞこちらに」

スラ子とともにカウンターの奥に案内される。一体何を聞かれるのだろうか。








「色々と良い噂は聞いているよ。あとは君の悪い方の噂もね。最近は魔物退治もするようになったけど、元々は無法者の生死不問な依頼や道を外れた下法を使う魔術師の暗殺を生業なりわいとしてたとか」

「ああ。間違いない」

生業というか・・・正確には魔物を狩れるような実力がなかったからだが。

二人はカウンターの奥の部屋、面談室でギルドの管理職っぽい人といろんな話をしていた。最近の活動、依頼の傾向、これからの方針。

「君たちは昇級して中級クラスになる。大体のギルド所属の方はこれ以上になることはないけど、君たちなら上級にもなれるかもしれない」

「意外とあっさり終わるんだな。特別な任務とか、依頼とかありそうなものだが」

「うーん、それなんだが」

奥歯になにか挟まったような言い方で続ける。

「君の達成した依頼は大物が過ぎる。証拠が欲しいんだ。相応の依頼を用意しそれをクリア出来たら確信も持てる」

実力がなければ困る、という物言いだった。当然だ。

「何の依頼をしてくればいいんだ?」

「君たちだけで、コドラという魔物を討伐し証拠を持ち帰ってほしい」

コドラ・・・ドラゴンの幼体だ。幼体だがドラゴンが備える器官、身体能力を持つ中級クラスの魔物。

コドラの鱗は鎧を作るのに使用されたり、卵は珍味とされる。

「わかった」







「昇級だ!がんばらなきゃ!」

「ああ。そうだな」

久々の二人での冒険だ。めったにないチャンス、俺は珍しくやる気だった。

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